磁気テープを再生するにはどうしても磁気ヘッドが必要になりますね。レコードプレーヤーのカートリッジみたいな物で必須です。

で、その磁気ヘッドですが色々な材質が有りますよね。カセットデッキの最終期にはアモルファスのヘッドが最後だったのかな?。まぁアモルファスは材質の名前では無くて、物質の状態を示しているのですが。他にも多々有りますね。
私はど素人なので、詳しい解説は他のもっと博識の方にお任せして、素人目線で見てみようと思います。まぁ全部知ってるよ、と言われるとは思いますが。
ヘッドの材質としてメジャーな物では、ザックリとは次の様な物になると思います、
・パーマロイ
・ハードパーマロイ
・センダスト
・フェライト
・アモルファス(敢えて材質として区別)
色々メンテしていて思うのは、当然の如く、減らないヘッド・摩耗が少ないヘッドは、やはり特性を出しやすい=良い音に導きやすい、と言う事です。
となると硬さや耐摩耗性から言ってフェライトがダントツですが、フェライトは摺動ノイズが大きかったり、レベル耐性が他のヘッドより低いなど難が有る、と言うのが一般的な評価ですよね。
摺動ノイズについては、リサージュを取ったり自己録再で良いので15kHz位の信号をオシロスコープで見てみるとよく分かります。本当はFFTでC/Nでも見たほうが分かりやすいんでしょうが。
アモルファスもセンダストに比して硬いから摩耗の心配無し、と言われていますが、私は摩耗した個体を複数台見た事があります。使用頻度が高かったのかも知れませんがTEACのV-8000SとV-7000でした。
あと、私の所有しているTASCAMの業務用カセットデッキ122Mk3もコバルトアモルファスの録再独立ディスクリートヘッドなんですが、製造時か?前ユーザーのメンテ時か?再生ヘッドのアオリ調整が詰め切れていなかった様でL-CH側にやや偏摩耗していました。
TEACにオーバーホールついでに交換を依頼したら、ヘッドは摩耗していないので交換の必要無し、と断られた事が有ります。
そのまま2年近く我慢して使って、L-CHの高域レベルが結構変動していてキャリブレーションがやり難いし、L-CHはF特がカタログスペックを割っているから交換してください、とこちらからリクエストして交換をお願いしたら交換してくれました。
メーカーの仕事にケチを付ける訳ではありませんが、ヘッドのアオリがどうなっているか心配です。まだTHG-801でチェックしていないので、そのままになってます=全然使ってない。( ̄▽ ̄;)
以前、オープンデッキですがTEACとAKAIのサービスにヘッドの寿命について質問した事があります。
TEACは自信を持って"1000時間"とキッパリ言い切りました。
材質はパーマロイだそうです。まぁハードパーマロイだと思いますが、毎日3時間も使えば一年で寿命だ!、と驚いて、思わずサービスの方に"毎日使ったら一年も持たないじゃないですか!"と言った記憶が有ります。
サービスの方は「そんなのは当たり前で、使えば減って当然で、ダメになったら交換すれは良いんですよ。」と言ってましたね。
当時はオープンデッキと言えども交換ヘッドは潤沢にありましたから、それで良かったのでしょうが、今現在では、この思考ではデッキの維持が少々難しいと思います。材質による音質の違いは全く話に出ませんでした。
対するAKAIはと言うとオープンデッキ用のGXヘッドの"最低保証は10000時間"と言い切りました。
"最低"保証時間ですよ?。使い方にもよると思いますが、実際はもっと長時間使えると思います。
GXヘッドの耐摩耗性には相当自信があるらしく「喫茶店などでかなりハードに使っている所も有りますが、ヘッド摩耗でクレームが入った事は無いし、私も摩耗でヘッドを交換修理した事は有りません。このサービス拠点にも摩耗交換でデッキが入った事は無いですね。」とキッパリ言っていました。
ヘッド交換が必要になる時は、もうデッキ自体が寿命で買い替えどきですよ。とも言ってましたね。
ナカミチはクリスタロイ(ハードパーマロイ)ですが、パッドリフターでパッド圧をキャンセルしているのが寿命にかなり影響していると思います。
