歯科治療中に患者の胸さわる 「立場や信頼を利用」医師に有罪判決
歯科治療中に女性患者(当時18)の胸を触ったとして、不同意わいせつ罪に問われた札幌市中央区、歯科医師豊泉裕被告(56)の判決が22日、札幌地裁であった。藤井俊彦裁判官は「歯科医師としての立場や信頼を利用した卑劣な犯行だ」として、懲役2年執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡した。
判決によると、豊泉被告は2024年7月17日、札幌市内の医院で、女性患者の着衣の中に手を入れて胸を触った。女性は治療のため、診察台の上に仰向けになり、両目をタオルで覆われていた。
これまでの公判では、豊泉被告が、自身の母親が院長を務める医院で、同様のわいせつ行為を繰り返していたことが明らかになった。
被告人質問では、5年以上前から、複数の女性患者の胸に自身のひじを押し当てたり、手で触ったりしていたと証言。検察側から「被害者の多くは治療のために必要と感じて黙っていた」と指摘されると、「平静を装い、医師として信頼されるように明るく振る舞っていた」と話した。
保釈後は再犯防止のための治療を受けながら、母親の監視の下、男性患者のみを担当しているという。
公判に参加した被害女性は「性被害を相談することには大きなハードルがある。申告できない被害者もいて許せない」と意見を述べていた。