1日たりとも忘れないフレーズ
曲で言えば、一般的にはアルバム#8の『BE MY BABY』や#3『恋をとめないで』で語られる彼らですが、個人的なベストテイクは#10『RAMBLING MAN』。作詞はもちろん吉川晃司自身。
――♪走り出さなきゃ始まらない そんなペースじゃ意味がない YOU'RE JUST A RAMBLING MAN やりたいようにやれよ
まるでその後の吉川晃司の「型破り」生き方を宣言しているような歌い出しです。そして、
――♪たかがおまえの事なんて 世の中誰も知りやしない YOU'RE JUST A RAMBLING MAN 思い知らせてやれよ
当時のクヨクヨしていた私を焚き付けたこのフレーズは、恥ずかしながら白状すれば、あれから35年、1日たりとも忘れたことのないものです。
また、布袋寅泰のラウドなギターと張り合うことも奏功したのでしょう。もう佐野元春の「型」を飛び越え、声がグッと前に出てきて、かつ、吉川晃司ならではの、粘着的なのに湿度が低くカラッとしている(妙な表現ですが、まさにそんな感じ)、独自のボーカルスタイルを確立したのでした。
そしてたった2枚のシングル、2枚のアルバムを残して、翌1990年にさっさと解散。そのスピード感もまた「型破り」。
1990年11月8日に東京ドームで行われた解散コンサートには、私も駆け付けました。デカイデカイ東京ドームにそびえ立つデカイデカイ182cm+187cm=369cm。
アンコールの『RAMBLING MAN』には、全身が震えたものでした。このときの様子を今映像で見ても、冒頭でクネクネと動く吉川晃司を見るだけで、クヨクヨしていた23歳の頃に気持ちが戻ってしまいます。