他メーカーの方でお話しを伺った事があるのですが、「ナカミチのデッキはループ内テンションがキツ目なので、パッドリフターが無ければヘッドは多分1000時間持たないんじゃないかな?」と言ってました。
なら、御社でもパッドリフターをなぜ採用しないのか?、とも聞きましたが、やはりコストがネックでパッドリフターは意外とコストが掛かるらしく「製造も一手間増えるし、ヘッドにテープガイドを付けられ無くなるので、(AKAIの様に)別建てでテープガイドを設ける必要があるし、そのためテープパス調整でも手間が増えて、ナカミチの様に全数調整するわけにもいかないし、それに基本ループ内テンションだけでヘッドタッチを確保しなければならなくなるので、必然的にデュアルキャプスタンになるからメカ設計にも手間がかかって、民生用が主のカセットデッキには使えない」と言ってましたね。
SONYのTC-KA7ESでパッドリフター擬きを採用しましたが、あれはナカミチとは違い金属製では無く、リフターと言うか接着剤の様な樹脂を塗布してテープパス以外の所を盛り上げて、パッドのみ多少持ち上げて圧をキャンセル(低く)する代物で、リフト量も少なくて当時から効果は疑問視されてました。
あれはリフター、と言うかパッド圧を全てキャンセルするのでは無くで、パッド圧を下げて変調ノイズを減らす対策だったんじゃないかなぁ。
ちなみに、カセットテープのパッドって意外と圧力が強いみたいで、普通のヘッドでもあれが無いだけで結構寿命が延びるらしく、お話しを伺ったメーカーサービスの方は「消去ヘッドにもセンダストを採用しているカセットデッキで、録再ヘッドが摩耗しているのに消去ヘッドが同様に摩耗しているデッキは見た事がない。」と言ってました。
シングルキャプスタン機はバックテンションが弱い機種が多いので、テープテンションも関係しているんでしょうが消去ヘッド側にはカセットハーフ側にパッドが無いためだそうです。ホントかな?。
まぁ私もAIWAのラジカセCS-90Xの録再ヘッドがすり減ったので、消去ヘッドともども交換を依頼したら「消去ヘッドはカセットテープ側にパッドも付いてないので、圧も弱くまず減らないから交換する必要は無いですよ。」と強く言われた事があります。秋葉原のサービス窓口だったな。
まぁパーマロイが一番音が良い感じに私の駄耳にも聞こえますし、ハードパーマロイ(クリスタロイ)を使い続けたナカミチは、かなり良い音を出しますよね。
ですが、フェライトもそう捨てた物では無いと思いますよ。
高性能カセットデッキを作っていたメーカーで、最後までフェライトヘッドを使い続けたのはAKAI/A&Dと日立Lo-Dですが、特にAKAI/A&Dはオーディオ撤退まで諦めずに開発を続けていたので、フェライトヘッドの欠点をかなり克服した様子で結構レベルの高い音を出します。
最終機のGX-Z9100EVに至っては、ついに録再独立のディスクリート型スーパーGXヘッドに進化して、高域特性がメタルテープで23kHzまで行きました。
ノーマルテープでもちょっとBIASを弄るだけで簡単に20kHzをクリアします。録音EQも弄れればモアベターです。
中古で往年の高性能カセットデッキを入手する時は、今は新品のヘッドはTASCAMやTEACなどの一部のメーカーの在庫や、個人収蔵品やオークションなどを除いて基本的に手に入らないので、いかにヘッドの状態が良いカセットデッキを入手するか?が、今後の動体維持のカギだと思います。
となると、フェライトヘッド搭載機がかなり有利になりますよね?
私個人の少ない経験で見た限りでは、フェライトヘッド搭載機で、特性に影響を及ぼす様なヘッド摩耗が有ったのは皆無です。
まぁ擦過痕みたいな感じで摩耗、と言うのかな?、テープが走った痕跡みたいな跡が残っていたデッキは見たことが有りますが、それでも簡単に20kHzはクリアしてしまいます。
フェライトは粉末?結晶?を焼き固めて作りますから金属では無いですが、AKAI/A&Dのフェライトヘッドは、フェライトを溶融させて単結晶化した単結晶フェライトヘッドを完成させて、更に開発を進めてスーパーGXヘッドに進化しました。
フェライト以外の金属ヘッドの方が音が良い、と言うのは私も同感です。ですが、摩耗した金属ヘッド機の音質がフェライトヘッド機を上回る事は無いと思いますが、いかがでしょうか?

