「自立に必要な金額」を逆算する
目標金額は200万円。
身分証明書にもなる運転免許証を取るのにかかる費用27万円、敷金礼金を含めた賃貸住宅の初期費用を30万円と考え、さらに150万円くらいある状態ならば、生活はスタートできるはずだ。卒業前に絶対お金を貯めると心に誓った。就活で一番早く内定を取りたい。そして思う存分アルバイトをしたい。どんな仕事でもいいからとにかく家を出たい。母から離れたい。その思いで必死だった。
兄は高校2年からアルバイトも自由にしていたが、私は家の事もしないといけないし、門限は18時だった。当然学校がある日にアルバイトできる時間はない。早くお金を貯めたいけれど、ファストフード店やカフェ、スーパーでの時給数百円で、週末しか働けてないと、なかなか目標には届かない。時給が安くて長時間拘束されるようなアルバイトだけだと、目標金額に間に合わないと思った。
そんなときに夏休みを迎えた。普段学校に通っている時間帯にアルバイトをし、家事をすれば母も文句は言わない。それまで週末と祝日しかできなかったバイトを増やした。幸い高校3年生の夏休み前に18歳になった私は、18歳から可能な高時給のアルバイトを探した、当時は週末のコンパニオン、イベントスタッフ、イベントモデル、パチンコ屋さんくらいだった。求人情報からあらゆる高日当アルバイトに応募した。自分で決めたルールは、自分がお酒を飲んだり、身体をさらすことは絶対にしないということだった。年をごまかさなければできないアルバイトは絶対にしないということだ。
当時のコンパニオンは、用意された制服、季節やイベントによっては浴衣やみんなお揃いのワンピースを着て、パーティーやお座敷のお酒の席で配膳する。配膳は家で散々していたので一切苦になる作業ではなかった。軽く話したりお酌をすると、気前がいいお客様からはおひねりも頂けて、日当手渡しで、数時間で2万円以上になることもあった。18歳をアルバイトに公式で使っているということもあり、酔っぱらっている客などからは守られるシステムもあった。ただ、長いパーティーやイベントだと一日中立ちっぱなしだ。クタクタの体でも、極力お金を使いたくないので、1日パン1個かおにぎり1個で過ごすことがほとんどだった。長い時間だと食事や飲み物も配られたので、それが私の貴重な栄養源となった。家に帰ると、手渡しでもらった現金そのまま箱に入れて貯めた。