「結婚してから渡す」と言われていたお年玉
突然の同居になったこと、結婚式と入籍するにあたって父と母に連絡した。同居することになったことについて、父は心配したが、母はあんたが決めたことやろと突き放すように言った。また、金銭面では一円も出すつもりがなかった。連載の最初の方に書いたが、母は大きくなって結婚するときに渡すために貯めておいてあげると言い、私がもらったお年玉やバイトのお金を持ち去った(だから私はお金を貯めるために時給の高いアルバイトを探し、ある程度抜いたお金をこっそり貯めるしかなかったのだ)。
結婚式は彼がすべて出すとは言っているけれど、本当に出してくれるのか、私の貯金で足りるのかわからなかった。成人式の振袖のお金は出してくれなかったけれど、結婚するときに渡すといったお金はちゃんと返してくれるだろう。そう思いたかった。
ちなみに彼のご両親は大きなお金をお祝いで出してくれ、2人の定期預金に入れていた。しかし母にお年玉の貯金について尋ねると、こう言ったのだ。
「そんなものないよ。自分で勝手に結婚するんだから、自分でなんとかしなさい。同居するんなら、嫁入り道具なんかいらないでしょ、そっちの親にしてもらいなさい」
母はそのまま電話を切った。これが母親なのかと失望もしたし、とにかく残念だった。私は親に愛されていないのだなと改めて感じた。後から父が「なんぼか用意するから心配するな」と言ってくれたが、そういうものではないのだ。父も分かってないなと感じた。
その後、結婚式の当日まで母からお金を出すそぶりはなく、両家の両親の衣装も着物も彼と二人で用意し、実家から受け取ったお金は結婚式当日、父が参列者のようにお出してきたお祝い袋だけだった。その事が恥ずかしくて、情けなくて、彼にごめんねと謝った。その日から彼に大きな引け目を感じて生きていかなきゃいけないような気がした。
【次回は1月10日公開予定です】
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#1-2骨折した足にテーピングして…娘をバレーボール選手にしたかった母「驚愕の行動
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#3-1些細なことで始まった小学校でのいじめ…母に「甘えるな」と言われ絶望した日のこと
#3-2斜視の手術で目に包帯…母に殴られ続けていた私が唯一感じた「母の優しさ」
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#4-2私のことは殴っても父に従順だった母が、「家事をやらない人」に急変した理由
#5-1家事をしなくなった母が祖母と叔母と演じた「修羅場」、巻き込まれる子どもたち
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#12-1「母から逃げたい」自立した19歳の私が再び実家に連絡せざるを得なかった理由
#12-2 腹痛とともに感じた「母に助けられる恐怖」…19歳の私が結婚を決意するまで
#13-1 性暴力も「あんたが悪い」…母の虐待に苦しんだ私が20歳で結婚を決めた理由
#13-2 婚約者の両親が「ご実家に挨拶したい」私を虐待してきた母による成人式での悪夢
#14-1 「母の呪縛から逃れたい」虐待を経て20歳で結婚を決めた私が見た「暗雲」
#14-2 母の虐待から逃れ、20歳で結婚…突然の義両親との同居で始まった「別の苦悩」