灯火の星 〜The One Story of Ours〜 作:蘭沙
他勇者も参戦ってマジ?
バンカズ参戦ってマジ?
ブレワイ続編って(ry
冷や汗が止まらない。
遥か上空に存在するキーラがこちらの状況を把握出来ない訳がない。これが現実。上を見上げれば、創造の化身、マスターハンドがマルス達に影を作っている。
「(どうする…!?)」
今戦えるファイターは三人しかいない。それも、マリオとカービィは手負いの状況である。
さらに、いつもの余興の戦いとは違い、キーラに操られているマスターハンドは間違いなく全力を出してくるだろう。この状況で勝てる保証はない。
では逃走か? それも無理だ。この世界はキーラが創り出した世界。マスターハンドから逃げ切れる保証だってない上、キーラに延々と捕捉され続けるのがオチであろう。
二人を見捨てるなんて考えはマルスにはない。故に頭をフル回転させ、突破口を探す。
マリオは? カービィはどう動く? 登る道と自身の背後に進める道があるがどっちに行くなら正解だ?
「マルス! 安心してくれ。ボクもカービィも足手まといにはならないさ!」
「ぽよ!」
二人はそう言ってくれるが、強がりであるだろう。マスターハンドの真の実力がどの位か不明だが、度重なる展開の変化で精神的にも疲れている。勝てるのか?
注意深く観察する。最悪の場合、二人を連れて逃げなければならないだろう。もしくは自分が単独で囮になって二人を…!
マスターハンドが指をパチリと鳴らす。ファルシオンを構え、戦闘体勢をとる。どんな攻撃がきても対応できるように…!
囚われている二人のファイターの前に見えない障壁が現れる。それだけをすると、フッとマスターハンドは消えてしまった。
「はぁ… はぁ…」
あそこまで真剣に考えていたのが馬鹿みたいとすら思える。気が抜けたマルスは崩れるように尻餅をついた。
それから、マスターハンドが生み出した障壁をどうにか出来ないかと色々試してみたが、カービィのハンマーもマリオの蹴りもマルスの突きにも応えなかった。
彼らは障壁の破壊を断念。ここでは聞きにくいと、置いていくファイター二人にすまないと一言言い残し、先の道を進む。それなりに進むと、それなりに見下ろせる場所で座り、休息がてら情報共有をすることにした。
「あの丸いオーブがファイター以外の人々だ。多分この世界に来ていた人が巻き込まれたと思うんだ。」
「キーラにやられたのはファイターだけではなかったのか…」
「彼らは全員力を抑えられている。満足に抵抗もできなかったんだと思う。それで、キーラに魂だけの存在にされて…」
「僕達ファイターのフィギュアから生み出された体に憑依させられ、僕達にぶつけている。」
「ああ、そして色々とボク達が戦いにくいように細工をしているようで、さっき戦ったロボットは巨大化していた。」
「大乱闘でのアイテムの効果を発揮させることができると。さっき試したけど今の僕達は自分からステージへワープできない。大乱闘ができない。これは僕の予想なんだけどキーラは大乱闘のシステムを乗っ取ってしまったじゃないか?」
「…確かに。そうかもしれないね。」
一息ついたことで、頭の回転も円滑になる。マリオからの情報により、様々なことに一応の想像がついた。
「とりあえずファイター以外の人々は総称してスピリットとでも呼ぼう。それと今わかっていることを書き記しておくよ。」
「…まあ、助けるたびに説明するのも大変だもんね。」
懐から出した紙に記していく。こっちの世界の紙は傷みにくいし、ペンは一々インクを付け直す心配もなく、その上書きやすい。
どうやら中に元からインクが入っているらしいが、どうして一気にインクが飛び出してくないのか不思議でならない。
「今わかっているのはこのくらいだね。」
「そうか…」
今現在の全ファイターは74人。キーラに囚われているファイターはまだ71人もいるのだ。果てしない道のりに気が遠くなるが、折れる訳にはいかない。
「できる限りスピリットにされたみんなも助けよう。人が増えれば余裕もできるさ。」
「ああ、そろそろ行こうか。だいぶ疲れも取れた。」
「ごー!」
三人は立ち上がり、道を下っていく。
先程見えた大きなキノコの足場エリアについた。
「これ… 乗れるのかな? ああ、待ってカービィ!」
