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未解決の真相 インターネット最大の謎闇のウェブサイト「Mortis.com」の20年来の謎に迫る

あなたは、インターネットの深層に潜む説明のつかない謎の存在を知っているでしょうか。1997年に登録された一つのウェブサイトは、20年以上の時を経た今でも、多くのネットユーザーを魅了し続けています。

当時としては異常な程の巨大なデータ量、謎の管理者、そして突然の消失―。

このサイトを巡る様々な謎は、現代のテクノロジーを持ってしても、いまだ解き明かされていません

本記事では、インターネット史上最も謎めいたウェブサイトの一つ、「mortis.com」の真相に迫ります。

インターネットに潜む説明のつかない謎


Cicada 3301ロゴ
出典@Wkipedia

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、インターネットには数々の謎めいたウェブサイトが存在していました。2012年に世界的な注目を集めた暗号解読プロジェクト「Cicada 3301」は、その代表的な例として広く知られています。しかし、Cicada 3301が意図的に仕掛けられた謎解きゲームだったのに対し、今回深く掘り下げる「mortis.com」の謎は、その存在自体が深い闇に包まれたまま、現在も解明されていないのです。

1997年に始まった物語

1997年11月14日、一つのドメインが静かに登録されました。「mortis」―それはラテン語で「」を意味する言葉です。このドメインが一般のネットユーザーの目に留まることになったのは、それから約15年後のことでした。2010年代初頭、あるユーザーが4chanの技術系掲示板に投稿した一つのスレッドが、この深淵なる謎の扉を開くことになります。

漆黒の入り口

mortis.comにアクセスした人々を待ち受けていたのは、漆黒の背景に浮かぶミニマルなログイン画面でした。画面中央には白いフォームが二つ。ユーザー名とパスワードを入力する欄だけが、不気味なまでにシンプルなデザインで存在していました。多くのユーザーはここで興味を失い、他のサイトへと移動していったことでしょう。

巨大データの謎

あるユーザーの好奇心が、mortis.comの異常性を世に知らしめることになります。サイトのソースコードを詳細に調査したことで、驚くべき事実が明らかになったのです。サイト内には、当時としては想像を絶する量のデータが保存されていました。

1990年代のインターネット環境

この時代、一般的なインターネット接続は「ダイヤルアップ接続」が主流でした。最大速度はわずか56kbps。1ギガバイトのデータをアップロードするだけでも数日を要し、通信料金は従量制で高額でした。当時の一般家庭では、電話回線を使ってインターネットに接続していたため、ネット接続中は電話が使えないという制限もありました。

異常なデータ量

そんな時代に、mortis.comには個々のファイルサイズが39ギガバイトにも及ぶデータが存在していたのです。総データ量はテラバイト単位に達していました。これがいかに異常な規模であったかを理解するため、当時の状況と比較してみましょう。1998年、小売業界の巨人ウォルマートですら、そのサーバー容量は24テラバイトでした。一般企業のウェブサーバーは数ギガバイト程度が普通だった時代に、なぜこれほどの大容量のデータが個人サイトに存在していたのか。これが最初の大きな謎でした。

謎の所有者「Thomas Ling」の存在

mortis.comの調査は、さらに深い謎へと調査者たちを導きました。ドメインの所有者として登録されていた「Thomas Ling」という人物の存在です。彼の名前で登録された25のドメインが発見され、それぞれが不可解な特徴を持っていました。

Cthulhu.netの不気味な世界

これらのドメインの中で、特に注目を集めたのが「Cthulhu.net」です。このサイトもまた、mortis.comと同様に不気味な雰囲気を漂わせていました。真っ黒な背景に、白いチェスの駒が一つ。そして"Dead but dreaming"(死して夢見る)という不気味なメッセージだけが表示されていました。

これは、H.P.ラヴクラフトの小説『クトゥルフの呼び声』を連想させるメッセージでした。作中では「In his house at R'lyeh, dead Cthulhu waits dreaming」(リーリエの館にて、死せるクトゥルフは夢見つつ待ちいる)という一節があり、明らかにその影響を受けていたのです。

実在しない会社の痕跡

さらに興味深いのが「DentalFillins.com」の存在です。一見、普通の歯科スタッフ派遣会社のウェブサイトに見えました。しかし、詳しい調査によって様々な矛盾が浮かび上がります。サイト上では1976年設立と記載されていましたが、実際の会社登録は1998年。さらに重要なことに、記載された事務所の住所を訪れた調査者たちは、そこにそのような会社が存在した形跡すら見つけることができませんでした。

