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7.【黒幕】

「アイリーン、私のほうを向いてアイマスクを取ってごらん」

アイリーンは言われたとおりにホームズのほうを向く。長年の修正で目はつぶったままで。

「アイリーン、瞼を上げてごらん」


「えっ、えーっ、ホームズ貴方が見える。今まで何をやっても見えなかったのにあなたが見える」

「見えるのか、やった、アイリーンの目が見えるようになったのか、ヨシトさんありがとうまた助けてもらった本当にありがとう」


「ホームズ、私はいったんホームを出るからアイリーンさんに説明をしておいてくれ。話が済んだら2階に降りてきてくれると嬉しい」

2階に降りるとゴーンがリタをかき口説いてていた。

ホームズもそうだったが橋の下に転がされて死を覚悟した時に生きて帰ったらリタと結婚すると心に誓ったと言っていた。

リタも以前からゴーンを憎からず思っていたようだったがアイリーンのこともあり待ちを出ることはできない。代官の妾になると頑なに断っていた。


「ヨシトさんこいつ何とかして、いくら断っても全然引かなくて、私もお兄ちゃんも旅には出れないって説明しているのに」

「ああ、ヨシト降りてきたのかアイリーンとホームズはどうなった」

「さあ、今二人で話しているからな、話がつけば降りてくると思うぞ」


「リタさん、ゴーンとのやり取りを聞いていると結婚への障害はアイリーンさんのことだけみたいですね。リタさんもゴーンのことは愛しているのですよね」

「あ、愛しているってそんなこと急に言われても、いい感じとは思っているけど結婚とか言われたの初めてだし。それに代官のこと解決するまではそんなこと考えられないし」

「じゃあ。じゃあ、もし仮にアイリーンが一緒に旅に出られるようならおれと結婚してくれるか」

「アイリーンのことと結婚は別、町は一緒に出るけどゴーンのことをもっとわからないと答えは出せないわ」

「ゴーン、すぐの結婚は諦めたほうがよさそうですね。あなたの心は伝わっているみたいですけどあまりに急な話ですからね」

「でもそれだとリタはメンバーになれない、やっぱりリタニはメンバーになってもらいたい」

「またゴーンが訳の分からないことを言ってる」

「ゴーン、メンバーのことはあとで話しましょう。今回いろいろわかることもあったので」


それでもあきらめきれずにゴーンがリタを口説いているとホームズとアイリーンが2階に降りてきた。


「リタ、綺麗になったわね、こんなに強そうな男の人に結婚を迫られて断っているなんてなんて幸せ者なのかしら」


「え、アイリーン目が治ってる? 見えるのよね、治ったのよね」

「そうね見えるようになったわ、あとホームズの求婚を受けることにしたいのだけどリタは認めてくれる」

「結婚。もちろんよお姉ちゃんよろしくね。よかたぁ治ったんだ、ていうかヨシトさんあなたが直してくれたのよね、今まで誰も直せなかったのだから」


「う~ん、僕が治したと言わけではないのですよ、話をしているうちに治ってしまったというかアイリーンさんのホームズを思う気持ちが高まった結果治ってしまったという感じでしょうかね」


「「そうかもしれませんがやっぱり私たちはヨシトさんが治してくれたと思ってますよ」」


「アイリーンさん、俺はゴーンて言って今リタに求婚中で絶賛断られ中だけど旅は行くっていうことで良いのかな」

「そうですねどこまでもホームズについていくわ、ホームズよろしくね♡」

「あ~あ、アイリーンがこんなに浮かれるなんて、兄さんも何でれでれしてるのよ」


「ところでリタさん、町は一緒に出ると言ことで良いかなゴーンとの結婚はべつとして」

「ええ、私もできるだけ早く町を出たいわこの狭い家じゃ暑苦しいというか甘々で気持ち悪くなるような気がするし」


「それでは早々に町を出る準備をしましょう。私は家を売ってそのお金で旅の準備を整えますね。ヨシトさんは馬に乗れるようになってください、旅の移動は馬車になりますけどヨシトさんが馬に乗れないと話にならない。ゴーンはヨシトさんが馬に乗れるように手助けをしてください。リタは女性用の着替えを準備してくださいね。アイリーンはしばらく家の中に籠ってもらいます。目が治ったことが知れると厄介なことになるでしょうから」

「え、旅をするなら食料や水野営の準備がいるでしょう、それも私がしたほうがいいんじゃない」

「あ、その辺は心配しなくていいから」

「ヨシトようリタは仲間にならなくていいのか、俺はリタが一番大事なんだから何とかしてくれよ」

「ゴーン、それはおいおい、リタさんも私のことがわからないと仲間になっていいかどうか判断できないでしょう。リタさん一緒に旅をすることになるので私のステータスを開示しておきますね。低くて驚くでしょうけど」

開示したステータスを見てリタは唖然としていた。仲間として認めてもらうのは難しそうだ。


そこそこの値段で売れた家のお金をもって、馬と馬車と荷車を購入した。馬を買った時に飼い葉も一緒に買って荷車に積んでもらった。


ゴーンと二人で乗馬の練習をしているときに不意に犬にほえられた馬が暴れだしたので慌てて<ゴーホーム>を唱えた。倉庫に行くと思っていたが突然厩が解放されましたと音が流れ厩が使えるようになっていた。

もしやと思い馬車に乗って、<ゴーホーム>を唱えたら車庫が使えるようになった。車庫には地球で持っていたランドクルーザー1台にオフロードバイク3台、BMX2台も格納されていた。