「ぽよーい!」
巨大キノコに乗り、大丈夫だよ! と証明するようにキノコの上で飛び跳ねてみた。
「多分乗れるってことを知らせようとしてるんだと思うけど…」
落ちても飛べるから確かめに行ったんだろうけどと、マルスは後に続ける。
「そもそもカービィは軽いからどの道安全かどうかはわからないよね!」
マリオの言葉に頷くと、聞こえてないのかカービィは体ごと傾けた。
結局、どうにか回り込めないかと上の道を進むことにした。スピリットにされた者達は、三人に挑み、手加減無しで襲いかかってくる。
「スピリットたちの数も多い。是非とも戦える人材を増やしたいが…」
「キノコの所にいたファイターには足場がなくて行けない…っ!」
「ぽよ?」
唐突に発言を切ったマリオを心配し、二人はマリオを見る。反応はせず、ただただ一つのオーブの方を見るだけだ。
「どうしたんだ? マリオ」
「なんか… 変な感覚が…」
「へ〜ん?」
言葉にするのは難しいらしいが、マリオの顔は至って真剣だ。まっすぐにスピリットの方を見つめている。
「行ってくるよ、彼女も助けなきゃいけない。」
「あ… ああ、んっ? 彼女?」
まるで目の前のスピリットが誰かわかっているような言い方だ。一拍遅れてそのことを問い正そうとした時、既に彼はこの場にいなかった。
やってきたのは、マリオが今の姿ではなく、Mr.ゲーム&ウォッチのような平面な姿持った時の世界。彼の名前をとって『ペーパーマリオ』と名付けられたこのステージは、ステージ右側の風車が特徴的である。
『…』
目の前にいるのはベヨネッタ。手に夢を見せる道具である『スターロッド』を持っていたりはするが、姿はベヨネッタである。
常に余裕のある態度で天使を狩っていた彼女と同一人物のは思えない。当然だ。彼女はベヨネッタではない。ベヨネッタの姿を借りているだけ。目の前の人物の真なる姿を、マリオは直感で感じ取っていた。
「ここまで本来と違うと逆にやりにくいな〜」
『…』
両手に持つ二丁の銃に力が込められ、迷うことなく引き金が引かれる。どちらかというと威力より連射性能を重視した射撃は容易に躱せはしない。
「おおっと」
何発か当たりながらも、マリオはジャンプ。体を回転させ、『マリオトルネード』を当てる。相手は回避が間に合わず、薔薇の花弁が飛び散った。
「いてっ…」
『スターロッド』の弱攻撃で仰け反った隙を見て、今度は強攻撃。夢を具現化させたかのような星形弾を放つ。それにも当たってしまう。
「悪いけど、こんな状況だ。負けられないんだ!」
足払いをかけ、一つ二つパンチをし、蹴り上げる。負けじと相手も『スターロッド』を投げ、マリオにぶつける。その時、ファイターの体が見えなくなった。
「(これは透明? ボクにもか? 今はいいか。)」
恐らく、相手は自分がどこにいるかわかっていない。しかし、逆はどうだ。先程からマリオが感じている妙な感覚は相手が誰かを直感的にわからせた。それを利用すれば、相手の居場所は大体わかる。音を立てないようにこっそり近づいていく。
「すぅ…ここっ!」
大きく息を吸って炎を宿した掌をぶつける。その一撃は、一つの狂いもなく相手の体にぶつかった。
「ふう…」
「…戦うって言うならそれでもいいけど、急に行かないでくれ。」
マリオを咎めるマルス。
「ごめんマルス。彼女が何となくだけど誰かわかっちゃって。」
「どうしてだい? 戦う前に既にわかっていたようだけど。」
「わからない… 別に特に仲が良かった訳じゃないけど… もしかしたら同じ世界から来たことが何か関係あるのかも。」
カービィは呑気に彼女に向かってはあい! と挨拶をしている。
「なあ、君はどう思うんだ?」
『はあ…? 私が知る訳ないぢゃ。』
ピンクのローブに眼鏡。クッパ軍団の一味であるカメックババの魂がそこにいた。
マリオ「マルス、反省。」
マルス「えっ、待って僕何かした!?」
マリオ「『折れる訳にはいかない』ってタイトルは… 流石にマスターハンドと戦う感じの流れじゃないか! だが、実際は妨害だけして帰っていった!」
マルス「それ僕の所為なのか!? マスターハンドの方が悪いよ!」
マリオ「次回、『決意の剣』!」
マリオ「いっちょ前に後輩の口癖パクってさあ…」
マルス「パクった訳では…無意識に出ちゃっただけ!」