大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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をしへて! 佐多芳彦さん ~平安時代の女性の成人式! 「裳着の儀」

大河ドラマ「光る君へ」第2回でまひろ(吉高由里子)が行った「裳着(もぎ)の儀」。風俗考証を担当する佐多芳彦さんに、この儀式の意味などについて伺いました。

――「裳着の儀」とは、どのような儀式でしょうか?

平安時代の女性にとっての成人式になります。裳というのは後ろに引いている白いプリーツスカートのようなものですが、実は裳だけではなく、唐衣(からぎぬ) や袴(はかま)も一緒にまとうんですね。現代では十二単(ひとえ)とも呼ばれますが、これが正装である女房装束の基本となります。唐衣と裳の組み合わせは、奈良時代にはプライベートな格好だったのですが、平安時代になると礼装に格上げされました。

――どのくらいの年齢で行われていたのでしょうか?

10代の前半くらいです。この「裳着の儀」を行うと成人したことになり、婚姻を結ぶことができるようになりました。本来はこのタイミングで、引眉(ひきまゆ)を引いたり、お歯黒を付けたり、白粉(おしろい)を塗ったりもしているのですが、ドラマでここまでやると大変なので「光る君へ」では行っていません。お歯黒は虫歯の予防のために付けられていたのですが、現代人の感覚ではニヤッと笑ったときに不気味に見えてしまうんですよね(笑)。

――宣孝(佐々木蔵之介)はまひろの正面で何をしているのでしょうか?

宣孝が行っているのは、腰結(こしゆい)です。その家にとって非常に人望のある男性が裳を腰に結び、成人する女性の人生の門出を祝福するんですね。男性が成人する際に後見人が冠や烏帽子(えぼし)をかぶせますが、これと同じです。

――「裳着の儀」でまひろが着ている女房装束はとても立派で、貧乏な為時の家にあったとは思えないのですが、どこから調達していたのでしょうか?

貴族社会の意外な一面なのですが、晴れ舞台があってそこに相応の衣服が必要となった場合、経済力がある家は当然自分たちでまかないますが、それが難しいときには誰かに借りていたりするんですね。

――借りることができたんですね。

そうなんです。また現代と同じように、親類や知人などから祝いの品として送られることもありました。けれどもこのシーンに関しては、為時が愛娘(まなむすめ)のために必死に資金を工面して立派な女房装束を用意してあげたと思いたいですね。
   
   

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