旧優生保護法の被害者補償 兵庫県内では初めて80代女性が申請
旧優生保護法下で不妊手術などを強制された人たちへの補償金支給法が17日に施行されたことを受け、兵庫県内在住の80代女性が22日、同法に基づく人工妊娠中絶一時金の申請書を県に提出した。県によると、同法に基づく申請は県内で初めて。
この日、県庁で記者会見した女性は、手話通訳を通じて思いを語った。
女性は生まれつき耳が聞こえない。昭和40年代前半に周囲からの働きかけで人工妊娠中絶手術をせざるを得ない状況に追い込まれたという。
結婚してすぐに妊娠した。その後、「病院に連れていかれた。一般診療科だと思ったが、婦人科に案内されたのですごく驚いた」「その時のことは忘れられません」と話した。
中絶手術を受けたことについて、世間に広く「知られたくないと思っていた」と振り返る。だが、今回は地域の聴覚障害者らから申請を勧められた。「申請できてうれしい。(制度を)知らない人にもぜひ申請してほしい」とした。
会見に同席した県聴覚障害者協会の本郷善通理事長は「(協会による聴覚障害者への実態調査で)今回の申請者以外にも14、15人の方々が被害を受けたとわかっている。けど、もっとたくさんの人がきっといる。支援の手をさしのべていきたい」と手話で話した。