灯火の星 〜The One Story of Ours〜   作:蘭沙

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一章完結編です。この調子だとクイズとかヤバイのですが(白目)


十八話 後の時代の英雄王

 

 

「ピ…ピチュウゥゥーー!」

 

「みんな…!? …あれっ?」

 

 

ロックマンは気づいた。ガレオムの鉄塊が完全に地に着いておらず、前方の方が少し浮き上がっていることに。

 

 

「んぐっ…うっ…くうぅ…」

 

「まるすぅ!」

 

「あっ!」

 

 

彼女達三人の前方に立ち、マルスはファルシオンで、ガレオムの押し潰しを防いでいたのだ。

 

 

「でも、長くは持たない! どうにかしてアイツをどかすぞ!」

 

「OK!」

 

 

見た目はどちらかというと、華奢な方のマルスが普通に考えてガレオムの機重を支えることなど出来ない。可能にしているのは、仲間を傷つけさせまいとする強い意志と土壇場による生存本能だ。だが、そんな物がいつまでも続くものではない。

 

 

「(まずい… 力が…!)早く、横に避けるんだ…!」

 

「でも、マルスは!?」

 

「僕は… いい、はや…くっ!」

 

 

マルスの手から血が引き、震えが止まらなくなる。抜けていく力を重心を前に向けることでカバーしているのが現状だ。

 

『追撃砲』を当て、『アオスケ』を呼び出したりしているが、ガレオムは無視して押しつぶすことを優先している。

 

 

「うぅ… ぐう…!(だめだ…! もう…!)」

 

「あっち行けーー!」

 

「!?」

 

 

なんとインクリングが立ち上がり、『スプラローラー』を振り上げ、鍔迫り合いに参加し始めたのだ。

 

 

「はあああああぁぁぁ…!」

 

「すみません! 遅くなりました!」

 

 

カービィも『ハンマー』で、Wii Fit トレーナーも素手で押し上げようと、参戦した。

 

 

「君たち…」

 

「わかってるんだよ? んっ…! マルスが今までのことみんなあたし達のこと考えて…! くれてたこと。やっぱ…り、復活出来るから結構雑な戦いになっちゃうんだけど…も。」

 

 

押し返しで途切れ途切れになりながらも、えへへ、と笑って伝えるインクリング。

相手のインクを受けて、死んだと思ってもインクリングはリスポーンできる。

野生のポケモンも、トレーナーのポケモンも精々ひんしにする程度しか技を使ってこない。

それがインクリングとピチューの世界。わかっていたのだ。マルスの世界がここまで上手く行くような世界ではないことを。

 

 

「でもさ… これは同じっ…!だよ。マルスがあたし達のこと思ってくれてるように、あたし、達も、マルスのこと考えてるの…! マルスがフィギュアにさせておくのも嫌っていうなら、あたしだって嫌だよ! 例えその相手があたしでもマルスでも!」

 

 

はっ、と啓示が舞い降りてきたかのようだった。王子であるとか関係無しに自分を大切に思ってくれてる仲間がいる。そんなこと、考えもしなかった。でも、ようやくわかった。

 

 

「ああ… そういうことか…」

 

 

危機的状況なのに、無意識に笑みがこぼれた。今までの苦悩が嘘のように、戦況が頭に入ってくる。誰かがこちらへ駆けてくる足音がする。ガレオムに向かっている。この心地よい足音はブーツ。見なくともわかる。マリオだ。

 

 

「離れろー!」

 

 

マリオが拳でガレオムに飛びかかる。その後ろでは、パックマンがベルを投げた。ガレオムに当たり、痺れたところにパンチがヒットし、少し機体が傾く。

 

 

「抜けるよっ!」

 

 

傾いた方向にタイミングを合わせて、力を込める。大きくぐらついた隙を見計らって、四人は離脱に成功。他ファイターと合流する。

 

 

「ピチュッ!」

 

「ゴメンね、心配かけちゃった!」

 

「肝を冷やしたぞ…」

 

「マルス。顔つきが前のに戻っているな。」

 

「そうかい? ありがとう。さて…」

 

 

ガレオムの様子を見る。即座に体勢を立て直し、迎え討とうというのか。

 

 

「(前は、前にリュカとレッドがとどめを刺した時…)」

 

 

リュカのPSIを受けて、道連れにしようとしたガレオムのアームを壊した筈。自分達とリュカ達との戦いで消耗していたとはいえ、『PKサンダー』の一発で腕部分を破壊した。

 

 

「(機械だし容量を超える電撃には耐えられないのかもしれない。ただ、ピチューの『でんげき』や、パックマンのベルが効いた様子はなかった。)」

 

 

ベルの大きさとガレオムの大きさを考えるに、効いていないのが普通なのかもしれない。あの時とは違い、ガレオムがそこまで疲弊していないのも一つの理由なのかもしれない。

 

 

「電気か…」

 

