トランプ新大統領始動 大統領令次々署名 パリ協定離脱など

アメリカのトランプ新大統領は、就任初日から地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令や、不法移民の入国の阻止に向けた非常事態宣言などの文書に次々と署名しました。
前のバイデン政権の政策を大きく転換させ、自らが掲げてきた公約を迅速に実現させるという姿勢を鮮明にしました。

※記事中にトランプ大統領が署名した大統領令などの一覧表を掲載しています。

※トランプ新大統領の就任式のすべては【NHKプラスで配信中】文末のリンクからご覧いただけます(2025年1月28日まで)

トランプ新大統領 「パリ協定」離脱やWHO脱退など大統領令署名

20日、日本時間の21日未明アメリカの第47代大統領に就任したトランプ新大統領は、就任式のあとさっそく大統領の権限で政策などを指示する文書に次々と署名しました。

気候変動対策をめぐっては、
▽地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱に加え、
▽自動車の排気ガスの基準を段階的に厳しくするバイデン前政権の政策を撤廃する大統領令に署名しました。

また不法移民対策では、
▽南部国境の非常事態を宣言し、軍隊を派遣して不法入国を即時かつ完全に阻止するとしたほか、
▽アメリカで生まれればだれでもアメリカ国籍が与えられる現在の仕組みを見直して、不法移民の子どもなどには適用されないようにする大統領令にも署名しました。

さらに、
▽WHO=世界保健機関からの脱退や、
▽2021年1月に連邦議会に乱入した事件で訴追された支持者らについて、減刑したり恩赦を与えたりするための文書にも署名しました。

トランプ新大統領は、前のバイデン政権の政策を大きく転換させ、自らが掲げてきた「アメリカ第一主義」にもとづく公約を迅速に実現させるという姿勢を初日から鮮明にしました。

初日に署名した大統領令は

ホワイトハウスが20日、公表した大統領令などの文書は40を超えています。

このうち、大統領令の数は26で、次の通りです。

▽「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に北アメリカ大陸最高峰の山「デナリ」を「マッキンリー」に名称変更
▽ 麻薬カルテルを外国テロ組織に指定
▽ 連邦政府職員の雇用プロセスの見直し
▽「多様性」や「公平性」などを意味する政府の行き過ぎたDEIプログラムを廃止
▽ 政府が認める性別は男性と女性の2つの性のみとする
▽ “政府効率化省”の設置
▽ 国務長官主導の“アメリカ第一主義”
▽ 外国のテロリストや安全保障上の脅威からアメリカを守る
▽ アラスカの資源開発規制の撤廃
▽ アメリカ国民を侵略から守る
▽ アメリカの対外援助の見直し
▽ 国家エネルギー緊急事態の宣言
▽ “死刑制度の復活”と公共の安全の保護
▽ 国境管理の厳格化
▽ 出生地主義を見直し
▽ 移民の受け入れプログラムの見直し
▽ グリーン・ニューディール政策の終了と“EVの義務化”の撤廃など
▽ アメリカの領土を守る軍の役割の明確化
▽ 選挙妨害や機密情報の不適切な開示に対する前政権高官の責任追及
▽ 連邦政府職員の説明責任の回復
▽ WHO=世界保健機関からの脱退
▽ “TikTok禁止法”の75日間の執行を猶予
▽ パリ協定からの離脱
▽ “政府の武器化を終わらせる”
▽ 言論の自由の回復と政府による検閲の停止
▽ バイデン前政権の78の大統領令などの撤回

大統領令以外で署名した主な文書は

▽ 風力発電のプロジェクトに対するリースの停止
▽ “アメリカ第1主義”の貿易政策
▽ 南部の国境の非常事態を宣言
▽ 2021年1月に連邦議会に乱入した事件に関与した人たちに恩赦や減刑
▽ 連邦政府職員の採用凍結
▽ 政府職員の在宅勤務を終了し、職場で働くことを要請
▽ 就任式の日には国旗を掲揚する

