長い式は、それだけ計算にも時間がかかると思っていませんか? 実は、長い式でも計算の工夫がしやすく、すぐに答えが出せるケースもあります。
それでは今回の問題、10秒以内に計算するにはどうしたらよいか考えてみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
55+5−55×5÷55
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「55」です。
どうやって計算すれば、制限時間内に答えを出すことができるのでしょうか?
次の「ポイント」で、スピーディーに計算する方法を確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「同じ数(55と5)に注目して計算の工夫をすること」です。
この式には55と5という同じ数字が繰り返し登場するので、次のように計算を簡略化できます。
55+5−55×5÷55 ←55×5÷55の答えは5
=55+5−5 ←計算順を変えて5−5を先に計算する
=55+0
=55
こうすれば、簡単に計算ができそうですね。では、各ステップごとに、どうしてこのような計算ができるのかを確認していきましょう。
55×5÷55の答えが5になる理由
この問題は足し算から始まっていますが、最初に計算すべきは掛け算の部分になります。これは計算のルール上、掛け算や割り算は足し算や引き算よりも先に計算すると決まっているからです。
また、この式には掛け算と割り算が含まれていますが、この二つに優先度の違いはないため、より左にある「55×5」の掛け算の部分から計算を始めます。
ただし、今回のように掛け算の直後に掛けられる数で割っている場合は、掛け算と割り算を一気に処理した方がすぐに答えが出せます。なぜなら、掛け算の直後に「掛けられる数」で割ると、その答えは「掛ける数」になるからです。
<掛け算の直後に「掛けられる数」で割ると、その答えは「掛ける数」になる>
■×▲÷■=▲
では、なぜ上の式が成り立つのか証明してみましょう。
<成り立つ理由>
■×▲÷■
=(■×▲)/■ ←割り算を分数で表し、■で分子分母を約分する
=▲/1
=▲
よって、「55×5÷55」の答えは5だと簡単に分かります。
55+5−5=55+0とできる理由
ここまでの流れで、式は以下の形になっています。
55+5−5
足し算→引き算と計算しても間違いではありませんが、「5−5」に注目して次のように計算すると効率的です。
55+5−5 ←計算順を変えて「5−5」を先に計算する
=55+0
=55
このように計算の順番が変えられるのは、結合法則という法則があるからです。
<結合法則>
足し算と掛け算では、計算の順番を変えても答えが同じになるという法則
(◎+▲)+■=◎+(▲+■)
(◎×▲)×■=◎×(▲×■)
とはいえ、結合法則は足し算には使えますが、引き算には使えません。
そこで、次のように引き算の部分を足し算に変換します。
55+5−5
=55+5+(−5)
式が足し算だけになったので、結合法則により5+(−5)の部分から計算することが可能になります。
55+5+(−5)
=55+{5+(−5)} ←5+(−5)の部分を先に計算する
=55+(5−5) ←+(−5)を−5に変換
=55+0
=55
計算の流れが理解できたでしょうか?
まとめ
今回の問題は、工夫をすることで計算を効率化できました。
もちろん、ルールに従って地道に計算してもよいのですが、式の特徴をうまくとらえると計算が楽になることもありますよ。
ぜひ他の問題にも挑戦して、スピーディーに計算する方法を身に着けてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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