「マルス?」

 

「マリオ、電気の攻撃を使えるDr.マリオに変身してくれないか?」

 

「んー? 構わないけど、何するの?」

 

「…任せてみよう。」

 

 

マリオは白衣を纏ったDr.マリオに姿を変えた。これで電気を使用できるのは、マリオ、ピチュー、ロックマン。それにパックマンの『フルーツターゲット』のベルとオリマーの黄ピクミンに、ピチューをコピーしたカービィだが、先程ピチューの『でんげき』は大して効かなかったことから見て、今のガレオムに致命的なダメージを与えるには、かなり強い電撃を浴びせないと駄目かもしれない。となるとカービィは電撃班に回す意味はない。

 

 

「パックマンはさっきのベルをもう一度仕込んでくれ! パックマン、マリオ、ピチュー、ロックマン、オリマーは時が来たら一気に強力な電撃を浴びせるんだ!」

 

「電撃…!? 黄ピクミンか!」

 

「ああ、他は彼らの援護! 電気をくらわせる為に動くんだ!」

 

「了解だ。」

 

「はいよー!」

 

 

全員が散らばる。電撃班はガレオムの遠くに位置し、他は様子を見ながらヒットアンドアウェイを繰り返していた。

パックマンは『フルーツターゲット』の切り替えを行う。その前方で、マルスは戦況を把握していた。辺りを見渡し戦略を練る。

 

 

「(Dr.マリオの時は… 色々持ってていつもより遅い。ピチューはかなり素早くて、ロックマンが普通というところか? オリマーはピクミンを掴む時間があるから、それも考えなければ…)」

 

 

『ヘディング』のボールが機体に当たるが、その本機は気にしてすらいない。

 

 

「あんまり効いてないよー!」

 

「構いません! 私達は気を惹き続けるのです!」

 

「気を惹くっていうならこれだな!」

 

「電撃班! 名前を呼ばれたらガレオムに向かってダッシュだ!」

 

 

軌道が操作可能な『リモコンミサイル』を相手の視線近くに動かす。ガレオムの視線は誰から見てもわかる程にミサイルに釘付けになっている。わかる。今まで見えていなかったものが、乾いた砂が飢えて、水分を取るかのように、戦況という知識がマルスの頭の中に入ってくる。

 

 

「マリオ! オリマー!」

 

「OK!」「ああ!」

 

 

マリオは右手に電撃を、オリマーは黄ピクミンを握る。ガレオムはミサイルに対してパンチを振るが小さなミサイルには当たらない。

 

 

「ロックマン! ピチュー!」

 

「うん!」 「ピチュッ!」

 

 

アームを変化させ、バチバチと電流を迸る。ガレオムはそこで近づく三人に気づいたが、インクリングの『スプラッシュボム』が当たり、視界がインクで包まれ、見当違いの場所を叩き潰す。

 

 

「パックマン! ベルを投げるんだ!」

 

 

黄色のベルがガレオムに向かって投げられ、ぶつかった。同時に、『心臓マッサージ』が、『スパークショック』が、『ショートでんげき』が、『ピクミンはたき』がガレオムの大胸部分に直撃した。

 

側から見ても、眩しい電撃にファイターは目を覆う。無事なのはこの攻撃を繰り出した五人と、真っ直ぐ見つめるマルスだけだ。

 

 

「まさか… 最初から同時に当てるつもりだったのでしょうか…!?」

 

「だからって…! 合図も何もなく、あいつらの足の速さを計算するだけで、タイミングをぴったり合わせさせるなんて…!?」

 

 

これが、後の時代の英雄王。自軍の個性から身体能力まで全て把握し、犠牲を出さぬよう最適な戦法をとる手腕。

 

 

「(オリマーはこれを言いたかったんだ…! この世界で僕は王子と見られてはいないけど、同じように受け入れてくれるけど… だからといって、決して僕のことを考えていない訳じゃない! お互い様なんだ! 僕が彼らを思っているなら、彼らも僕のことを思ってくれていると! ピチューもインクリングも、他のみんなも知っていた!)」

 

 

ガレオムは強力な電気を浴び、機体全体に電流が迸る。装甲が剥がれ、部品が飛び散り、内部が露わになった。電撃の修得者達は後ろに飛び退く。そして、マルスが駆け、跳び上がった。

 

 

「ここだあ!」

 

 

人で言う所の心臓部品。装甲が剥がれた箇所にファルシオンを突き刺した。確かな手ごたえを感じる。微弱な熱風を感じると、ファルシオンを引き抜いて、自らも逃げながらも、退却の指示をする。ガレオムは痙攣しながら爆発四散し、後には巨大な鉄塊だけが残った。




現ファイター

カービィ
マリオ
マルス
ピクミン&オリマー
パックマン
Wii Fit トレーナー
Dr.マリオ
インクリング
ピチュー
ロックマン
スネーク
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