議会上院 マルコ・ルビオ氏 国務長官 承認 新政権で初

アメリカ議会上院は20日、本会議を開き、トランプ新大統領が新政権の国務長官に指名していたマルコ・ルビオ氏を全会一致で承認しました。
トランプ新大統領が指名した閣僚人事が承認されたのはこれが初めてです。

マルコ・ルビオ氏は、両親がキューバ人の移民2世で、南部フロリダ州選出の上院議員を務めてきました。

外交政策では、人権をめぐって中国を強く非難するなど、対中強硬派として知られ、15日に行われた公聴会でも中国を厳しい言葉で批判していました。

ルビオ氏はトランプ大統領の就任式のためにワシントンを訪れている岩屋外務大臣をはじめ、各国の要人とさっそく会談するものとみられます。

これまでに署名した大統領令は 外交関連の発言は

「メキシコ湾」名称を「アメリカ湾」など 大統領令に署名

トランプ新大統領は、アメリカとメキシコに面する「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」に、アラスカ州にある北アメリカ大陸最高峰の山「デナリ」の名称をかつて呼ばれていた「マッキンリー」に戻す大統領令に署名しました。

メキシコ湾についてはアメリカにとって不可欠な資産で、アメリカの将来と世界経済に極めて重要な役割を果たし続けるなどとして、名称を「アメリカ湾」に変更するとしています。

また、「マッキンリー」は、第25代のマッキンリー元大統領にちなんだ名称で、アメリカ政府は2015年に地元の先住民族が使っていた「デナリ」に変更しました。

大統領令の中でトランプ新大統領はマッキンリー元大統領について「彼のリーダーシップのもと、アメリカは急速な経済成長と繁栄を享受した」とし「関税によってアメリカの製造業を保護し、国内生産を促進することでアメリカの工業化と世界進出を促した」などとしてその功績をたたえています。

政府が認める性別 “男性・女性の2つのみ” 大統領令に署名

アメリカのトランプ新大統領は、政府が認める性別は男性と女性の2つの性のみだとする大統領令に署名しました。

大統領令では、2つの性別は変わることはなく、根本的に疑う余地のない現実に基づくものだとしていて、行政機関に対して、パスポートやビザなどの身分証明書が性別を正確に反映していることを確認するよう、指示しています。

アメリカのメディアによりますとアメリカでは、現在、性的マイノリティーの人たちのためにパスポートに男性と女性以外の選択肢として「X」という選択肢が設けられていますが、今回の大統領令はこうしたバイデン前政権の性自認に関する取り組みを覆すものだと指摘しています。

麻薬カルテルを外国テロ組織に指定

トランプ新大統領は20日、麻薬カルテルを外国テロ組織に指定する大統領令に署名しました。

トランプ氏は大統領選挙の期間中、アメリカでまん延が社会問題となっているフェンタニルという薬物などがメキシコの麻薬カルテルによってアメリカに持ち込まれているとして撲滅させると主張していました。

「アメリカで生まれれば米国籍」見直し

トランプ新大統領は、アメリカで生まれれば両親の国籍にかかわらずだれでもアメリカ国籍が与えられる現在の仕組みを見直すとする大統領令に署名しました。

大統領令では、出生時に母親が不法に、もしくは一時的な資格でアメリカに滞在していて、父親もアメリカ国籍や永住権を持っていない場合は、生まれた子どもにアメリカ国籍は自動的には与えられないとしています。

ただ、地元メディアはアメリカの憲法では「合衆国内で生まれた者は合衆国の市民である」と規定されていることから、この大統領令は憲法違反だとして法廷で争われる可能性があると伝えています。

北朝鮮を「核保有国」再び首脳会談の道筋探るか注目

トランプ新大統領は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記について「彼とはとても関係が良かった。核保有国だがうまくやれた」などと述べました。

トランプ氏は1期目の政権で史上初の米朝首脳会談を実現したことを成果として強調していて、再び首脳会談の道筋を探るのか注目されます。

トランプ新大統領は20日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記について「彼とはとても関係が良かった。核保有国だがうまくやれた。彼は私の返り咲きを喜んでいるだろう」と述べました。

