漫画技法とデジタル描画ツールが淘汰したもの
むかしの子供向け図鑑に苦いものを食べてすごく変顔してておもしろい絵があったんですけど、なかなか思い切ったくずれ顔を出すのも難しいようで
— シモンジ (@simondiai) January 17, 2025
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その図鑑の記事は鼻と口の機能をとりあつかったもので、いろいろなにおいと味に反応する顔が、それはそれはおもしろい変顔で8枚も載っていたのです。
印刷から画材をはっきり読み取ることはできませんが、こちらのX投稿(AI生成)で出したような油彩風のタッチでした。
余談ですが小学校の図工の専任教諭の指導で、水彩絵の具に木工用ボンドを混ぜて油彩風に仕上げるという技法がありました。※絵の具の消費量は多いです。
いずれにせよこのような絵画をしあげるのに、50年以上前(初版発行時)の当時はキャンバスに描く以外の方法はなかったでしょうから、制作コストや依頼料もそれなりに高額であったものと思われます。
当時でも漫画技法、ポップイラストはありましたが、教科書や児童文学の挿絵としては主流になる前でした。
漫画絵は娯楽用のものとして分かれていたのです。
漫画技法とはもともと、線を簡易化して短時間でたくさん仕上げるのに適した形として発達した技術です。(最近の漫画は多数の線の描きこみで激しい競争になっていますが)
従来型の絵画と比較して、そこには厳然たる生成コストの差があります。
テレビアニメはありましたから、アニメ・漫画の絵のほうが子供の目には魅力的に映り、それを理由として児童文学本の挿絵として多く使われるようになったというのも間違いないのですが、コストの安さから漫画技法の絵が急増したことも事実です。
むかしは影絵風の切り絵や貼り絵などもあったのですが、そんな手間のかかるもの(かつ画風が大きく制限されるもの)はめったに見なくなってしまいました。
私も小学生のころは正直アニメ絵の本のほうが好きでした。ですがいま思えば、小学生に多彩な絵画芸術に触れさせる機会を与えることは重要だと思いますし、私はそうあってほしいと思います。
他ジャンルにおける芸術淘汰の例
古典芸能の保存についても大阪市が支出を減らす方向であったということが話題になりました。
芸能をする側としても観劇する側としても、スーツとサンパチマイクだけでできる漫才のほうがコストが安くていいわけで、利用者側・消費者側、つまり実際に見るほうもそんなにお金に余裕があるわけではありませんから安いものに流れるのです。それは止めようがない話です。
なお吉本興業は自社の傘下に漫才コンビなどのお笑い芸人を多数所属させていますが、古典芸能を淘汰する側ではなく保存のためにお金を出している側(と主張している)であることをあわせて申し添えます。
まとめ
このような経緯を踏まえますと、デジタルツールとインターネットの恩恵を最大限に受けて、「絵描き」と名乗りつつ実際にはデジタルイラストレーション(一連のストーリー性をもつ漫画ではないもの)を公開しているだけの人が反AIという社会の破壊活動のようなことをやっていること、それも生成AIを提供している企業に反旗をひるがえすのならまだしも、個人のアカウントに対して激しい攻撃、ネットリンチをおこなっていることのおかしさが少しでもわかるのではないでしょうか。
残酷な真実をもうひとつ。
こちらはDeepLの翻訳によるものです。イラストからは「挿絵」という訳語が出てくるんですね。
単独の絵画芸術であると主張するなら絵画芸術でいいですし私もそう思いますけど、絵画芸術であるなら内容で勝負する、以外にはありませんよね。
もちろん、お笑い芸人として成功するにはよしもとの学校に入ることが近道であるように、画家が出版社を通じて売り込みをかけることは正しい道です。その場合、出版社やクリエイティブをやる会社の利益を損なうようなことをしていては自営業の道は厳しいですね。
具体的には広告画像にAIを使用していたからといって炎上させる行為のことです。
絵で生活費を稼がなくていいアマチュア市民というのは強いですね。


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