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AEDで女性を救命した男性が強制わいせつの被害届を出された!?法的問題は #専門家のまとめ

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

ネット番組「ABEMA Prime」のAEDを巡る報道が話題となっています。心肺停止状態で倒れていた女性に毛布をかけて衣服をめくり、AEDパッドを貼り付けてAEDで救命措置をとり、救急車を呼んだ男性が、数日後に女性の親から強制わいせつで被害届を出され、警察の事情聴取まで受けたといいます。女性が親を説得して和解で決着したという話でしたが、ネット上ではリスクが高すぎて見ず知らずの女性には使えないといった声も上がっています。AEDの使用を巡る法的問題を含め、理解の参考となる記事をまとめました。

ココがポイント

「普通の救命の流れから外れた行為をどれだけ行っていたかということが重要」「胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの使用は救命の流れ」
出典:AEDガイド|AEDのことがすべて"分かる"情報サイト 2018/8/31(金)

「『緊急避難』と呼ばれる行為で、要件を満たせば、罪に問われない」「人命救助のほうが(中略)重要なのは間違いありません」
出典:弁護士ドットコム 2014/11/3(月)

「周囲の目をさえぎったり、大きな声で『救命行為をしています』と叫んだり、できれば使用時に配慮をすることが望ましい」
出典:J-CAST ニュース 2017/12/22(金)

【AED】異性への必要な配慮は?“女性に使わない”投稿が物議…正しい処置を学ぶ|アベプラ

エキスパートの補足・見解

こうしたケースで起訴されて有罪判決を受けたり、損害賠償を命じられたりした例はありません。とはいえ、最終的に不起訴になったり、民事で勝訴したりするとしても、もめ事に巻き込まれる可能性があるということ自体、嫌だと思う人もいるでしょう。AEDを巡る法的トラブルについては、誤解や不安を生じさせないように、その正確な情報を詳しく報じるべきです。

冒頭の報道も、なぜ女性が被害を訴えていないのに親が被害届を出したのか、どこの警察署で、いつの話なのか、被害届は正式に受理されて送検されたのか、先に女性や救急隊などから事情を聴いて事件性がないと分かるはずなのに、なぜ男性の取調べが行われたのか、そこで警察官といかなるやりとりがあったのか、なぜ双方が譲歩する和解という解決策になったのか、その内容はどのようなものだったのかなど、捜査実務の専門的な視点からみると疑問を抱く部分が少なからずあります。

番組の出演者によれば、番組は男性から聞いた情報だけに依拠して報じており、和解調書などを確認していないようです。そもそも本当の話なのかを含め、警察や関係者から十分な裏付けをとった上で、詳細な続報が待たれるところです。(了)

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ありがとうございます。
元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

元特捜部主任検事の被疑者ノート

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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