飼い葉を積んだ荷車を引きながら<ゴーホーム>を唱えたら荷車は倉庫に、飼い葉は厩に運ばれていた。この家はどこまで優秀なのだろう。


旅の準備を一日で整えた晩にホームズからリタに私のことを説明してもらった。

ホームのことは説明せずに私は転移魔法が使えることと彷徨い人らしいということ。私のことをよく観察して信頼に値するかどうか判断してほしいことそれだけを説明した。

翌朝、4頭の馬荷馬車を引かせ、1頭の馬に荷車を引かせて町を出た。

人目がなくなったところでリタに生え転移魔法だと説明して荷車と飼い葉を家に格納した。


ゴーンが御者をやりしばらく進むと案の定、賊徒らしいものが20人ほど現れた。どうしてもリタを手に入れたいようだ。


「ゴーンさんよう、中にいるお嬢さんたちを置いて馬車から降りな、この間みたいに縛るだけで命を取りはしないから」

「やっぱりこないだもお前たちだったのか。目的はなんだ」

「目的か、お前らもわかってるから町を出ていくんだろ。お察しの通り代官様がリタがお気に入りでな、このまま連れて帰ればやりたい放題ってわけだ。ついでに教えてやるがグレー商会の旦那がアイリーンにご執心で8年前は魔寄せの粉で呼んだゴブリンが多すぎてうまくいかなかったが今回はそんな失敗せずに手に入れようってわけだ。」

「なんだとホームズたちの両親を殺しアイリーンに大けがをさせたのはグレー商会のやったことだったのか。ゆるせねえ領主様に直訴して罪を償わせてやる」

「抵抗するだけ無駄だぞ、とっとと馬車から降りてくればお嬢さんたちは無事だし、お前らも命は助かるかもしれぬぞ」


飛び出そうとするホームズたちに仇討ちは後日させてやるからと説得して、アイリーンとリタをホームに連れて行くようにホームズに依頼した。可哀そうだがリタには目隠しをしてもらう。

ゴーンには先頭の馬に飛び移ってもらい賊徒のすきをついて軽くなった馬車を走らせてもらう。必死で逃げるふりをして海沿いの崖まで来た時に操作を誤ったように見せて崖から飛び出してもらった。

賊徒から視認できなくなったタイミグを見計らってゴーンは馬を私は馬車を伴って、<ゴーホーム>を唱えた。

無事に厩と車庫に戻るとホームズたちが待つダイニングに入った。


「ホームズ、待たせたな。賊徒たちは私たちが海に落ちて死んだと思わせておいた。このまま領都に行って爪を研いで仇討ちの機会を探ろう。今は力をつけないと思いは遂げられない」

「ああ、わかった、本当に何度も助けてもらってすまない。そのうえ8年前も事故ではなく仕組まれたものだったなんて絶対に許せない」

「俺も頭に血が上って戦おうとしたがヨシトに諫められてよかったと思う俺も一緒に仇討ちに協力させてくれ。」

「ありがとう助けてくれ。ヨシトには血なまぐさいことはさせたくないので俺たちのすることに目をつぶっていてくれるとありがたい」

「そうだな、仇討ちの方法はいろいろとあると思うから少し考えさせてくれ、できるだけのことはさせてもらう」


「ところでリタさん、今回は転移した時に驚かないようにと目隠しをしてもらったがホームズもゴーンもここのことはよく知っているので目隠しをとっても落ち着いて話を聞いてほしい」


アイリーンがリタの目隠しを外す。

見たことのない内装にリタは目を丸くするが順を追ってホームズが説明をしていく。


「ということは私だけが知らなかったってこと、なんで私にだけ教えてもらえなかったの」


「すまなかった、この家の機能を十全に使うためには私を信頼してもらわなくてはならないから話せなかった。リタもというか普通の人はあったばかりの私をすぐに信頼することなんて出来っこないからね」

「リタにはこの旅の早いうちに説明するつもりでいたのだが思いのほか早くなってしまったと言わけだ」

「ふ~ん、だからゴーンが結婚してくれとかメンバーにとか言ってたわけだ。ヨシトさんを信頼できなくてもゴーンを信じればメンバーになれると。アイリーンはお兄ちゃんにべたぼれだからメンバーになったってわけだ。」

「私の場合はホームズそうですけど最初にこの家に入った時のヨシトさんが誠実で信じることができたのでメンバーになれたみたいです」

「そっか、ヨシトさんのスキルがばれると危険だから信頼できる人しかこの家には入れられないよね。そういう意味では目隠しをしたまま馬車に戻れば家のことを説明せずに旅を続けることもできたんじゃない」

「う~ん、どうでしょうか、そんなことをしたら不信感が募って先々私のことを信頼してくれなくなりそうですし。みんなとのやり取りを見ていて大丈夫かなって思って、私を信頼してくれなくても秘密を明かしてもいいかなって思いまして」

「そうなんだ、ヨシトさん私を信頼してくれたんだ。それにお兄ちゃんとゴーンの命を助けてくれてお姉ちゃんの目を直してくれて、いまも冷静にみんなを率いてくれて。なんて言っていいかわからないけど私は今後の人生をかけてヨシトさんに恩返しをしますね」


この時、家の照明が点滅した。

スピーカーがドラムロールをならし、「リタがメンバーになりました。」と奏でた。


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