これはLo-D D-99のコンビネーションヘッド。録再両コア共にフェライトで、表面はチタン溶射加工されています。流石にフェライトで摩耗の兆候もありません。
ちなみに、阿部美春先生著の書籍「カセットデッキ」によると、やはりフェライトが段違いに耐摩耗性が良くてダントツぶっち切りです。次いでセンダスト、硬質パーマロイと続きます。

なお、「カセットデッキ」が刊行された頃は、まだアモルファス材を使用したカセットデッキ用の磁気ヘッドは無かったようですね。
今メンテしているLo-D D-2200MBの売りの一つはヒタセンライトヘッドです。録音がセンダストで再生がフェライト。再生ヘッドはフェライトですから基本摩耗知らずなんですが問題は録音側で、製造から既に40年近く経っていますから普通に使われていた物ならまず間違いなく摩耗しています。

こちらはLo-D D-2200MBのヒタセンライトコンビネーションヘッド。左側が録音ヘッドでセンダストコア、右側は再生ヘッドでフェライトコア。表面はやはりチタン溶射加工されています。左側のセンダストコアの上端に影が出ています。この影はコアに摩耗がなければ発生しない物です。
表面が硬いチタンの溶射加工されていますから、硬いチタンに囲まれた"軟らかい"センダストのコア部分だけ掘った様に減るので、摩耗に伴うヘッドタッチの悪化度合いが大きく余計に始末が悪い。カセットハーフ側にパッドが無いか?パッドリフターでもあれは多少は違ったのかも知れませんが。
なお、再生のフェライト側はそんな事にはなりません。
摩耗の程度が少なければ取り敢えずなんとかなりますが、そうでなければヘッドタッチ悪化と高域レベル低下、BIAS適正値設定困難(困難と言うかBIASの可変幅:最適範囲がかなり狭くなる)の発生は、程度の差こそあれ逃れられません。
チタンだから、そんな硬い材質は紙ヤスリ程度しか持っていない普通の人には磨く事も出来ないので、対処はヘッド交換しか手が有りません。
でも新品ヘッドはもう無いので基本諦めるしかない。これが録再両方がフェライトだったら音質云々は置いといて楽だったのになぁ、と思いますよ。
TEAC初期の3ヘッドデッキCシリーズもフェライトのコンビネーションヘッドですが、こちらも摩耗したヘッドは見た事が有りませんね。ジャンク機などでトランスポート部が埃だらけでも、ヘッド表面を拭うと綺麗なヘッド表面が顔を出します。
スーパーGXヘッドは表面がガラスだからヒビ割れる、などの話も聞いた事がありますが、以前秋葉原の家電量販店のオーディオコーナーで働いていた友人曰く「あれは、お客さんがラフにカセットデッキにテープを放り込む、放り込むと言うか投げ込む人がいて、カセットハーフがちゃんとガイドに入らずにガボっとデッキに入っちゃって、カセットハーフがヘッドを直撃するからなんだよ、あと稀にワザと壊していく奴もいる。普通に使っていればそんな事はまず起きないよ。」と言っていましたね。
金属ヘッドでも、研磨で復活出来ればそれに越した事は無いと思います。
ヘッド研磨に拒否反応を示す方も居ますが、特性が悪化していてそのままでは修理も出来ずジャンクなのに、過去に一度もヘッド研磨をした事が無い個体で研磨で復活する可能性があれば、試した方が良いと思いますがいかがでしょうか?。
放っておいてもヘッドは元には戻らないし、そのままだとジャンクのままだし、高域が落ちた音を"あー良い音だなぁ"とか無理やり自分を納得させて我慢して聴いていられますか?、私には無理です。まぁヘッド研磨2度目は厳しいらしいですが。
どこかで見たのですが、カセットデッキの音質はヘッドでは無くて回路で決まるそうですね?。まぁヘッド材質による音のキャラクターや、高域補償値の変更とかレベルやEQ回路の最適化など色々有るんでしょうが、フェライトヘッドでもナカミチのデッキに搭載すれは基本ナカミチの音。
要するに異なるメーカー間でヘッドをスワップしても、ヘッドの音では無くてデッキ本体の音になるそうです。
たまに目にしますよね?、特にサンキョーメカを搭載したデッキ間で目にしますね。メカの製造メーカーが同じだから、ヘッドの取り付け部が同じなのかな?