アメリカ政府はこれまで公式には北朝鮮を核保有国とは認めておらず、発言の真意はわかっていません。トランプ新政権で国防長官に指名されたヘグセス氏も今月、議会上院で開かれた公聴会に出席するにあたり、提出した書面の中で、北朝鮮を「核保有国」と表現しています。

トランプ氏は、1期目の政権で朝鮮半島の非核化に向けて、キム総書記とシンガポールで史上初の米朝首脳会談を行うなど、あわせて3回会談したことをみずからの成果として強調していて、再び首脳会談の道筋を探るかを含め北朝鮮にどのような姿勢で臨むのか注目されます。

プーチン大統領との首脳会談に意欲

ホワイトハウスの大統領執務室で記者団からロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐる対応について質問されました。このなかで、侵攻を終わらせるのにどれくらい時間がかかると思うかと聞かれたのに対し「プーチン大統領と話をしなければならない」と答え、プーチン大統領との首脳会談に意欲を示しました。ただ、会談の時期については「とてもすぐかもしれない」と述べるにとどまりました。

また戦況については「プーチン大統領はうまくいっていない。ほとんどの人は戦争が1週間程度で終わると思っていたが、いまや3年になろうとしている」と述べ、ロシア側も苦しい状況にあるという見方を示しました。

そして「彼はロシアを破壊している。ロシアは大変なことになる。経済やインフレ率を見てみろ。彼が取り引きしたいと思っていることを望む」と述べ、戦闘の終結に向けて取り引きを成立させる余地があるという考えを示しました。

“「TikTok」実質的禁止”75日間猶予の命令

中国系の動画共有アプリ、「TikTok」をアメリカで実質的に禁止する法律の執行について、75日間、いかなる措置もとらないよう司法長官に命じることを盛り込んだ大統領令に署名しました。
この期間にTikTokの親会社に対し、アメリカ事業の売却などの対応を検討するよう促す狙いです。

TikTokをめぐっては、中国の親会社の「バイトダンス」がアメリカ事業を売却しなければアメリカ国内でアプリを実質的に禁止する法律が19日に発効し、一時、運用が停止する事態に追い込まれました。

こうした中、トランプ新大統領は20日、この法律の執行について75日間、いかなる措置もとらないよう司法長官に命じることを盛り込んだ大統領令に署名しました。

この期間にTikTokの親会社に対し、アメリカ事業の売却などの対応を検討するよう促す狙いで、新たな合弁事業を設けてアメリカの企業やファンドが50%の株式を持つことが望ましいという考えを改めて示しました。

その上で、トランプ氏は、中国がこの取り引きを承認しないなら私たちへの敵意になるとした上で、「中国に25%、30%、40%、50%、さらには100%の関税を課すと言えば中国は承認するだろう」と述べ、関税の引き上げを交渉のカードに承認するよう求めていく方針を明らかにしました。

中国外務省報道官「差別ないビジネス環境提供望む」

これについて、中国外務省の郭嘉昆報道官は「アメリカが理性的な声に真剣に耳を傾け、開放的かつ公平公正で、差別のないビジネス環境を提供することを望む。企業の運営や買収は市場の原則に基づき、企業が自主的に決定すべきだ」と述べました。

国境の非常事態を宣言

トランプ新大統領は公約に掲げてきた不法移民対策のためとして、文書に署名して、南部国境の非常事態を宣言しました。これにより、メキシコとの国境の不法移民対策などとして、軍隊を派遣し、不法入国を即時かつ完全に阻止するとしています。トランプ氏は中南米などから法的な手続きを経ずにメキシコとの国境を越えて入国している不法移民が急増したことで治安が悪化していると主張していました。

