増えた大卒、職とミスマッチ 「事務希望」は17万人過剰
Inside Out
製造や建設などの現場が人手不足に苦しむ一方、"人手過多"となる職種が生まれるミスマッチが起きている。特に事務職は求職者が求人を17万人上回る。ここ30年で高卒就職者は7割減ったのに対し、大卒就職者が4割近く増えたことが一因だ。成長に必要な労働力を確保するには、働き手を増やすだけでなく求人と求職者のズレを埋める必要がある。
「前職と同じ事務の仕事がしたい」。2024年5月、30代女性が東京都渋谷区
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(更新)- 鶴岡路人慶應義塾大学総合政策学部 准教授別の視点
記事全体としては、大卒就職者が増加し高卒就職者が減少したことによる需給ギャップが強調されている。それは真実の一面だ。他方で、記事中の図の1つでは「専門職」について、求職者が17.8万人に対して求人が36.9万人という、建設・採掘従事者以上の求職者不足が示されているが、これについて記事では言及がない。いわゆる現業職と専門職の人材不足が同時に発生しており、それぞれへの解決策はまったく異なる。後者に関しては、大卒者の増加自体を問題視するのではなく、大卒者をいかに専門職に到達させられるかが課題になる。
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(更新) - 遠藤直紀ビービット 代表取締役ひとこと解説
生成AIの進化により、単純な事務作業は早晩代替される見込みですが、課題の認定や意思決定は依然として人間の役割として残るでしょう。また、身体性が必要な分野での機械の代替は時間を要するはずです。大学はホワイトカラー職への準備期間ではなく、知的専門性を深める場として再定義されるべきです。AIが浸透する社会で生き残るには、より高度な知識と創造的な思考が求められます。
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(更新)
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現代の日本、世界が直面する構造問題の根っこに一体なにがあるのか。未来志向の「解」を求めて、記者が舞台裏や歴史を徹底的に探ります。