表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

どんな敵でも一振りで倒すことができる最強の剣を手に入れた平凡な村人、美少女パーティーとともに無双する!チート、ハーレム、俺TUEEE!

作者: 背骨

 おいらはピム。これといって特徴のないただの村人さ。年は15歳で職業は羊飼い。父ちゃんと一緒に羊の世話をしているんだ。


 羊たちの小屋の掃除をしていると「おいピム」と父ちゃんが言った。

「なんだい父ちゃん」

「屋根が雨漏りしてるんだ。修理してくれないか」

「わかったよ」


 おいらは修理の道具を取りに倉庫に入った。かなづちやのこぎりや釘を持ち、倉庫から出ようとしたとき、古めかしい剣が無造作に置いてあるのを発見した。

「あ、剣だ。かっこいいなあ」

 おいらはその剣を抜いてみた。ずいぶん古いものであるにもかかわらず、刃はしっかりしていた。

 この剣でモンスター討伐とかやってみたいなあ。おいらはもともと冒険者にあこがれていたんだ。けど武術の才能がからっきしだったから、断念して羊飼いをしている。


「とうちゃん、この剣はどうしたの?」とおいらは父ちゃんに剣のことを尋ねた。

「ああ、その剣は冒険者との賭けポーカーで勝ってもらったものだ。売り飛ばしたってどうせ二束三文だから倉庫に放り込んどいたんだ」

「この剣、おいらにくれないか?」

「いいけど何に使うんだ?」

「別に何に使うってこともないけど、なんだか気に入ったんだ」

「人を斬ったりするなよ」

「そんなことしないってば」


 屋根の修理をした後で剣を腰に差してみた。なんだか自分が冒険者になったみたいな気がしてうれしかった。

 そのまま近所を散歩する。

 すると幼馴染の女子エリザベスと道であった。

「あ、ピムさん」とエリザベスは言った。

「やあエリザベスちゃん」

「あら? あなた剣を差してるのね。どうしたの?」

「これは父ちゃんからもらったんだ。かっこいいだろ?」

「剣なんて野蛮だわ。ピムさんらしくないわよ」

「男っていうのは、時には戦わなくてはいけない時がある。大切な人を守るためにね。そんな時のために剣の腕を磨こうと思ってるんだ」

「なにがあっても話し合いで解決するべきよ」

 そんな会話をしていると、草むらからウルフが現れた。これはオオカミのモンスターだ。

「や、ウルフだ!」

「きゃあ! ピムさん怖い!」

「だ、大丈夫だ。エリザベスちゃんはおいらが守る!」

 おいらは腰の剣を抜いてウルフと向かい合った。

 がるるると唸り声をあげるウルフ。おいらは恐怖でガクガクと膝が震えた。全然勝てる気がしない。毎年このモンスターに殺される村人が後を絶たないのだ。だがエリザベスちゃんを守るためにはおいらがこいつを倒さなくてはいけない。


「ええい、ままよ!」

 おいらは目を閉じたままで剣を振った。

 ズバッ!

「すごいわピムさん」

「え?」

 おいらは目を開けた。そこには縦に真っ二つになったウルフが倒れていた。

「これ、おいらがやったの?」

「そうよ、ピムさんってこんなに強かったのね。すてき」

 エリザベスちゃんがおいらのほっぺにキスしてくれた。瞬間的に顔真っ赤になってしまった。

「おいらって実は剣の才能があるのかな?」

「お礼がしたいからうちに来てくださる?」


 この日、おいらは童貞を卒業したのである。


×××


 エリザベスちゃんの家からの帰り道を歩きながら、おいらはしげしげと剣を眺めた。

 それにしてもこれはすごい剣だなあ。やけくそで振っただけなのにウルフがきれいに真っ二つになるなんて。

 おいらはもう一度剣を使ってみたくなった。さっきウルフを倒したのはまぐれだったのかどうかを確かめたくなったのだ。


 立ち止まって、何か斬るものはないかとあたりをきょろきょろすると、木があった。

 よし、この木を斬ってみよう。

「えいっ!」

 剣を真横に振ると、一抱えほどもある木がいとも簡単に、ほとんど何の手ごたえもないままに切れて倒れた。

「す、すごい! この剣は本物だ。おいらはとんでもない剣を手に入れてしまったぞ」

 剣のすごさに驚いていると、

「こらあ! 誰だ勝手にうちの木を切ったやつは!」と怒鳴り声がした。

 それは近所でも有名なカミナリオヤジだった。このおっさんはちょっとしたことですぐ逆上して、怒り狂い、ひどいときには人を殺めることさえあるという常軌を逸した変人なのだ。

