ジュニアバレーの先輩が同じ高校に…

当時の兄の担任が体育の先生だったので、挨拶のため体育館の方へ向かう。すると、「おばちゃーん」と声が掛かった。振り返ると、少し疎遠になっていた近所の幼馴染と、私が小学生のときジュニアバレーにいた先輩だった。この高校に進学し、バレーボール部で活躍していると言う。と、そのとき先輩は絶対に聞きたくなかった言葉を投げかけた。

「なおちゃん受かったん、おめでとう! バレー部来る? 他にもメンバーがいるから、ジュニアチームに戻ったみたいやね」

 

先輩は私が殴られていたことを見たことはなかったのだろうか。信じられない思いで固まっていた。私を無視して母は弾けるような笑顔で答えた。

「そうさせるわ! わあ嬉しいなあ、この学校選んでよかったわ! よろしくね。受験勉強は終わったから、すぐにでも、冬休みの練習も参加させられるわ。おばちゃん差し入れ沢山持ってくるわね! じゃあね」

まさか合格したばかりの高校にあの当時の先輩が会うとは… Photo by iStock

受験に合格し、喜ぶはずの日に、これから始まる高校生活はもはや終わったと思った。タイミングを見てバレー部には入らないと母に言わなきゃいけない。その時、私はどれだけ殴られるのか。罵られるのか。またタバコの火を当てられるのか。想像するだけで吐きそうだった。殴られた姿で高校には行きたくない、学校が始まるまでに終えておきたいと思った。

【次回は5月10日公開予定です】