「帯バラエティ」のメリットは多い
もう1つ、危険な兆候としてあげておかなければいけないのは、「なかなか金脈になりそうなサブコーナーが見つかっていない」こと。前述したようにメインコーナーの「ぽいぽいトーク」に危うさを感じるだけに、サブコーナーの重要度も増しているが、まだ明るいきざしは見えていない。
基本的にバラエティの新番組は、視聴者の反響を見ながらヒットコーナーを探していくもの。『ぽかぽか』も例外ではなく連日さまざまな企画を試しているが、これというものを見つけられず、ヒントのようなものも見つかっていないのではないか。
新たな企画を試し続けているが定着せず、中途半端に放置されているものだけが増えていく。毎日見ている視聴者ですら、「何曜日に何のコーナーがあるのかすらわからない」。さらに、こういうときは各曜日レギュラーの強みを生かした企画に頼りたくなるものだが、月曜2人、火曜3人、水曜2人、木曜1人、金曜2人と同じ平日帯バラエティの『ラヴィット!』(TBS系)と比べてもかなり少なく、大物や旬のタレントも見当たらない。
裏番組の『ヒルナンデス!』がロケの収録メインに対して、『ぽかぽか』の大半はスタジオの生放送と差別化はできているだけに、いかに臨場感のある企画を早く見つけられるか。長年フジテレビの13時台を支えてきたLION提供の「ライオンちゃんと行く!肉食さんぽ」が9月で終了したという暗いニュースもあるだけに、そろそろヒット企画を生み出したいところだろう。
そんな『ぽかぽか』に対していくつかのネットメディアは、視聴率低迷を理由に何度か「打ち切り」の記事を報じているが、周辺取材した限りでは、そのような声は聞こえてこない。逆に、週末に一週間を振り返るダイジェスト版の『今週のぽかぽか』が放送されているほか、今月25日のクリスマスには今年6月29日に続く2度目の3時間特番『ぽかぽかゴールデン』が予定されている。
帯番組のバラエティには、自局系ドラマや映画の番宣、若手クリエイターとアナウンサーの育成、バラエティに強い芸能事務所とのパイプ、ゴールデンタイムや季節イベントの派生企画などの視聴率では測れないメリットも多い。その上、港浩一社長肝入りの番組なのだから「バラエティのフジ」のメンツにかけても、簡単にやめるわけにはいかないはずだ。
もし「ぽいぽいトーク」の偏りが改善され、サブコーナーのヒット企画が1つでも見つかれば、“唯一の昼生放送お笑いバラエティ”という希少性が手のひら返しで称賛される可能性もあるだろう。『ラヴィット!』のように視聴率の高低でネガティブな記事を報じられなくなったら、しばらく『ぽかぽか』は安泰と言っていいのではないか。
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