ついに芸能界引退にまで発展した中居正広(52)の女性トラブル問題。だが同時に、社員がトラブルに関連していた疑惑が報じられているフジテレビも“過去最大級”の窮地に追い込まれている。
1月17日には港浩一社長が緊急会見を行ったが、中居のトラブルについて「発生直後の2023年6月に把握した」という発言や、ほぼ全ての質問に「答えられない」とした説明不足が批判を浴び、その後、スポンサーのCM差し止めが相次ぐ事態に発展。21日にフジテレビが発表したところによれば、同局のCM差し止めを決めた企業は75社に上り、公益社団法人「ACジャパン」の公共広告への差し替えは350本以上だという。
こうした事態を受けて、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスが23日、臨時取締役会も開催するなど、これまで類を見ないほどの苦境に陥っている。
1989年の平成元年から90年代初頭にかけて「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」などのトレンディードラマで黄金時代を築いたフジテレビだが、2010年に視聴率三冠王となって以降は低迷の一途をたどっている。そんな栄枯盛衰の裏では、実はさまざまな不祥事も報じられてきた。
たとえば、高視聴率を支えてきた人気番組の中には、「ヤラセ」が大問題となったケースがあった。ベテランの芸能記者が振り返る。
「2000年代に放送されていた『愛する二人別れる二人』は、みのもんたと美川憲一が司会を務め、カップルの葛藤や別れをリアルに描くコンセプトで最終回は最高視聴率27.4%を記録しました。しかし、偽夫婦の“仕込み”や妊婦という設定の女性が実は妊娠していなかったりなどの疑惑が噴出。ついには番組にヤラセ出演していた女性が自死し、警察の捜査の過程で番組制作の問題点が明らかとなりました」
また、2011年に日曜ゴールデン帯で放送されていた「ほこ×たて」でもヤラセが発覚。「最強の矛」と「最強の盾」を対決させるという斬新な企画が視聴者から支持されていたが、実際には編集によって捏造されていたことが出演者によって暴露され、2013年に終了に追い込まれている。
■編集で誇張&対立をあおる演出
「番組から死者を出した事例といえば、リアリティー番組『テラスハウス』(2020年)の出演者だった木村花さんの自死はフジテレビの社会的責任を問う大問題となりました。番組内での編集による誇張や、出演者同士の対立をあおる演出によってSNSで誹謗(ひぼう)中傷を招いたのが原因と見られ、木村さんの母親がフジテレビに証拠の提示を求めるも同局はこれを拒否。その対応に世間からの批判が集中しました」(同)
ありえない演出や行きすぎた報道によって野球界のレジェンドとトラブルになったケースも。
バラエティー界で“黒歴史”として語り継がれているのが、世界の本塁打王・王貞治氏を侮辱した2003年の「王シュレット事件」だ。
「問題となったのは、『ワンナイR&R』で放送された通販番組を模倣したコント『ジャパネットはかた』です。王氏の顔を模した模型を便器に仕込み、『王シュレット』と称して温水洗浄便座を売り込むという内容でした。これに激怒した福岡ダイエーホークス(当時)は、『フジテレビ系列局を2003年の日本シリーズ中継に推薦しない』と発表。これにより日本シリーズの中継権をテレビ東京が獲得するという異例の事態が発生しました」(スポーツライター)
また、昨年には大谷翔平がロスに12億円の豪邸を購入したことを情報番組で詳報。空撮映像や自宅前からのリポート、近所へのインタビューなどワイドショー取材のような映像を流したが、自宅住所を特定できてしまうような映像だったことに大谷が激怒。フジテレビは大谷が所属していたドジャースから“出禁”を食らったと報じられた。
こうした不祥事やトラブルは数多くあるが、フジテレビが低迷するきっかけとされているのが「韓国ゴリ押し問題」だ。
スポーツ大会での韓国戦を「韓日戦」と呼称し、フィギュアスケート中継ではキム・ヨナの表彰式はノーカットなのに、浅田真央など日本人選手の優勝時はカット。韓国ドラマを大ボリュームで放送し、「笑っていいとも!」での「全世代で最も好かれている鍋」アンケートで1位が「キムチ鍋」と紹介された際には、視聴者から疑問の声が上がった。
■2000人以上が集まった「抗議デモ」
他にも、アニメ「サザエさん」内にK-POPのポスターをしのばせたり、七夕に放送された「めざましテレビ」では「少女時代のようにきれいな脚になりたい」と書かれた短冊が映り込むといった「韓流サブリミナル」にも視聴者の不信感が高まった。
バラエティー番組であれば、当時の韓流ブームを多く取り上げることも不自然ではないが、スポーツ報道など公平性が求められる分野で同じような現象が起こると、やはり視聴者には強い違和感が残ったようだ。
「日韓交流を盛り上げる文脈ではなく、“韓国びいき”と捉えられる一連の出来事が背景となり、2011年には俳優の高岡蒼甫がTwitter(現X)に『8(フジテレビ)は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば』と投稿。この書き込みが発端となり、フジテレビへの抗議デモが勃発しました。2000人以上がフジテレビ前に集結し、『ノーモア韓流』との声を上げて行進し、社会問題になるほどの大騒動に発展しました」(前出の芸能記者)
今回、中居のトラブルの根幹には「局ぐるみの上納システム」があったとの疑惑が報じられているが、第三者による調査で事実だと判明すれば、これまで以上の逆風にさらされるのは必至。フジテレビが過去の過ちから“学び”を得ていないのであれば、再び視聴者の信頼を取り戻すのは難しいかもしれない。
(泉康一)