2023/4/10 月曜日
青森の元大工 旧滝内小中学校をジオラマに
青森市三内地区在住の元大工・藤野勇さん(84)=黒石市出身=が、戦前から高度成長期まで40年以上にわたり三内地区の子どもたちを見守ってきた旧滝内小中学校のジオラマを完成させた。約1年かけて出来上がった労作で、校舎のミニチュア模型などを備えた精巧な出来。地元団体によるお披露目の場も設けられ、かつて学校を巣立った住民たちが目が見張るとともに、懐かしの学びやを巡る思い出話に花を咲かせた。
滝内小中学校は1927(昭和2)年、三内地区の一角に滝内尋常高等小学校として建てられた。教育制度の変遷や地域事情の変化に伴い、滝内国民学校、滝内小中学校、西中学校滝内校舎として利用され70(同45)年に閉校した。その後は解体され、跡地には現在、青森歯科医療専門学校がある。
腕利きの大工として鳴らした黒石市大板町出身の藤野さん。最近では「趣味の範囲内」でミニチュア模型作りに携わり、古里の黒石にある「金平成園」内旧加藤家住宅や、旧鳴沢駅(鯵ケ沢町)を再現。今回も地元・三内のために-と約1年間かけて腕を振るい、繊細な職人仕事によって、校舎の模型などから成るジオラマ(縮尺60分の1)を仕上げた。
労作の完成をお祝いするとともに、地域の歴史をひもとく機会になれば-と地元の「三内を美しく元気にする会」が2日、青森市中央市民センター三内分館で完成を祝う会を開催。地元住民や教育関係者ら約30人が、昔懐かしい木造校舎や校庭が細部まで忠実に再現されたジオラマを眺めながら、「近くに川があった」「あそこがトイレだった」などと思い出話に花を咲かせた。
同会事務局の吉崎宏さん(69)も「大工ならではの仕事で素晴らしいジオラマができたと思う。新型コロナウイルス禍でなかなか集まる機会がなかった住民がこうして集まり、楽しく語り合うきっかけになったことが何より良かった」と声を弾ませた。