大河ドラマ「光る君へ」

躍動せよ!平安の女たち男たち! 創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部

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をしへて! 佐多芳彦さん ~長く美しい髪こそが平安スタイル!

紫式部が著した『源氏物語』をはじめとする平安絵巻には、長く美しい髪をなびかせた女性の姿が描かれています。大河ドラマ「光る君へ」で風俗考証を担当する佐多芳彦さんに、当時の女性の髪について伺いました。

――平安時代の貴族の女性はとにかく髪が長いという印象があるのですが、当時の女性にとって髪とは、どのようなものだったのでしょうか?

髪を腰丈よりも長く伸ばすというのが、成人女性の標識となっていました。成人男性がかぶり物をすることと感覚的には同じです。

――どのくらい伸ばしていたのでしょうか?

髪の長さのルールについては、記録にあまり書かれていないためわかりません。ただし一つ言えるのは、後ろから見たときに足首くらいまではあっただろうなと思います。いろいろと難しい面もありますので「光る君へ」ではそこまでは映像化できていないのですが…。

――そんなに長いのですか?

貴族の女性は、袿(うちき)や袴(はかま)など、後ろに引きずるような装束を着ていますが、これらの丈が長ければ髪が地面に触れないで済むんですね。服の丈と髪の長さは、相互関係にあったと思います。奈良時代の女性は、中国風に頭の上で髪をまとめていました。それが平安時代になると日本固有のさまざまな文化が花咲き、その中で女性の髪形も髪をまとめるのではなくキレイに長く伸ばすように変化しました。後ろから見たとき非常に美しく見えるという、ある種の美意識があったようですね。

――それだけ髪が長いと、洗うのは大変だったでしょうね。

そうですね。当時は髪を洗うのにも吉日を選んで行っており、その機会を逃すとしばらく洗うことができません。現代のようにドライヤーがあるわけではなく自然乾燥になりますので、気象条件にもよりますが、洗って乾かすのに1日ほどかかったようですね。

――ちなみに、髪が乾くまでの間はどのように過ごしていたのでしょうか?

髪がぬれている間に人に会うのは失礼にあたるので、乾くまでは部屋の中で過ごし、誰かに会ったとしてもそれは特別に親しい人物だけだったであろうと思います。
   
   

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