老舗鉄道誌「鉄道ジャーナル」休刊へ! 編集長にその理由を聞いた 1月21日発売の3月号で告知…

鉄道乗蔵鉄道ライター
鉄道ジャーナル2025年3月号(筆者撮影)

 鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」が2025年4月21日発売の6月号をもって休刊することがわかった。これは、1月21日発売の3月号の誌面表紙裏で発表されたものだったが、発売前の1月19日夜にこの誌面を見た方が、SNS上に投稿したことをきっかけに鉄道ジャーナル休刊の知らせは、一気にネット上を駆け巡った。

 鉄道ジャーナルは、鉄道総合誌として1967年に創刊し、創刊後58年で700号余りを世に送り続けてきた。「鉄道の将来を考える専門情報誌」を標榜し、交通政策そのものを含めた社会事情や経済的・政治的な視点から鉄道を客観的にみる記事が特徴であった。公式発表によると休刊の理由については、「近年の雑誌出版をめぐる環境および本誌を取り巻く諸般の事情に鑑み、雑誌制作・発行を取りやめ、休刊とすることになった」としている。「以後、WEB版移行、リニューアルなどによる発行再開の予定はない」という。

鉄道ジャーナル社から各著者に送られた手紙(筆者撮影)
鉄道ジャーナル社から各著者に送られた手紙(筆者撮影)

 鉄道ジャーナルの定期購読者や、これまで執筆を担当した著者のもとには発売の前日となる1月20日から「休刊のご連絡」と題した手紙が届き始め、その手紙もSNS上にアップされている。さらに、「鉄道ジャーナル休刊は本当に残念だ」「小学生のときから読んできた雑誌なので、改めて休刊の告知を目の当たりにするとツラい」など、休刊を惜しむ声が上がっている一方で、「毎年、背表紙の発行月の部分の色が変わっていたのに、2024~2025年の色が変わらずグレーのままだったのはその布石だったのかな」「書店の減少やネットメディアの普及により売上が厳しくなっていたのかな」など、さまざまな声がSNS上で飛び交っている。

 鉄道ジャーナルの宮原正和編集長は筆者の取材に対して、「雑誌の休刊というと、売れ行き不振を理由に挙げることが多いですが、鉄道ジャーナルに関してはそういったことではなく、端的に説明することは難しいと感じています」「近年の鉄道ジャーナルは、ほかの媒体ではなかなか扱わないようなテーマや、ほかでは読めないような記事を載せていきたいと考えてきたのですが、伝統的な鉄道記事を愛する読者が想像以上に多かったということかもしれません」と、売れ行き不振が理由であることは否定した。

(休刊の告知誌面)
(休刊の告知誌面)

(了)

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鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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