いよいよ近畿圏の中学受験業界も新年度に入りました。

すでに授業が始まっている塾もあると思います。

新6年生は入試まで残り345日です。

 

さあ、これから頑張ろうと思っている人に大事なお知らせです。

 

志望校がすでに決まっている人は志望校合格のために学習計画を立てていると思います。

受験学年でない人も今から志望校を目指して頑張っていることでしょう。

 

しかし、いざ第一志望校を目指そうと思ったときに多くの人が目標にするのは塾の偏差値表の偏差値なのです。

A判定偏差値、R4偏差値、呼び方はいろいろありますが、合格可能性80%(塾によっては85%)の偏差値のことです。

 

例えば、A判定偏差値(R4偏差値)が60の学校を目指す人はだいたい偏差値60を目標にしがちです。

塾の志望校別コースや季節講習には受講資格が設けられています。(最難関志望の場合)

その受講資格はA判定偏差値より低めに設定されているので、その偏差値を目標にしている人もいるかもしれません。

まだ、自分の偏差値がA判定偏差値に届いていない人は、入試までに届けばいいなんて思いがちです。

 

ですが、それはとてもハイリスクなのです。

 

 

合格可能性80%のひみつ

 

A判定偏差値を取れば合格可能性80%だと思っている人が多いと思います。

(塾講師の中にもたまにいます)

しかし、その合格率はA判定偏差値以上の塾生のうち約80%が合格したという意味なのです。

 

例えば、A判定偏差値60の学校を考えてみましょう。

偏差値60以上なら全員A判定になります。

(59くらいだとB判定になります。)

しかし、そのA判定の人の中には偏差値65の人や偏差値70の人もいるかもしれません。

平均したら63くらいかもしれません。

そんな人たちの中から昨年度は80%合格したということなのです。

 

ということは20%くらいは不合格になっているわけです。

では、どういう人が不合格になるのでしょうか?

偏差値60の人?それとも65の人?

学力で考えたら、当然偏差値60ギリギリの人の方が不合格になる可能性が高いのはわかると思います。

実際、入試というのはそのときのコンディションや多少の運も左右するので、必ずしも塾の成績通りに合否が決まるわけではありません。

でも、同じA判定の中でもやはり上位の人の方が合格する可能性は高くなります。

 

で、実際A判定ギリギリの人がどれくらい合格するのかですが、平均すると50~60%くらいだと思って下さい。

学校の偏差値が少し高めに設定されていたり、予想より難易度が低かったりすると合格率は上がります。

反対に、倍率が劇的に上がったりすると合格率は下がる可能性もあります。

 

あくまでも塾の予想した偏差値なので、A判定の合格率が80%を大きく上回っても、大きく下回っても、それは塾の予想が外れたということです。

合格率が上回るならいいじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、偏差値ギリギリで志望校を諦めた人にとってはチャンスを逃したことになります。

 

 

いや、そんなはずはない。

塾でA判定ギリギリなら80%の合格可能性だと言われた。

という人もいるかもしれません。

塾がそのように計算してA判定ラインを決めているのならそうなのかもしれません。

ですが、偏差値ごとの合格可能性を計算するなんていう話は聞いたことがありません。

受験者数が数百人もいるのなら可能かもしれませんが、実際のところ同じ偏差値の人がせいぜい数人程度ですから合格率を出しても意味はないのです。

3人中2人合格だと66.7%にしかなりません。

たまに偏差値が1ポイント下の方が合格率が高いということもあります。

 

 

偏差値表の基準となる偏差値

 

塾の偏差値表の偏差値は前年度の入試結果をもとにして算出します。

今年の入試結果はまだ集計中だと思いますが、数ヵ月後には新しい偏差値表が出ると思います。

 

基準になるのは今年受験した塾生の偏差値ですが、一般的には小6の9月以降の数ヶ月分の平均値を用います。

ですから、1回だけ取れた偏差値ではなく、過去3~4ヵ月分の平均値を求めて、偏差値表と照らし合わせるのがより正確な判定に近くなると思います。

 

毎回A判定偏差値を上回る成績を取り続けている人なら、平均値はA判定偏差値を越えるでしょう。

そういう人は合格可能性が高くなります。

 

平均値がA判定偏差値を2~3ポイント超えていて、なおかつ毎回A判定偏差値以上であれば合格可能性は80%を越えると思います。

5ポイントくらい上回っていれば合格可能性は90%以上にはなるでしょう。

 

しかし、2回に1回はA判定を下回るという人は危険です。

単純に考えても2回に1回は不合格ということになります。

平均値がA判定偏差値を越えていても、2回に1回ドボンするわけですから、それが本番で起きる可能性は50%です。

50%の確率でA判定偏差値を越えたとしてもそこから80%の合格可能性なら実質40%しかありません。

これは塾の模試の精度をどれだけ上げたとしても回避できない問題なのです。

塾の精度がどうこう言う前に、安定した学力を身につけなければなりません。

 

 

科目別偏差値

 

偏差値表の偏差値は全科目の総合偏差値です。

つまり、3科受験なら3科の偏差値、4科受験なら4科の偏差値になります。

しかし、学校によって配点が異なったりするため、誤差が生じることがあります。

 

某塾は科目ごとの偏差値の平均を出すという荒業を使います。

統計学的にはおかしいとか言われますが、傾斜配点のある学校には強いかもしれません。

どうしても算国の配点が高い学校が多くなるので、算数で偏差値を稼げないと厳しいですね。

 

