心臓カテーテル治療でまれな重症合併症 治療後、意識障害の男性死亡

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嶋田圭一郎
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 JA愛知厚生連・豊田厚生病院(愛知県豊田市)で不整脈の心臓カテーテル治療を受けた40代男性が2021年1月、心臓と食道に穴があく極めてまれな重症の合併症に陥り、23年10月に死亡していたことがわかった。遺族側は、病院が速やかに合併症と診断できず対応が遅れたとし、訴訟の準備を進めている。発生原因と再発防止策についてJA愛知厚生連は、朝日新聞の取材に「応じられない」とした。

 合併症は、発生率が0.02%程度とされる「左房食道瘻(ろう)」。不整脈治療の際、高周波で心臓内を焼く熱の影響で、心臓に接する食道に穴があき、逆流した胃酸の影響で心臓にも穴があく合併症とされ、致死率は極めて高い。

 遺族や病院の診療記録によると、男性は20年11月、クリニックで不整脈の一種である発作性心房細動と診断され、その後、豊田厚生病院で高周波を用いた「カテーテルアブレーション」と呼ばれる治療を受けた。治療後、背中に痛みがあると伝えたが、消炎鎮痛テープを処方され、退院した。

 左房食道瘻について、治療時の同意書には「きわめてきわめてまれ」と書かれていたが、遺族側によると、事前に口頭での説明はなく、退院時にも注意はなかったという。

 このため、男性は退院から1…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2025年1月24日11時14分 投稿
    【視点】

    記事を読んで「医師ガチャ」の言葉が真っ先に浮かびました。 私も2021年に心房細動との診断を受け、カテーテルアブレーションの手術を受けました。呼吸が苦しくなることが何度かあった末に救急搬送。不整脈が認められたあと、救急病院の医師に紹介された

    …続きを読む