「≒2029.3年」と予測 南海トラフ巨大地震 予見が早まる研究結果も…「今年起きてもおかしくない」という危機感を
具体的には、高知県の室津港の地震前後の地盤の上下変位量で見ています。1707年の宝永地震では地盤が1.97メートル隆起。その時は次の安政地震まで147.16年かかりました。そして、安政地震の時は1.21メートル隆起し、次の昭和南海地震までの歳月は91.99年でした。1946年の昭和南海地震の時はというと、隆起量が1.1メートルでした。今後も等速度で地盤が沈降すると仮定した場合、この時間予測モデルで計算すると『2029.3年』という数字が出てくるというわけです。 富山大学 竹内章 名誉教授 「昭和南海地震は比較的小さな規模の南海地震だったので、次の地震までの間隔は短くなると考えられ、次の南海地震は2030年前後あたりに発生することが予想されます。およそですからプラス、マイナス数年あるということで、早いとマイナス5年であれば2025年となります」 「そういう切羽詰まった状態だということです。地震本部の委員長が『決して気を緩めてはいけない』というのはそういうことを考えて言っているのです。“今年起きてもおかしくない”という危機感をもってないといけません」 竹内名誉教授は、そうなれば能登半島地震で復旧復興がなかなか進んでいいない状態のところにもっと大きい “揺れ” がきてしまうので、能登半島地震で被害を受けた地域はかなり深刻な状況になるといいます。 ■“今年起きてもおかしくない” その時 富山県は… 南海トラフ地震がおきると南海トラフに面した地域は最大震度は7で、相当大きい津波も予想されます。富山は、地震による津波が直接来ることはありませんが「揺れ」については、それなりの「揺れ」があることが想定されています。 国の地震本部による「地震ハザードステーション」によると、富山はほとんどが黄色の震度5弱程度ですが、オレンジ色の「5強」「6弱」という濃い赤色の部分もあります。呉羽山断層沿い、富山市の海岸、水橋地域、滑川市の海岸部分は「震度6弱」になっているのです。