なんだかまとまりが無くなって来ましたが、要は、今の時代フェライトヘッドも悪くない、むしろ交換ヘッドが無い現在ではフェライトヘッドの方が有利では?と言う事なんです。
まぁ金属ヘッド機で交換するヘッドが有れば、そちらの方が断然良いとは思いますよ、音も多分そっちの方が良いと思うし。
交換ヘッドが有れば......ね。どこかにナカミチのヘッド転がって無いかなぁ。
余談ですが、ヘッドが摩耗してギャップが広がった時がヘッドの寿命ですよね。
以前、AIWAの高性能ラジカセCS-90Xを所有していた時に、ギャップが広がってヘッドが寿命を迎えた瞬間?を体験したことがあります。
CS-90XはドルビーB搭載で、ラジカセにしては珍しく15kHz位まで高域特性が伸びているなかなか性能が良いラジカセです。そのラジカセが昨日まで普通に良い音でカセットテープが使えていたのに、翌日聴いてみると、最初は良かったのに、小一時間で高域が落ちてきて、最後は音質が良いAMラジオみたいな音になったことがありました。
ヘッド消磁してもクリーニングしてもダメでメーカーに聞いてみたら、ヘッドが寿命なので交換が必要、と言われました。
当時はまだ若かったwので耳は正常なはずですし、ヘッドのことなんて詳しくは知りませんでしたので、摩耗が進んでヘッドタッチが悪化した可能性も有りましたが、今にして思えば、たぶんアレがヘッドギャップが開いた瞬間なんでしょうね。
あんな体験は、後にも先にもあれ一回きりです。
で、その磁気ヘッドですが色々な材質が有りますよね。カセットデッキの最終期にはアモルファスのヘッドが最後だったのかな?。まぁアモルファスは材質の名前では無くて、物質の状態を示しているのですが。他にも多々有りますね。
私はど素人なので、詳しい解説は他のもっと博識の方にお任せして、素人目線で見てみようと思います。まぁ全部知ってるよ、と言われるとは思いますが。
ヘッドの材質としてメジャーな物では、ザックリとは次の様な物になると思います、
・パーマロイ
・ハードパーマロイ
・センダスト
・フェライト
・アモルファス(敢えて材質として区別)
色々メンテしていて思うのは、当然の如く、減らないヘッド・摩耗が少ないヘッドは、やはり特性を出しやすい=良い音に導きやすい、と言う事です。
となると硬さや耐摩耗性から言ってフェライトがダントツですが、フェライトは摺動ノイズが大きかったり、レベル耐性が他のヘッドより低いなど難が有る、と言うのが一般的な評価ですよね。
摺動ノイズについては、リサージュを取ったり自己録再で良いので15kHz位の信号をオシロスコープで見てみるとよく分かります。本当はFFTでC/Nでも見たほうが分かりやすいんでしょうが。
アモルファスもセンダストに比して硬いから摩耗の心配無し、と言われていますが、私は摩耗した個体を複数台見た事があります。使用頻度が高かったのかも知れませんがTEACのV-8000SとV-7000でした。
あと、私の所有しているTASCAMの業務用カセットデッキ122Mk3もコバルトアモルファスの録再独立ディスクリートヘッドなんですが、製造時か?前ユーザーのメンテ時か?再生ヘッドのアオリ調整が詰め切れていなかった様でL-CH側にやや偏摩耗していました。
TEACにオーバーホールついでに交換を依頼したら、ヘッドは摩耗していないので交換の必要無し、と断られた事が有ります。
そのまま2年近く我慢して使って、L-CHの高域レベルが結構変動していてキャリブレーションがやり難いし、L-CHはF特がカタログスペックを割っているから交換してください、とこちらからリクエストして交換をお願いしたら交換してくれました。
メーカーの仕事にケチを付ける訳ではありませんが、ヘッドのアオリがどうなっているか心配です。まだTHG-801でチェックしていないので、そのままになってます=全然使ってない。( ̄▽ ̄;)