「ヤバイ! カミナリオヤジの家の木を斬ってしまった!」

 逃げようとしたが時すでに遅し、カミナリオヤジは電光石火でおいらの前に立ちふさがった。

「お前か、木を切ったのは?!」

「はい、そうです。ごめんなさい」

「ごめんで済んだら警察いらんわい」

「弁償するから許して」

「この木はわしの宝物だったんじゃ。お金で解決できる問題じゃない。指の一本や二本詰めてもらわんと気が済まん」

 カミナリオヤジはおいらの腕をつかもうとしてきた。おいらはとっさにその手を振りほどいた。するとカミナリオヤジが胴体から真っ二つになってぶっ倒れた。完全に上半身と下半身が切り離されて、内臓が飛び出している。おいらが手に剣を持ったままの状態で振りほどいたから斬ってしまったのだ。

「あっ、しまった! カミナリオヤジを殺しちゃった! どうしよう」

 あたりを見回したが誰も目撃者はいないみたいだった。おいらは死体を隠ぺいした。

「ふう、ここに隠しておけばばれないだろう。それにしてもこの剣はすごいなあ。この剣があればおいらでも冒険者になれるんじゃないか?」


×××


 家に帰ったおいらは父ちゃんにそのことを相談してみた。


「おいら冒険者になろうと思うんだ」

「なに? そんなの無理に決まってるだろう。バカも休み休み言えよ。お前は一生羊飼いで終わるんだ」

「父ちゃんのわからずや!」

 おいらは剣を一振り。とうちゃんは物言わぬ屍と化した。

「これは仕方ないことなんだ。おいらの可能性をつぶそうとした父ちゃんが悪いんだ」

 とうちゃんの死体も隠ぺいした。


 次のおいらは冒険者ギルドへおもむいた。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ」

「おいら、冒険者になりたくて来たんだ」

「ではこの用紙に記入してください」

「書けたよ」

「これであなたは冒険者です。モンスターを討伐するとお金が支払われます。強いモンスターであればあるほどその金額は大きくなります」

「わかった。おいら頑張るよ」


 するとギルドでお酒を飲んでいた筋肉ムキムキの大男がおいらに話しかけてきた。


「おいおい、こんな弱そうなガキが冒険者だと? おまえ、冒険者なめてんのか?」

「おいらはこう見えてめちゃくちゃ強いんだぞ」

「ほう、おもしれえ、俺さまがお前の実力を測ってやるぜ」

「アームストロングさん、冒険者同士の争いごとはご法度ですよ」と受付嬢が口をはさむ。

「争いごとじゃねえ。これは正式な試合だ。試合なら問題はねえだろ?」

「試合ならばお互いの同意が必要です」

「おいガキ、俺の試合の申し込みを受けるだろ?」

「ガキじゃない、おいらはピムだ。その申し込みを受けてたつ!」

「そうこなくっちゃな」

「ピムさん、大丈夫ですか? このアームストロングさんは新人つぶしの異名を持っていて、これまでに血祭りにしてきた新人の数は天文学的数字に上りますよ」

「大丈夫、おいらは決して負けないから」


 おいらとアームストロングは広場で向かい合った。おいらは剣を持ち、アームストロングはとげとげの鉄球が棒の先に付いた武器を両手に持っている。

「おいピム、死ぬ前に言い残しておきたい言葉はないか? 聞いといてやるぜ」

「そのセリフをそっくりそのままお前に返してやる。お前の方こそ辞世の句でも詠めばいいじゃないか」

「ふん、口だけは達者みたいだな。じゃあ始めるぞ」

「望むところだ」


 おいらは剣を一振り。


「はうっ、こ、この俺様が、負ける、なん・・・て・・・がくりっ」

「ピムさんすごいです! 本当にアームストロングを倒すなんて!」と受付嬢がおいらに抱き着いてきた。豊満な胸がおいらの体に押し付けられる。

「む、胸が当たって・・・」

「我々ギルドはアームストロングさんを持て余していたんです。殺してくれてとても助かりました。お礼がしたいのでこちらに来ていただけますか?」

 ベッドのある部屋に案内されたおいらは人生で二回目の経験をしたのだ。


×××


「きみ、あのアームストロングに勝ったそうだな」とおいらはギルドで声をかけられた。ビキニアーマーに身を包み大剣を持った女剣士だ。大きな胸が零れ落ちそうである。

 おいらは目のやり場に困りながら「そうだよ、楽勝だった」

「あいつは頭は悪いが腕は確かな男だった。そのアームストロングに楽勝ってことは、きみのレベルはおそらく70を超えているはずだ。ぜひとも我々のパーティーに入ってともに魔王討伐を目指そうではないか」