WHOから脱退表明 大統領令に署名

トランプ新大統領はWHO=世界保健機関から脱退すると表明し、大統領令に署名しました。WHOについて、トランプ氏は1期目の政権時に新型コロナウイルスをめぐる対応が中国寄りだと批判し、脱退することを国連に通知しましたが、バイデン前大統領が就任初日にこの方針を撤回していました。アメリカはWHOへの最大の資金拠出国で、脱退すれば、WHOの運営に支障が出ることは避けられないほか、パンデミックなどに対する国際的な取り組みに影響が出るおそれもあります。

WHO「遺憾だ」考え直すよう呼びかけ

トランプ新大統領がWHO=世界保健機関から脱退すると表明し、大統領令に署名したことについて、WHOは21日に「遺憾だ」とする声明を発表しました。一方で、「WHOとアメリカは無数の命を救い、アメリカ人とすべての人々を健康に対する脅威から守ってきた」として、天然痘の根絶などでアメリカとともに成果をあげてきたことも強調しました。そのうえで、「われわれはアメリカが再考することを望む」として、トランプ政権に脱退を考え直すよう呼びかけるとともに、協力関係の維持に向け、対話を継続する意向を示しました。

「メキシコとカナダに25%の関税検討 2月1日から」

アメリカのトランプ新大統領は、2月1日からメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると明らかにしました。

また、すべての国からの輸入品に一律で課す関税をめぐっては「準備ができていない」と述べる一方、貿易赤字の要因や安全保障上のリスクなどを調査して、世界規模の追加関税などの措置を勧告するよう、商務長官などに指示しました。

トランプ新大統領は20日の就任演説で「わたしはアメリカの労働者と家族を守るため直ちに貿易制度の見直しに着手する」と述べました。その上で、「アメリカ国民に課税してほかの国々を潤すのではなく、国民を豊かにするために外国に関税を課して税金をかける」として、すべての関税や歳入を徴収する外国歳入庁を設置することを正式に表明しました。

その具体策について、トランプ新大統領は、大統領執務室で「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討している。2月1日だろう」と述べ、2月1日からメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課す考えを示しました。

トランプ氏はこれまでメキシコやカナダからの犯罪や薬物の流入が止まるまで両国からのすべての製品に25%の関税を課す考えを示していました。

また、選挙戦で訴えてきたすべての国からの輸入品に一律で課す関税をめぐっては「準備ができていない」と述べる一方、巨額の貿易赤字の要因や経済・国家安全保障への影響やリスクを調査し、世界規模の追加関税などの措置を勧告するよう、商務長官などに指示しました。

有力紙ニューヨーク・タイムズは20日、就任初日の関税導入は見送ったものの「今後数週間から数か月間のうちに大統領がさまざまな理由で数多くの国々に関税を課すことができるようになり、世界的な貿易戦争が起きる可能性がある」と伝えています。

「前政権の破壊的で過激な大統領令などを撤回する」

アメリカのトランプ新大統領はワシントン中心部で行われたイベントで支持者を前に演説し「前政権の破壊的で過激な大統領令などを撤回する」と述べました。
そして、バイデン前政権時代に出された移民や環境、それに「DEI」と呼ばれる多様性などの理念に関するものを含む78の大統領令などを撤回する大統領令に署名しました。

DEI推進の大統領令も撤回 DEIとは

トランプ新大統領が撤回したバイデン前政権時代に出された78の大統領令などには、「DEI」と呼ばれる多様性などの理念を推進する大統領令も含まれています。DEIは「多様性」、「公平性」、「包摂性」を意味する英語の頭文字をとったことばです。バイデン前大統領が出した大統領令では、政府機関に対し、人種や宗教、性的指向などにとらわれず、多様な人たちを積極的に採用することなどを求めていました。これについて、トランプ氏は「実績や資質に基づいていない、いき過ぎた公平性だ」と批判していました。そして、撤回した理由については、今回の大統領令の中で「前政権は、連邦政府機関などに不人気で、急進的な取り組みを進めた。DEIを導入したことで、勤勉さや実績などが危険な優遇措置に置き換えられ、組織が腐敗した」と説明しています。