以前、オープンデッキですがTEACとAKAIのサービスにヘッドの寿命について質問した事があります。
TEACは自信を持って"1000時間"とキッパリ言い切りました。
材質はパーマロイだそうです。まぁハードパーマロイだと思いますが、毎日3時間も使えば一年で寿命だ!、と驚いて、思わずサービスの方に"毎日使ったら一年も持たないじゃないですか!"と言った記憶が有ります。
サービスの方は「そんなのは当たり前で、使えば減って当然で、ダメになったら交換すれは良いんですよ。」と言ってましたね。
当時はオープンデッキと言えども交換ヘッドは潤沢にありましたから、それで良かったのでしょうが、今現在では、この思考ではデッキの維持が少々難しいと思います。材質による音質の違いは全く話に出ませんでした。
対するAKAIはと言うとオープンデッキ用のGXヘッドの"最低保証は10000時間"と言い切りました。
"最低"保証時間ですよ?。使い方にもよると思いますが、実際はもっと長時間使えると思います。
GXヘッドの耐摩耗性には相当自信があるらしく「喫茶店などでかなりハードに使っている所も有りますが、ヘッド摩耗でクレームが入った事は無いし、私も摩耗でヘッドを交換修理した事は有りません。このサービス拠点にも摩耗交換でデッキが入った事は無いですね。」とキッパリ言っていました。
ヘッド交換が必要になる時は、もうデッキ自体が寿命で買い替えどきですよ。とも言ってましたね。
ナカミチはクリスタロイ(ハードパーマロイ)ですが、パッドリフターでパッド圧をキャンセルしているのが寿命にかなり影響していると思います。
他メーカーの方でお話しを伺った事があるのですが、「ナカミチのデッキはループ内テンションがキツ目なので、パッドリフターが無ければヘッドは多分1000時間持たないんじゃないかな?」と言ってました。
なら、御社でもパッドリフターをなぜ採用しないのか?、とも聞きましたが、やはりコストがネックでパッドリフターは意外とコストが掛かるらしく「製造も一手間増えるし、ヘッドにテープガイドを付けられ無くなるので、(AKAIの様に)別建てでテープガイドを設ける必要があるし、そのためテープパス調整でも手間が増えて、ナカミチの様に全数調整するわけにもいかないし、それに基本ループ内テンションだけでヘッドタッチを確保しなければならなくなるので、必然的にデュアルキャプスタンになるからメカ設計にも手間がかかって、民生用が主のカセットデッキには使えない」と言ってましたね。
SONYのTC-KA7ESでパッドリフター擬きを採用しましたが、あれはナカミチとは違い金属製では無く、リフターと言うか接着剤の様な樹脂を塗布してテープパス以外の所を盛り上げて、パッドのみ多少持ち上げて圧をキャンセル(低く)する代物で、リフト量も少なくて当時から効果は疑問視されてました。
あれはリフター、と言うかパッド圧を全てキャンセルするのでは無くで、パッド圧を下げて変調ノイズを減らす対策だったんじゃないかなぁ。
ちなみに、カセットテープのパッドって意外と圧力が強いみたいで、普通のヘッドでもあれが無いだけで結構寿命が延びるらしく、お話しを伺ったメーカーサービスの方は「消去ヘッドにもセンダストを採用しているカセットデッキで、録再ヘッドが摩耗しているのに消去ヘッドが同様に摩耗しているデッキは見た事がない。」と言ってました。
シングルキャプスタン機はバックテンションが弱い機種が多いので、テープテンションも関係しているんでしょうが消去ヘッド側にはカセットハーフ側にパッドが無いためだそうです。ホントかな?。
まぁ私もAIWAのラジカセCS-90Xの録再ヘッドがすり減ったので、消去ヘッドともども交換を依頼したら「消去ヘッドはカセットテープ側にパッドも付いてないので、圧も弱くまず減らないから交換する必要は無いですよ。」と強く言われた事があります。秋葉原のサービス窓口だったな。