 女戦士の背後には魔法使いと聖女が立っている。

 長身でモデル体型の戦士、童顔でかわいい系の魔法使い、清純で真面目そうな感じの聖女。三人とも美少女ぞろいだ。

「あーしたちの仲間になってよ。あーしは魔法使いのマチルダ」

「私は聖女オルガです。ぜひとも私たちのパーティーに入ってください」

 おいらはごくとつばを飲み込んだ。これじゃあまるでハーレムだ。

「うん、わかった。おいら君たちのパーティーに入るよ」

「よろしくな、ピム。あたしは戦士レイチェルだ」

「やったあ! 仲間が増えた!」

「うれしいです。ありがとうございます」


 こうしておいらは美女パーティーに加入した。


「早速魔王城へ向けて出発だあ!」と戦士レイチェルが言った。


×××


 村を出て草原を四人縦一列になって歩いていると、突然あたりが暗くなった。上空から巨大な黒いドラゴンが飛来してきておいらたちの前に着地した。


「吾輩は魔王軍四天王のひとりブラックドラゴンである。魔王様に刃向かうものは吾輩の炎で消し炭にしてくれる」と巨大なドラゴンはおいらたちを睥睨した。

「くっ、こいつは魔王軍幹部のひとりブラックドラゴン! まさかいきなり四天王を送り込んでくるとは!」とレイチェルが驚愕する。

「いままでこいつに消し炭にされて帰らぬ人となった冒険者がごまんといるんだ。あーしたちもうおしまいかも・・・」と魔法使いマチルダが震える。

「私たちの今のレベルでは逆立ちしたって勝てない相手です。なすすべはありません」聖女オルガが絶望する。

「はっはっは、戦意喪失しているみたいだな。せめてもの情けだ。苦しまないように一瞬で殺してやる」

「おいらに任せろ。えいっ!」

 ずばっ!

「ぎゃああああああああ! こ、この吾輩が人間ごときにやぶれるとはああああああ、不覚・・・がくり」

 ブラックドラゴンは息絶えた。

「すごいぞピム! あのブラックドラゴンを一発で屠るとは!」

「まるで夢みたい。今見たことが信じられないよ」

「ピムさん、あなたは我々人類の救世主です」


 その日の夜、おいらたちのテントの中は・・・いや、みなまでいうまい。とにかく忘れられない夜になったとだけ言っておこう。


×××


 次の日、朝起きてテントから出ると、そこには巨大な獣のモンスターベヒモスがいた。


「貴様らか、我らが同胞ブラックドラゴンを倒したのは?」とベヒモスは言った。

「こ、こいつは魔王軍四天王のひとりベヒモスだ!」とレイチェルが叫んだ。

「ぎょええええ! 噂には聞いてたけどこんなに大きいなんて! あーしおしっこちびりそうだよ」とマチルダが叫ぶ。

「終わりです。いくらなんでもこんな怪物に勝てるわけありません。おお神よ!」とオルガが目を閉じる。

「大丈夫、おいらに任せて! やあっ!」

「ぎゃあああああああああ! 魔王様万歳!」


 ベヒモスは、死んだ。


「今回ばかりは生きた気がしなかったが、あのベヒモスを一撃で倒すなんて、お前の強さはそこが知れないぞ」


×××


「あちきは魔王軍四天王のひとり、死の女王の異名を持つネクロマンサーのモリトールだわさ。お前たちをちまつりにしてやるだわさ」

「おいらに任せて、えい」

「ぎゃあああああ! 魔王軍に、栄光あ・・・れ・・・がくり」


×××


「拙者は魔王軍四天王のひとり、ドグ・・・うぎゃあああああ! やられたあああああ!」


×××


 おいらたちは四天王を全員やっつけて魔王城にたどり着いた。

 城に入り、最上階の魔王の部屋までやってきた。


「この扉の向こうに魔王がいる。みんな、覚悟はいいか?」

「ここまで来たらやるっきゃないよね」

「私たちの手で魔王を滅ぼしましょう」

「おいらは準備万端だよ」


 ギギギギと扉を開ける。


「ここまでたどり着くとはなかなかやるな人間どもよ。ほめてやろう。だがお前たちに俺を倒すことはできん。なぜならば・・・」

「やあ!」

「ぎゃあああああああ! こ、この魔王がやられるとはあああああ!」


 魔王は、死んだ。


「やったぞ! あたしたちが魔王を倒したんだ!」

「これで世界が平和になるね」

「ここまで長い道のりでした。すべてピムさんのおかげです」

「おいらも自分がここまでできるとは思ってなかったよ」


 街に帰ったおいらたちは全人類から感謝された。そして世界王になってほしいと頼まれておいらは世界の王になった。全人類の王である。

 幼馴染のエリザベス、ギルドの受付嬢、仲間のレイチェル、マチルダ、オルガの5人が正式においらの妻になった。

 おいらは残りの人生を楽しく過ごした。


ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいねをするにはログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
イチオシレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。

↑ページトップへ