「詮索するなと言われた」新証言 江差高等看護学院めぐる裁判
6年前に道立江差高等看護学院の男子学生が自殺したのは学校側が教員のパワハラを放置した結果だとして母親が道に賠償を求めた裁判で、真実を知りたいとした元同級生が、学校の幹部から「これ以上、詮索はするなと言われた」などと証言していることが裁判所に提出された文書から分かりました。
この裁判は、道立江差高等看護学院の男子学生が自殺したのは、教員のパワハラを学校側が放置した結果だとして母親が道におよそ9500万円の損害賠償を求めているものです。
道は去年12月、ハラスメントについて調査した第三者委員会による複数の関係者への聞き取りを記した文書を裁判所に提出していて、NHKがその文書を確認したところ、元同級生が学校幹部から「これ以上、詮索はするなと言われた」などと証言していることが新たに分かりました。
元同級生は、「警察の聴き取りの直後に学校幹部に呼び出され、『学校のことを何か言ったのか?』などと確認された。また後日、なぜ亡くなったかを調べていたら『学校や教員についてこれ以上、詮索するのはやめなさい』と言われ、言い返したい気持ちもあったが“ターゲット”にされるおそれがあり従わざるを得なかった」と証言しています。
こうした証言について、道は、NHKの取材に対し、「係争中のためコメントは控えます」としています。
道は今回の裁判で、「第三者委員会の調査は必ずしも客観的なものではない」などと主張し訴えを退けるよう求めていて、裁判所がこうした証言をどう判断するか注目されます。
【道が提出した文書には教員らの証言も】
去年12月、道が裁判所に証拠として提出した文書には、道立江差高等看護学院の当時の副学院長をはじめ、複数の学校側関係者に第三者委員会が聞き取りを行った内容が記されていました。
このうち、3年前に退職した当時の副学院長は、別の第三者委員会の調査で、複数の教員によるハラスメントが認定されたことについて、「こちらとしては言った記憶がないことも、パワハラとして認定されている人もいる。学生に対して奮起させようとして言ったことが全部ハラスメントと認定されて、奮起させるわけにはいけないんだなと感じました」と証言し、必ずしも相当な判断だったとは言えないという認識を示していました。
また、ある教員は学校側の雰囲気について、「うちの学校はおかしい。入学した学生に対して、せっかく入ったので『育てて卒業させる』ということではなく、『レベルに達しない学生は落とす、辞めさせる』みたいな感じだった。『切ってしまう』という感じだった」と証言し、学生の指導にあたって学校側の雰囲気が異様なものだったという見解を示していました。