まぁパーマロイが一番音が良い感じに私の駄耳にも聞こえますし、ハードパーマロイ(クリスタロイ)を使い続けたナカミチは、かなり良い音を出しますよね。
ですが、フェライトもそう捨てた物では無いと思いますよ。
高性能カセットデッキを作っていたメーカーで、最後までフェライトヘッドを使い続けたのはAKAI/A&Dと日立Lo-Dですが、特にAKAI/A&Dはオーディオ撤退まで諦めずに開発を続けていたので、フェライトヘッドの欠点をかなり克服した様子で結構レベルの高い音を出します。
最終機のGX-Z9100EVに至っては、ついに録再独立のディスクリート型スーパーGXヘッドに進化して、高域特性がメタルテープで23kHzまで行きました。
ノーマルテープでもちょっとBIASを弄るだけで簡単に20kHzをクリアします。録音EQも弄れればモアベターです。
中古で往年の高性能カセットデッキを入手する時は、今は新品のヘッドはTASCAMやTEACなどの一部のメーカーの在庫や、個人収蔵品やオークションなどを除いて基本的に手に入らないので、いかにヘッドの状態が良いカセットデッキを入手するか?が、今後の動体維持のカギだと思います。
となると、フェライトヘッド搭載機がかなり有利になりますよね?
私個人の少ない経験で見た限りでは、フェライトヘッド搭載機で、特性に影響を及ぼす様なヘッド摩耗が有ったのは皆無です。
まぁ擦過痕みたいな感じで摩耗、と言うのかな?、テープが走った痕跡みたいな跡が残っていたデッキは見たことが有りますが、それでも簡単に20kHzはクリアしてしまいます。
フェライトは粉末?結晶?を焼き固めて作りますから金属では無いですが、AKAI/A&Dのフェライトヘッドは、フェライトを溶融させて単結晶化した単結晶フェライトヘッドを完成させて、更に開発を進めてスーパーGXヘッドに進化しました。
フェライト以外の金属ヘッドの方が音が良い、と言うのは私も同感です。ですが、摩耗した金属ヘッド機の音質がフェライトヘッド機を上回る事は無いと思いますが、いかがでしょうか?
これはLo-D D-99のコンビネーションヘッド。録再両コア共にフェライトで、表面はチタン溶射加工されています。流石にフェライトで摩耗の兆候もありません。
ちなみに、阿部美春先生著の書籍「カセットデッキ」によると、やはりフェライトが段違いに耐摩耗性が良くてダントツぶっち切りです。次いでセンダスト、硬質パーマロイと続きます。
なお、「カセットデッキ」が刊行された頃は、まだアモルファス材を使用したカセットデッキ用の磁気ヘッドは無かったようですね。
今メンテしているLo-D D-2200MBの売りの一つはヒタセンライトヘッドです。録音がセンダストで再生がフェライト。再生ヘッドはフェライトですから基本摩耗知らずなんですが問題は録音側で、製造から既に40年近く経っていますから普通に使われていた物ならまず間違いなく摩耗しています。
こちらはLo-D D-2200MBのヒタセンライトコンビネーションヘッド。左側が録音ヘッドでセンダストコア、右側は再生ヘッドでフェライトコア。表面はやはりチタン溶射加工されています。左側のセンダストコアの上端に影が出ています。この影はコアに摩耗がなければ発生しない物です。
表面が硬いチタンの溶射加工されていますから、硬いチタンに囲まれた"軟らかい"センダストのコア部分だけ掘った様に減るので、摩耗に伴うヘッドタッチの悪化度合いが大きく余計に始末が悪い。カセットハーフ側にパッドが無いか?パッドリフターでもあれは多少は違ったのかも知れませんが。
なお、再生のフェライト側はそんな事にはなりません。
摩耗の程度が少なければ取り敢えずなんとかなりますが、そうでなければヘッドタッチ悪化と高域レベル低下、BIAS適正値設定困難(困難と言うかBIASの可変幅:最適範囲がかなり狭くなる)の発生は、程度の差こそあれ逃れられません。
