熱々の湯豆腐が恋しい季節。夏の冷奴に対して冬の湯豆腐、同じ豆腐でもまさに対極の味わいです。やけどしそうな熱々の豆腐を含んでハフハフするのは、ややサディスティックではありますが、湯豆腐の醍醐味と申せましょう。
ところで私は、湯豆腐はストイックであるべきだと考えます。ダシを取る昆布以外、豆腐以外の余計なものは入れず、ひたすら豆腐を味わう。ともすると、魚や肉も入れたくなってしまいますが、豆腐は淡泊なものですから、そうしたものを入れると、主役の座を奪われてしまいます。
でも、正直言うと、やはり豆腐だけでは寂しい。ちょっとなんか入れたい。そんなときは、豆腐を圧倒しない淡泊なものを入れましょう。色も白いものにすれば、見た目でも湯豆腐の範囲を超えません。今回は、カリフラワーと春雨を入れてみました。ともに淡泊で豆腐の邪魔をいたしません。