「パリ協定」離脱の大統領令に署名

トランプ新大統領は、ワシントン中心部のアリーナで行われているイベントで、支持者を前に、大統領令に署名しました。この中で「私はただちに不公平で、一方的なパリ協定から離脱する」と述べて地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令に署名しました。

連邦議会乱入事件で訴追された支持者ら“1500人恩赦”

トランプ新大統領は2021年1月に連邦議会に乱入した事件で訴追された支持者らについて「彼らは人質だ。およそ1500人に恩赦を与える」と述べ、ホワイトハウスの執務室で文書に署名して、一部を減刑し、そのほかの訴追された人に恩赦を与えると発表しました。

事件をめぐっては、1600人近くが訴追され、このうち600人あまりが警備にあたっていた警察官に暴行した罪などに問われていました。トランプ氏は記者団に対し「今夜にでも釈放されてほしい」と述べました。

《【詳しく】トランプ氏 就任演説》

《大統領就任式》

トランプ氏の大統領就任式始まる

トランプ氏が入場

トランプ氏の就任式が首都ワシントンの連邦議会議事堂の中央にある「ロタンダ」と呼ばれる円形の広間で始まりました。式典はバイデン大統領夫妻とオバマ元大統領、ブッシュ元大統領夫妻、クリントン元大統領夫妻と歴代の大統領が勢ぞろいし、ハリス副大統領夫妻などが出席するなか、日本時間の21日午前1時50分頃、始まりました。

式典ではこのあと、新しい副大統領に就任するバンス氏が宣誓します。そして憲法の規定により大統領の任期が始まる現地の20日正午、日本時間の午前2時にあわせて、トランプ氏が宣誓し、第47代の大統領に就任します。

J・D・バンス氏が副大統領に

バンス新副大統領とトランプ新大統領

大統領就任式で新しい副大統領となるJ・D・バンス氏が宣誓しました。バンス氏は40歳。歴代のアメリカ副大統領で3番目の若さでの就任となります。

トランプ氏が第47代大統領に就任

共和党のドナルド・トランプ氏が首都ワシントンの連邦議会議事堂の中央にある広間で行われている就任式で宣誓しました。トランプ氏は2017年から4年間、大統領を務めていて、今回が2期目となります。78歳7か月での大統領就任はアメリカ史上最高齢です。トランプ氏は憲法の規定により現地の20日正午、日本時間の21日午前2時に第47代大統領に就任しました。

ホワイトハウスのHPもトランプ色に一新

ホワイトハウスのウェブサイトは、トランプ氏が大統領に就任した20日正午ごろ、日本時間の21日の午前2時ごろ、一新されました。バイデン前大統領の写真などを掲載していた画面に突然、トランプ氏が大統領専用のヘリコプターから降りる様子などを映した動画が流れました。このあと、ウェブサイトには、トランプ氏の大きな画像が掲載され、「AMERICA IS BACK」=アメリカが帰ってきたとか、「私は毎日、全身全霊をかけてあなたのためにたたかう」と書かれています。

就任式は終了 バイデン政権からの大幅な政策転換を宣言

アメリカのトランプ新大統領の就任式が日本時間の21日午前3時ころに終わりました。トランプ大統領は就任演説で「アメリカの黄金時代がいまから始まる。一連の大統領令に署名する。これらの行動によりアメリカを完全に復興し、『常識の革命』を起こす」と述べてバイデン政権からの大幅な政策転換を宣言しました。

特に▽不法移民対策のために非常事態を宣言して南部国境に軍隊を派遣することや▽エネルギー政策としては、国家エネルギー緊急事態を宣言して化石燃料を増産すると述べるなど、自身が取り組む政策について詳しく語り、アメリカを再び偉大にすると決意を訴えました。

トランプ新大統領はこのあとバイデン前大統領の出発を見送り、昼食会に出席したあと、ホワイトハウスまでのパレードに代えて、ワシントン市内のアリーナで行うイベントに参加する予定です。

