ロシア、領土割譲行為に最大禁錮10年 改正法成立
【モスクワ=小川知世】ロシアの改正憲法で定めた領土の割譲を禁止する条項を巡り、違反行為に最大で禁錮10年を科す刑法改正案などの関連法案が8日、プーチン大統領の署名を経て成立した。ロシアが実効支配する北方領土などが念頭にあるとみられ、日ロの領土交渉に影響する可能性がある。
法案は領土割譲を目的とした行為に6~10年の禁錮刑を科すと定めた。領土割譲を呼びかける行為に対しては行政罰として最大50万ルーブル(約70万円)の罰金を科す。1年以内に呼びかけを繰り返した場合は最大で禁錮4年などの刑事罰の対象となる。
改正憲法は7月に発効し、国境画定を除き「領土割譲に向けた行為や呼びかけを許さない」と明記した。ロシアが実効支配する北方領土やウクライナ南部クリミア半島について、返還を訴える言論などへの圧力が強まることが考えられる。
7月末には領土割譲を含む領土の一体性を損なう行為を「過激主義」と見なし、処罰対象にする改正法も成立した。