「ショウヘイは必ず復活を遂げる」担当医師が語る“二刀流復帰”への見通し。2度目の手術で施したリスクを伴う工夫
五十嵐:「丸1年間トレーニングするって、野球選手にとってはなかなかないんです。筋量が弱い部分の強化など今までできなかったことをやって体を大きくすることで、今までと同じ出力でも負担を減らすことができる。抜き球など負担のかからないボールで試合を作ることができたら、シーズンを戦うことができ、その先も見えてくると思う」 筋量を増やすことで、投球の質を落とさずに負担を軽減。これが安定したパフォーマンスの鍵となる。
◆瞬発力の強化につながった盗塁
さらに、投手・大谷の復活を後押しする意外な要素が、盗塁。これはいったいどういうことなのか? 五十嵐:「ピッチングって、速いボールを投げようと思ったら、瞬発系のトレーニングをするんです。その中のひとつにダッシュは絶対あるので、その質を高めるなら試合で走ったほうが絶対いいと思うんです。緊張感のある中でダッシュするほうが体にはいい刺激がいくはずなんですよ」 瞬発力の強化は、投球の質を底上げする重要な要素だ。今季59盗塁の大谷は試合の緊張感のもと、高い強度の全力疾走を繰り返した。そうすることで、瞬間的な爆発力を向上させたのだ。 五十嵐:「ピッチングは静止した状態からボールを投げますし、盗塁も静止した状態から走り出します。静止した状態からMAXまで上げる瞬発系のトレーニングは、つながる部分があると思う。こういったことが2025年のピッチングにもいい影響を及ぼすんだろうなと僕は勝手に思っています」 2025年、大谷はどんな姿を見せるのか。 五十嵐:「投げるボールや投げ方、球種の割合によって、大谷選手がどういった考え方でリハビリをしてきたが見えてくるはずなので、すごく楽しみですよね。あと期待するのは、やっぱり胴上げ投手」 進化を続ける研ぎ澄まされたバッティング。新たな境地を見せた走塁。そして、完全復活を期すピッチング。二刀流の侍が描く物語――その続きはまだ誰も知らない。