高校卒業前に一人暮らしを決めた

青春時代の楽しみと引き換えに手に入れた「自分だけの家」に、高校卒業1ヵ月前に引っ越した。
家の契約をしたのは冬休み。その前からずっと不動産屋を回り、物件を探していた。年齢と免許証を見せ、私でも借りられる家を紹介してもらったのだ。高校生だが就職も決まっているし、自立を早くしたいのだと言って信頼してもらった。

 

実家から遠くに借りることも考えたが、まだ高校卒業前であったこともあり、遠くまでいくつも内見に行けなかった。その時間はバイトに費やしたかったし、高校卒業まで学校にも通わなくてはいけなかった。結局、一番便利な、実家から2駅違いの場所、上りも下りも快速電車が止まる駅を選んだ。

契約をするには保護者のサインが必要だった。その説得には緊張したが、父は私が用意周到に準備をしたことに感心してくれ、認めてサインをしてくれたのだ。大反対をしていた母も、いざ引っ越しをするときには父に「娘が住んでいるところは、知っておいたほうが安心やろう」と連れられてきた。実はこれが後に私をさらに苦しめることになるのだが……。

父親が保証人になってくれたことで契約をすることができた Photo by iStock

内定が決まったアパレル会社では、私は販売として店に立つことが決まっていた。冬休みが明け、会社の説明会に呼ばれる。ここでは希望店舗を聞かれるのだが、その時には新居の住所を伝えながらも、できるだけ実家から離れた店舗を希望した。