引き算は小学校で学習します。しかし、桁が多くなったり、繰り下がりがあったりすると、暗算で計算するのが難しくなることがありますね。
この記事では、繰り下がりのある引き算を簡単にするテクニックを紹介します。何度か練習すれば、活用できるようになるかもしれませんよ。
問題
次の計算をしなさい。
815−496
「三桁の数−三桁の数」の計算です。
まずは自分自身で正しい答えを出せるか挑戦してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「319」です。
ここでは、次のように工夫して計算をします。
(1)815から500を引く(815−500=315)
(2)315に4を足す(315+4=319)
元の計算は、「496を引く」という計算でしたが、「500を引く」「4を足す」という計算になりました。同じ引き算でも「500」というキリのいい数にしたことで、暗算しやすくなりましたね。そのあとの「4を足す」というのは、本来496を引くところで500を引いているので、引きすぎた4を戻しています。
このように、引く数が100の倍数のようにキリのいい数に近いとき、まずはそのキリのいい数を引いてみましょう。そして、そのあと引きすぎた分を足して調整します。
すると、繰り下がりの計算をせずに、答えを求めることができますね。
数学的な式変形
この計算の工夫は、数学的には次のような式の変形を行なっていることになります。
815−496
=815−(500−4)
=815−500+4
=315+4
=319
まず、「496」を「500−4」にしています。そのあと、カッコを外して「500を引き、4を足す」としました。
カッコを外す前は「−(500−4)」ですが、カッコを外したことによって「−500+4」と符号が変化していることに注意しましょう。
まとめ
計算の工夫のポイントは「キリのいい数」を作ることです。
はじめのうちは難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで暗算できるようになるかもしれませんよ。ぜひ、日常生活でも活用してみてください!
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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