バイデン前大統領夫妻 連邦議会議事堂を出発

就任式の後、バイデン前大統領夫妻は、トランプ新大統領に見送られながら、式が行われた連邦議会議事堂を出発しました。

トランプ氏 “バイデン氏の予防的 恩赦を非難”

就任式を終えたトランプ新大統領は、バイデン前大統領夫妻を見送った後、再び連邦議会議事堂で参加者を前に演説しました。この中でトランプ氏は、みずからに批判的な人たちを対象にバイデン前大統領が刑事訴追から守るためとして予防的な恩赦を与えると発表したことについて「どうなっているんだ。なぜこの人を助けようとするのか」と非難しました。

就任式には歴代の大統領が勢ぞろい

就任式には、クリントン元大統領夫妻、ブッシュ元大統領夫妻、オバマ元大統領、それにバイデン大統領といった歴代の大統領が勢ぞろいしました。また、1期目のトランプ政権で副大統領を務めたマイク・ペンス氏も出席しました。一方、トランプ氏に批判的な立場として知られるオバマ元大統領のミシェル夫人や、トランプ氏と激しく対立してきた民主党の重鎮、ペロシ元下院議長は欠席を表明しました。

就任式にマスク氏などIT大手のトップらが出席

実業家 マスク氏(後列 中央)

トランプ新大統領の就任式には実業家のイーロン・マスク氏などIT大手のトップらがそろって出席し、現地メディアは業界と新政権の緊密な関係を象徴していると伝えています。

就任式に出席したのは、
▽実業家のマスク氏のほか、
▽グーグルのスンダー・ピチャイCEO、
▽アップルのティム・クックCEO、
▽メタのマーク・ザッカーバーグCEO、
▽アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏らで、
トランプ氏に近い席などに座ったことから欧米メディアは「特等席」などと報じています。

こうした企業では就任式に関する基金に多額の寄付を行うなど、業界での規制に大きな影響を及ぼすトランプ氏との関係を深めようとしていて、就任式の様子は象徴的な動きだとみられています。

このほか、動画共有アプリ「TikTok」のチュウCEOも出席し、就任式に先だってトランプ氏に対し、アメリカ国内でアプリを実質的に禁止する法律への対応をめぐって謝意を示していました。

会場周辺に集まった人たちからは歓迎の声

就任式にあわせて南部テキサス州から首都ワシントンを訪れた女性は「トランプ氏は引き続きアメリカを第一に考えてくれると思います。まず自分たちのことを大切にしてこそ、他の国々に手を差しのべることができるのですから」と話していました。

南部ノースカロライナ州から訪れた男性は「アメリカにとってすばらしい日で、私たちは自由を取り戻していきます。国境を閉じて、この国に来るべき人だけが来られるようにすることで、平和を取り戻すのです。移民には賛成ですが、無秩序ではいけません」と話していました。

ワシントンの大学に通うユダヤ系の学生は「きょうは転換の日です。この4年間、みんなから『あなたはおかしい。何を言っているのかわからない』と言われてきました。常識を信じているのは私1人ではなく、アメリカに良識を取り戻そうとする人たちがいることをようやく目の当たりにしています」と話していました。

マスク氏の敬礼が物議

実業家のイーロン・マスク氏が20日、トランプ大統領の就任を祝う集会でとった行動が物議を醸しています。

マスク氏は演説のなかで「これは普通の勝利ではない。人類の文明のなかで分岐点だった」などと述べ、トランプ氏の支持者に感謝を伝えると、右手を左胸にあてたあとに手のひらを下向きにして右手を斜め上に伸ばすジェスチャーをしました。

このジェスチャーについて、SNS上などでは「ナチス式の敬礼ではないか」などという指摘があがりました。

一方で、トランプ氏の支持者の一部からは「ローマ式の敬礼だ」と主張する意見も出ています。

マスク氏自身はXに「『誰もがヒトラーだ』という攻撃にはうんざりだ」と投稿しています。

トランプ新大統領の就任式のすべては【NHKプラスで配信中】

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