チタンだから、そんな硬い材質は紙ヤスリ程度しか持っていない普通の人には磨く事も出来ないので、対処はヘッド交換しか手が有りません。
でも新品ヘッドはもう無いので基本諦めるしかない。これが録再両方がフェライトだったら音質云々は置いといて楽だったのになぁ、と思いますよ。
TEAC初期の3ヘッドデッキCシリーズもフェライトのコンビネーションヘッドですが、こちらも摩耗したヘッドは見た事が有りませんね。ジャンク機などでトランスポート部が埃だらけでも、ヘッド表面を拭うと綺麗なヘッド表面が顔を出します。
スーパーGXヘッドは表面がガラスだからヒビ割れる、などの話も聞いた事がありますが、以前秋葉原の家電量販店のオーディオコーナーで働いていた友人曰く「あれは、お客さんがラフにカセットデッキにテープを放り込む、放り込むと言うか投げ込む人がいて、カセットハーフがちゃんとガイドに入らずにガボっとデッキに入っちゃって、カセットハーフがヘッドを直撃するからなんだよ、あと稀にワザと壊していく奴もいる。普通に使っていればそんな事はまず起きないよ。」と言っていましたね。
金属ヘッドでも、研磨で復活出来ればそれに越した事は無いと思います。
ヘッド研磨に拒否反応を示す方も居ますが、特性が悪化していてそのままでは修理も出来ずジャンクなのに、過去に一度もヘッド研磨をした事が無い個体で研磨で復活する可能性があれば、試した方が良いと思いますがいかがでしょうか?。
放っておいてもヘッドは元には戻らないし、そのままだとジャンクのままだし、高域が落ちた音を"あー良い音だなぁ"とか無理やり自分を納得させて我慢して聴いていられますか?、私には無理です。まぁヘッド研磨2度目は厳しいらしいですが。
どこかで見たのですが、カセットデッキの音質はヘッドでは無くて回路で決まるそうですね?。まぁヘッド材質による音のキャラクターや、高域補償値の変更とかレベルやEQ回路の最適化など色々有るんでしょうが、フェライトヘッドでもナカミチのデッキに搭載すれは基本ナカミチの音。
要するに異なるメーカー間でヘッドをスワップしても、ヘッドの音では無くてデッキ本体の音になるそうです。
たまに目にしますよね?、特にサンキョーメカを搭載したデッキ間で目にしますね。メカの製造メーカーが同じだから、ヘッドの取り付け部が同じなのかな?
なんだかまとまりが無くなって来ましたが、要は、今の時代フェライトヘッドも悪くない、むしろ交換ヘッドが無い現在ではフェライトヘッドの方が有利では?と言う事なんです。
まぁ金属ヘッド機で交換するヘッドが有れば、そちらの方が断然良いとは思いますよ、音も多分そっちの方が良いと思うし。
交換ヘッドが有れば......ね。どこかにナカミチのヘッド転がって無いかなぁ。
余談ですが、ヘッドが摩耗してギャップが広がった時がヘッドの寿命ですよね。
以前、AIWAの高性能ラジカセCS-90Xを所有していた時に、ギャップが広がってヘッドが寿命を迎えた瞬間?を体験したことがあります。
CS-90XはドルビーB搭載で、ラジカセにしては珍しく15kHz位まで高域特性が伸びているなかなか性能が良いラジカセです。そのラジカセが昨日まで普通に良い音でカセットテープが使えていたのに、翌日聴いてみると、最初は良かったのに、小一時間で高域が落ちてきて、最後は音質が良いAMラジオみたいな音になったことがありました。
ヘッド消磁してもクリーニングしてもダメでメーカーに聞いてみたら、ヘッドが寿命なので交換が必要、と言われました。
当時はまだ若かったwので耳は正常なはずですし、ヘッドのことなんて詳しくは知りませんでしたので、摩耗が進んでヘッドタッチが悪化した可能性も有りましたが、今にして思えば、たぶんアレがヘッドギャップが開いた瞬間なんでしょうね。
あんな体験は、後にも先にもあれ一回きりです。
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