いまやテスラの主力モデルとなった電気自動車(EV)のミッドサイズSUV「モデルY」が刷新され、1月10日から日本や中国などのアジア太平洋地域で受注が始まった。特に日本では22年6月の発売から約2年半しか経っていないので、ずいぶん早いモデルチェンジに思えるかもしれない。だが実際のところ、米国で2020年3月に納車が始まってから約5年が経っている。そろそろ刷新という噂も聞こえてきたところで、アジアでの先行投入となった。
モデルYはクーペ風のSUVで、セダンタイプの「モデル3」よりひと回り大きい。23年にはEVとして初めて世界の車種別販売台数トップに立ったこともで知られる人気モデルだ。そんなモデルYは刷新によって、いかに進化したのか。
サイバートラック風のデザインへと進化
以前からコードネーム「Juniper(ジュニパー)」として新型への刷新が噂されてきたモデルY。一見して大きく変化したのが外観のデザインだ。
ヘッドライトやリアのランプは横長の薄型になり、電動ピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」や自動運転タクシー用のEV「Cybercab(サイバーキャブ)」に似ている。リアのランプはボディパネルテールライトで、光を拡散反射させて均一に照射する拡散反射技術を採用したという。
サイズは全長4,800mm×全幅1,980mm(ドアミラー格納時)×全高1,625mmで、従来モデルより少し大きくなっている。なかでも全長は5cmほど長くなった。
ボディカラーも新しくなった。標準色がステルスグレーで、オプションでグレイシャーブルー(18万9,000円)、パールホワイト マルチコート(18万9,000円)、クイックシルバー(26万9,000円)、ウルトラレッド(26万9,000円)が用意されている。内装色は標準のブラックか、ブラック/ホワイト(12万6,000円)から選べる。
走りの面ではサスペンションが改良されたことで、乗り心地が改善されている可能性が高い。装備は先行したモデル3の進化に準じたもので、シフトレバーやウインカーレバーを廃止するなどユーザーインターフェイスが刷新されたほか、後部座席に8インチのタッチ式ディスプレイが装備された。シートにはファンを内蔵し、背もたれと座面の通気をよくするシートベンチレーションに対応している。進化の方向性はモデル3と同じく、より快適に、上質に、高級志向に……といったところだろう。
価格は595万円から、納車は4月
日本や中国では1月10日の発表と同時に、初回限定モデル「Launch Series」の受注が始まった。ラインナップは2モデルで、後輪にモーター1つを搭載した標準モデル「Model Y RWD」と、AWD(全輪駆動)でバッテリー容量が大きい「Model Y ロングレンジ」だ。
満充電時の航続距離は「RWD」が547kmで、上位モデルの「ロングレンジ」は635kmで、いずれもWLTCモードに基づくテスラ自社測定値だ。いずれもホイールサイズは20インチで、後部座席は電動リクライニング式となる。重量は「RWD」が1,920kg、「ロングレンジ」が1,990kgだ。
0-100km/hの加速はRWDが5.9秒で、従来モデルの6.9秒より速い。上位モデルの「ロングレンジ」は前後の車軸にモーターが搭載したことで加速が鋭く、0-100km/hの加速は4.3秒と高性能スポーツカーに匹敵する。なお、これまで最上位モデルだった高性能版の「Model Y パフォーマンス」は現時点では用意されていないが、今後追加される可能性がありそうだ。
価格はボディカラーやオプション装備によって異なるが、「RWD」が595万円、「ロングレンジ」が683万9,000円からとなる。納車は4月を予定しているという。
いずれのグレードも、自動運転技術を含む運転支援機能「オートパイロット」は標準装備。ただし、駐車や車線変更などを自動でこなす「エンハンスト オートパイロット」は43万6,000円のオプション装備となる。
さらに将来的に信号や一時停止標識を認識したり市街地で自動運転したりする機能も追加するという「フルセルフドライビング ケイパビリティ」は、87万1,000円となる。市街地での自動運転は米国でベータ版として提供が始まっているが、日本では現時点では利用できない。
今回のモデルYの刷新はアジア地域で先行したが、これは主力生産拠点のひとつである「上海ギガファクトリー」で生産が始まったからだろう。中国ではBYD(比亜迪汽車)や新興メーカーによる競争が激しくなっており、主力モデルを巨大市場で先行して刷新することで、競争力の向上による挽回を図ったといえそうだ。
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