病院の夜勤をめぐる看護師の訴え退ける 名古屋地裁

子どもの面倒を見るために夜勤ができず退職を強要されたとして、名古屋市立大学病院の看護師が大学に賠償を求めた裁判で、名古屋地方裁判所は「病院は労働契約上求められる義務を尽くしたというべきだ」などとして訴えを退けました。

17年前から名古屋市立大学病院で正職員の看護師として勤務している47歳の女性は、配偶者の転勤をきっかけに夜に小学生の子どもの面倒を見なければならなくなり、夜勤ができなくなりました。
それを上司に伝えたところ、パート職員になることを前提に退職を強要されたとして、大学におよそ220万円の損害賠償を求めていました。
22日の判決で名古屋地方裁判所の五十嵐章裕裁判長は「病院は女性に夜勤ができない期間や最低限の回数の夜勤が可能かどうかを確認していて、女性は病院側が夜勤の軽減などを検討する余地があることを認識できた」などと指摘しました。
その上で「女性は提案された回数の夜勤も無理だと回答しており、病院がさらなる調整の余地を見いだすことは難しく、労働契約上求められる義務を尽くしたというべきだ」などとして訴えを退けました。
原告の看護師は判決のあと会見を開き「家庭と仕事とのバランスがとれずに退職を求められ、やめざるを得なかった看護師がたくさんいます。ライフステージに応じて望むように働くことができなくなるのは誰にでも起こりうることで、職場にはどのように配慮すれば仕事を継続することができるか考えてもらいたいです。今回の判決は不服です」と述べました。
名古屋市立大学病院は「退職強要などがなかったという本学の主張が認められた。引き続き職員の職場環境の向上に努めてまいりたい」などとコメントしています。

東海のニュース