学生が入居する大桑町団地市営住宅=大桑町

  ●市のモデル事業、22日から募集開始

 高齢化が進む市営住宅に若い力を。金沢市は4月、市営住宅の空き部屋に学生が入居するモデル事業をスタートさせる。大桑町団地の2戸を対象とし、町会活動への参加を条件に22日から募集する。入居率の低下などを背景に同様の取り組みは全国的に広がり、県も2023年から県営住宅で事業を開始しており、市は若い世代を呼び込んでコミュニティーの維持につなげる。

  ●建設企業常任委

 21日、市建設企業常任委員会で市側が報告した。

 公営住宅は本来、低所得者向けだが、自治体が国の承認を得て、空室がある場合は、それ以外の人も入居できる。このため、近年は学生が入居できるよう大学と自治体が協定を結ぶ動きが全国で拡大している。

 金沢で対象となるのは、市内や野々市、白山、かほくの3市、津幡、内灘両町にある4年制大学・大学院に在籍する学生で、夏祭りなどのイベントや清掃活動といった町会の取り組みに加わることが求められる。1人暮らしに加え、同じ大学であれば2人までのルームシェアも可能。

 市によると、市営住宅は16団地で計3331戸あり、昨年4月時点の入居状況は2421戸(入居率72・6%)となっている。平成のピーク時には90%を超えていたが、近年は減少傾向にあり、高齢の住民も増えている。

 募集は2月21日までで、市ホームページで申請書をダウンロードして記入し、市住宅政策課に郵送か持参で申し込む必要がある。入居開始日は4月1日。希望者多数の場合は抽選となる。

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