千葉県教委は22日、教員の指導を巡り改善を求めていた県立高校2年の女子生徒=当時(16)=の訴えに学校側が適切に対応せず、女子生徒が2023年10月に自殺する事案があったと発表した。県教委は「極めて重大な事態」として、大学教授らで構成する第三者委員会を設置し、詳しい経緯を調査。第三者委は報告書で「学校は生徒が発したSOSのサインを全て見逃しており、度重なる無反応が生徒を精神的に疲弊させていった」と指摘した。
冨塚昌子教育長は同日の記者会見で「全ての生徒が安全安心に過ごす場所であるべき学校で、生徒の命を守る体制を取れなかったことは痛恨の極み」とし「亡くなった生徒やその家族など多くの方々に心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
県教委によると、女子生徒は23年5月に学校が実施したいじめアンケートに「先生にばかにされ、みんなの前で恥ずかしい思いをするので英語の授業に出たくない」などと記載。7月の授業評価アンケートでも、英語の授業でつらい思いをした旨が記されていた。
英語教諭は生徒を起立させた上で、短い例文を暗唱できないと立たせ続ける授業も行っていた。他の生徒からも「こんなの小学生でもできると言われた」などとの指摘があった。
女子生徒は9月にも国語の作文で「死んでやろうかと思った」などと書いていた。しかし、国語教諭は生徒が亡くなるまで作文を見なかった。
女子生徒は英語教諭との関係が原因で、英語の授業をたびたび休むようになった。10月11日には英語の授業時にトイレに行ったまま戻ってこなかったため、昼休みに担任から指導を受けた。担任は単位が取れないと進級に支障があるため、通信制の選択肢を提示。その上で「自分で勝手にやってくれ」と突き放すような発言した。
翌日、女子生徒は自ら担任に連絡を入れ学校を欠席。担任は保護者に連絡せず、両親は女子生徒の欠席を知ることができなかった。同日夜、女子生徒が帰宅しないことを心配した両親は警察や学校に相談したが、見つからなかった。女子生徒は13日に自ら命を絶った。
第三者委の報告書は英語教諭の指導方法について「生徒たちにとっては人格を否定されたと思うような言動あった」と指摘。担任についても「英語の授業に適応できない生徒を非難する言動をした」とし、12日の欠席を保護者に伝えなかったことを問題視した。
今回の事案では、教頭や校長ら管理職に情報が共有されていなかったことも問題とされた。生徒が授業の改善を訴えたアンケートも管理職が把握しておらず「責任感が欠如している」と指摘した。
学校の不適切な対応による自殺事案を受け、県教委は再発防止策を強化。管理職への研修を行ったほか、児童生徒に教員との関係に悩んだ際、県教委に直接談できる仕組みを導入した。