大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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をしへて! 根本知さん ~筆を軽く! 物語を彩るまひろの書

大河ドラマ「光る君へ」第2回で手慣れた筆さばきで代筆、代詠を行った吉高由里子さん演じる主人公・まひろ(紫式部)。題字・書道指導の根本知さんに、平安時代の「仮名」の特徴や吉高由里子さんにどのような指導をされたのかを伺いました。

――俳優のみなさんへの書道指導も担当されていますが、まひろを演じる吉高由里子さんにはどのような指導をされているのですか。

平安時代では、筆は必ず右手で持ちます。これは日本の文化であり、変えるわけにはいきません。吉高さんは左利きなのですが、ご本人から「利き手じゃなくても自分で書きたい」とお話がありましたので、「では右に変えましょう。私も頑張って教えます」ということになり、ご指導しています。

――吉高さんが右手に変えられたことに伴う、指導での苦労などがあれば教えてください。

むしろ右手に変えてよかったと思います。ふつうは筆をぎゅっと握ってしまうけれども、吉高さんは利き手ではないから、筆を軽く持てるんですよね。それが雅(みやび)に見える。軽く、緊張感も出すぎていないので、ステキですね。
吉高さんには、「平安時代はまだそこまで仮名の形が定まっていないので、ちょっと下手でもいいんですよ。当時はまだつたない仮名もいっぱいあるから、自信を持って生活スタイルの中になじんだ仮名が書けるといいですね」とお話ししています。

――ちなみに平安中期といえば、紫式部(まひろ)と清少納言(ききょう)が対比されがちですが、二人の文字にはどのような違いがあるのでしょうか。

ききょう(清少納言)の登場はこれからですが、清少納言はとても堂々としていて、いい意味で空気を読まず、活発にしゃべる人物というイメージを私は持ちました。ですので、筆も力強く、ひと呼吸が長く続くという感じですかね。
一方でまひろ(紫式部)は、清少納言とは対照的に身分が高くないこともあってかなり気遣いをしていて、ふつふつと沸き立つ熱を内に秘めている人物という印象を受けました。ですので、仮名の書き方も小粒で繊細という感じです。
二人の字の違いにも注目して、このドラマをご覧いただければうれしいです。

――書道初心者が見てもキャラクターの違いがわかる文字のポイントがあれば教えてください。

文字の大きさと横線の傾きでしょうか。これが一番わかりやすいと思います。みなさんがふだんご覧になる直筆の文字にもそれぞれ特徴があると思いますが、自信がある方って、字が右肩上がりにグッと伸びる人が多い気がします。より上手に見えますし、すごくいいことです。登場人物の個性の違いが表現されている文字にもご注目ください。

 

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