それはともかくとして、

科目別に見たときに、特定の科目だけで点数を稼いでいるとか、特定の科目だけ足を引っ張っているというのは危険信号です。

入試問題が科目によって難易度の差が出たときにどちらに転ぶかわからないのです。

例えば算数が得意な子にとって、算数のテストが簡単すぎると命取りになります。

平均点が高く出ると点数が稼ぎにくくなるからです。

塾のテストを科目別に見た場合、平均点が高い科目ほど高い偏差値は出にくくなります。

満点を取っても偏差値70に届かなかったりするのです。

もし、第一志望校の偏差値が70だったらどうにもなりません。

 

反対に国語が苦手な人は、国語のテストが易しいと点数差がつきにくくなるのでチャンスです。

(※標準偏差が小さいほど有利になります。)

 

でも、それで偏差値が稼げたとしても、入試本番も同じようになるとは限りません。

 

そこで、なるべく各科目でA判定偏差値を越えられるように目標を立てておいた方がいいでしょう。

理想としては算数が得意科目でA判定偏差値の5ポイント上くらい、国語が悪くてもA判定ギリギリくらい、理科または理社平均でA判定偏差値くらい取れていると合格可能性80%くらいにはなると思います。(男子の場合)

女子は4科が基本になりますが、国社優位型なら国社でA判定偏差値の5ポイント上くらい、算理でA判定ギリギリくらいは欲しいです。

洛南・西大和志望なら全教科で男子に負けないように。

 

 

A判定を目指してはいけない

 

例えば、A判定偏差値60の学校を目指している人の多くは偏差値60に届いていないと思います。

というのも、偏差値60を取れていたら偏差値65くらいの学校を目指していたりするからです。

これはどの偏差値帯でも同様です。

現時点での第一志望校はだいたいみんな自分の学力より上を目指していると思います。

 

ですが、A判定偏差値ギリギリを目指しているようではうまくいっても勝負は五分五分、届かなければ最悪の事態に陥ります。

そこで、まずは目標設定をA判定偏差値の2~3ポイント上にしましょう。

必達目標として、各科目をA判定偏差値以上に持っていくことです。

そのために必要な学習計画を立てましょう。

 

問題は”いつまでに”ですね。

せめて夏休み前までに届いていないと厳しいです。

しかし、そう簡単に成績は上がるものではありません。

そこで多くの人は夏期講習の受講資格を目標にしてしまうのです。

運が良ければ受講資格を手にしますが、最悪の場合志望校を変更することになります。

それをクリアできても9月以降の志望校別コースの受講資格が次の関門になります。

ギリギリ通過してもA判定偏差値には届いていません。

 

そこで、もっと早めに志望校を下げて安全策を、と考える人も出てきます。

志望校を下げてもまだA判定偏差値に届いていないことがよくあります。

しかし、目標が下がるとなぜか気持ちが緩むので、最悪の場合その学校にも苦戦することになります。

 

基本的に夏まではみんな同じことをしています。

最難関志望なら全員同じレベルの勉強をしています。

(ただし、テストの平均点はクラスによって異なります)

内容が分かれてくるのは志望校別特訓が始まってからです。

(灘志望の場合は2月の時点ですでに差があります。)

それまでは志望校に関係なく、全力で頑張らないと9月以降に生き残れません。

星光志望、洛星志望だからそんなに出来なくてもいいなんて思っていると難関コースに行くことになります。

 

甲陽志望なら9月以降に天空から落下傘部隊が降りてきます。

あっという間に上位を占領されてしまいます。

そこから逃げ出した人たちは星光コースになだれ込みます。

星光コースでも上位クラスをその人たちに取られてしまいます。

しかも、星光の合格実績は東大寺志望の人たちが出しているという現実を知ることになります。

 

 

とにかく一刻も早く目標偏差値(A判定偏差値の2~3ポイント上)に到達することを考えてください。

入試が近づけば近づくほどみんな本気を出してきますから、そのときに成績を上げるのは至難の業なのです。

1年間のスパンで考えたら、今が最大のチャンスなのです。

というか、今やらないともう無理。

 

これは5年生以下でも同じことが言えます。

少しでも早く上のクラスに上がっておくことが必勝法なのです。

 

私はよく電車に例えます。

普通列車(各駅停車)で特急を追いかけようと思うな、と。

乗り損ねた特急にはもう乗ることができませんが、少しでも早く乗り換えれば遅れは最小限で済みます。

 

そもそも特急に乗り損ねたら間に合わないようなギリギリの時間に家を出るな、と。

そしてギリギリの時間に駅に着いたら電車には乗れないのだから、まずいと思ったら全力で走れ!

ちなみに私立中高では「家が学校から遠い人ほど早く来る法則」というのがあります。

それがリスク回避なのです。

 

 

 

 

合格可能性80%って高いような気がするかもしれませんが、みんな入試直前になるとものすごく不安になります。

意外に思うかもしれませんが、いわゆる鉄板と言われる合格可能性95%くらい?のⒶ判定の人たちの方が不安そうにしていたりします。

ですが、逆にそこまで不安に思うからこそ早めに準備をして、念には念を入れて、安全策をしっかり取っているのでしょう。

だからこそトップレベルの成績を維持しているのだと思います。

 

 

 

 

 

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