家族の存在を示唆するドメイン

調査の過程で、より個人的な性質を持つドメインも発見されました。「Jeffrey Lin」「Joshua Lin」という名前を冠したドメインです。そしてさらに「Karen Lin」のドメインには、手作りのキルトの写真が掲載されていました。これらは一見、普通の家族のウェブサイトのように見えました。

消えゆく痕跡

2011年、突如としてmortis.comへのアクセスが不可能となります。同時に、Thomas Lingに関連する多くのサイトも姿を消しました。しかし、これは単なるサイトの閉鎖ではありませんでした。

デジタルフットプリントの抹消

最も注目すべきは、誰かの要請によって、Internet Archiveからもサイトの記録が完全に削除されたことです。Internet Archiveは通常、ウェブサイトの過去の姿を保存する「タイムカプセル」のような役割を果たしています。記録の削除には、ドメイン所有者からの明確な要請が必要でした。つまり、誰かが意図的にmortis.comの痕跡を消そうとしたのです。

新たな謎の出現

物語はここで終わりませんでした。2020年、mortis.comのドメインは期限切れ間際に再び「Thomas Ling」の名で2025年まで更新されたのです。そして2021年、新たな謎が追加されます。「mortis.cc」という、オリジナルに酷似したサイトが突如として出現したのです。

真相への仮説

これほどの謎に、当然ながら様々な仮説が提唱されています。

違法コンテンツ配信サイト説

最も支持を集めているのが、この説です。巨大なファイルサイズ、高度なセキュリティ、FBIの介入可能性と突然の閉鎖、痕跡の徹底的な消去。これらの特徴は、違法なコンテンツ配信サイトの特徴と一致します。

政府プロジェクト説

一方で、これが政府や軍事関連のプロジェクトではないかとする見方もあります。当時としては異常な規模のデータストレージ、高度なセキュリティ対策、所有者の身元の徹底的な隠蔽。これらは政府プロジェクトの特徴とも言えます。

アートプロジェクト説

第三の説として、これが大規模なアートプロジェクトだったとする見方があります。H.P.ラヴクラフトへの明確な参照、チェスの駒という象徴的な視覚要素、複数のドメインを使用した重層的な構造。これらは現代アートのインスタレーション作品としても解釈できるのです。

現代に残る影響

mortis.comの謎は、現代のインターネット文化にも大きな影響を与えています。

コミュニティによる調査

この事件は、インターネットユーザーが協力して謎を解明しようとする「集合知」の早期の例として注目されています。4chan、Reddit、その他の掲示板で、世界中のユーザーが情報を持ち寄り、調査を進めました。

デジタルアーカイブの重要性

mortis.comの記録が Internet Archive から削除された事実は、デジタルアーカイブの脆弱性について私たちに警鐘を鳴らしています。いかに重要な記録であっても、デジタルの世界では簡単に消し去ることができるのです。

現代のARGへの影響

mortis.comの謎は、後のARG(Alternate Reality Game)にも大きな影響を与えました。意図的であるかどうかに関わらず、この事件は「現実と虚構の境界を曖昧にする」というARGの重要な要素を先取りしていたのです。

終わりなき謎

mortis.comの真相は、20年以上の時を経た今も明らかになっていません。むしろ、時の経過とともに新たな謎が追加され続けているとも言えます。なぜ所有者は現在もドメインを保持し続けているのか。実際のデータ内容は何だったのか。新たに出現したmortis.ccとの関連性は何なのか。

これらの疑問は、インターネットの持つ無限の可能性と、同時に説明のつかない不可解さを私たちに示唆しています。テクノロジーが進歩し、かつては驚異的だったデータ量も今では日常的なものとなった現代。しかし、このサイトの真の目的、所有者の正体、そして突然の消失の理由は、今なお多くのネットユーザーの好奇心をかき立て続けているのです。

mortis.comの謎は、デジタル時代における人間の探究心と、解き明かされることのない謎の魅力を象徴する存在として、これからも語り継がれていくことでしょう。そして、インターネットの片隅で、mortis.comは今も静かに、新たな訪問者の登場を待ち続けているのかもしれません。

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