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【翻訳】ドイツ語版『日常』単行本発売記念、あらゐけいいち先生インタビュー記事(2023/05/08)

元記事:Interview mit Keiichi Arawi – Mangaka von „Nichijou – Das ganz normale Leben“

・翻訳にはDeepLのドイツ語→英語、およびドイツ語→日本語の翻訳文を使用。
・その上で、固有名詞の誤りを訂正し、意味の通らない表現について意訳を行いました。
・翻訳のミスにお気づきの場合は、コメントにてお知らせください。



ドイツ語版『日常』(“Das ganz normale Leben”)の発売にあたって、作者のあらゐけいいち先生に、作品の制作秘話や、七年間の中断を経て連載を再開した経緯、そして漫画家としての仕事について、インタビューさせていただきました。

このような機会を与えてくださったEgmont Manga(訳注・ドイツの漫画出版社)、インタビューを許可してくださったKADOKAWAグループの両社に、感謝いたします。また、お忙しいなか質問に答えてくださったあらゐけいいち先生にも感謝したいと思います。

以下、あらゐ先生はarawi-sensei、取材記者はMPと略記しています。

MP: こんにちは、あらゐ先生。この度はお時間を割いていただき、ありがとうございます。

まずは、先生が漫画家としてスタートを切り、『日常』を出版するに至った経緯について教えてください。

Arawi-sensei: 趣味で描いていた漫画を、コミティアという同人誌即売会に出品したのがきっかけです。このことが、プロの漫画家になるための橋渡しになりました。

元々、高校を卒業した後は放送作家になりたかったんです。それで、お笑い芸人の道を志したこともありました。ところが、せっかくギャグを思いついても、上手く演じられなかった。己の演技力のなさに、悔しい思いをしていました。そこで、「演技ができないなら、絵を描くのはどうだろう」と考えたことがありました。『日常』を描き始めたのは、そういった理由もあるかもしれません。

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元のインタビュー記事掲載、ドイツ語版『日常』単行本表紙装丁。
NICHIJO ©あらゐけいいち 2022 / KADOKAWA CORPORATION

MP: 当初、『日常』は2015年12月発売の単行本10巻が最終巻でした。最近になって連載を再開されたのは、どのような経緯からでしょうか?

Arawi-sensei: 当時は、漫画家としての生活に疲弊していました。だから『日常』も終わらせましたし、イラストレーターや小説家に転身するかどうか、思い悩んでいました。でも、自分の中には、漫画に対する熱い思いがまだ残っていて。「どうせなら燃え尽きさせてしまえ」と、次回作『CITY』の週刊連載を始めました。ところが『CITY』は、漫画を描く楽しさを再び教えてくれたんです。『CITY』の連載を終えた後、 『日常』に立ち戻るのはどんな気分だろう、と想像したことが、『日常』の連載を再開した理由の一つです。

また、ファンの方々からの手紙を通して、『日常』が世界中の読者に何年経っても愛されていると実感できたのも、大きかったですね。『日常』を再び始めたときには、自分でも驚くほど、この漫画のことが好きになっていました。

MP: 『日常』はユーモアにあふれた作品です。各話のアイデアや、インスピレーションは、どのように得ているのでしょうか。

Arawi-sensei: あぐらをかいて、目をつぶって、ああでもない、こうでもない、と思い悩みます。頭の中で想像して、体や手でジェスチャーすることもあれば、編集者と雑談しながら、思いついたアイデアを書き留めることもあります。シャープペン(KAWEKOの2mm)を走らせるときもあれば、Apple PencilでiPad Pro 2018に書くときも。 それらをざっくりとまとめながら、おおよその輪郭を作り、サンドペーパーで磨くような感覚で洗練させていく。大雑把に言うと、そんな感じですかね。

MP: 『日常』は単行本1巻の発売から、15年以上にわたって刊行され続けています。この間、作品への向き合い方に、何か変化はありましたか?

Arawi-sensei: 『日常』は最初から、各巻ごとに少しずつ作風が異なっています。そのためか時間が空いてしまっていても、「これも『日常』なんだな」と受け止められるんです。素晴らしいことですね。

MP: 『日常』の作中では、かなり風変りな出来事が起こりますよね。こうした漫画のタイトルに、「日常」と名付けた理由は何ですか?

Arawi-sensei: 「日常」という言葉には、すべてが詰まっています。非常にありふれたタイトルですが、誰も自分の作品をそう呼びたがらない。「こんなにも面白いタイトルを、どうして誰も使いたがらないんだろう」と思いました。また、「自分の漫画を『日常』と呼べるのは、なんという幸運だろう!」とも。その夜、まだ独身だった私は、想像上の妻とワイングラスで乾杯しました。

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元のインタビュー記事掲載、ドイツ語版『日常』単行本発売宣伝ポップ。
NICHIJO ©あらゐけいいち 2022 / KADOKAWA CORPORATION

MP: 多くのファンに、強い衝撃を与えている『日常』。この漫画が支持を得ている理由の一つに、個性豊かな登場人物の存在があると思います。あらゐ先生にとって、一番共感できる登場人物は誰ですか。また、一番好きな登場人物を挙げるとすれば?

Arawi-sensei: 自分に似ている登場人物は、「全員」ですね。たぶん私は、個性が強い人間なんだと思います。現実だと他人に合わせたり、メディアに応じて一人称を変えることに気を配っているのですが、この辺りが関係しているかもしれません。

10年ほど前、「『日常』のキャラクターのなかで誰が一番好きか」と尋ねられ、「桜井先生」と答えたことがありました。相手からは、「想像できます」という返事をもらいました。それ以来、「自分が作ったキャラクターはみんな好きです!」と答えることにしています。

MP: 今後の展望があれば教えてください。

Arawi-sensei: 世界中を旅して、『日常』を好きな人たちと触れ合いたいですね。各地の珍味や日本酒を楽しみ、人に心を砕き、人を慰め、慰めてもらい、酔っ払って、翌日二日酔いで手を挙げながら地元のサッカーチームの試合を観戦する。それから、その土地の馴染みの人たちに別れを告げるんです。で、別の場所でまた人と出会い、そこで風景画を描き、絵を売って新しい生活を始め、素敵な人に出会い、恋をして、喧嘩と仲直りを繰り返す中で、やがて子供を授かり、子育てマンガを無理やり描く傍らで、『日常』の執筆にも没頭する。それくらいのつもりでいます。

MP: 最後に、ドイツのファンに向けて、何か一言お願いします。

Arawi-sensei: 東京の八畳間で描いていた漫画が、ドイツで読まれるとは夢にも思っていませんでした。今でも、『日常』がさまざまな国の人に楽しんでいただけていることが信じられません。一方で、ブンデスリーガの大ファンとしては、とても光栄です。このインタビューを読んで、『日常』を気に入ってくれた人たちに、ささやかな幸せが訪れますように。

MP: インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。


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