英紙の警告「トランプ復権で『日本は邪悪』が暴言でなくなる時代が来る」
USスチールの買収をめぐり日本製鉄とライバル関係にある米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのCEOが、「日本は悪」と発言。大企業トップらしからぬ暴言だが、トランプ2期目の米国ではこのようなジャパン・バッシングが再燃すると、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は警鐘を鳴らす。 【画像】英紙の警告「トランプ復権で『日本は邪悪』が暴言でなくなる時代が来る」
日本製鉄CEOの「家も犬も奪ってやる」
創業177年の歴史を持つ上場企業のトップにとって、マフィアのボス呼ばわりされるのを防ぐ確実な方法はない。それでも従来からある戦術の一つとして、106分間の記者会見を開いて、競合を破滅させてやるとか、そのCEOの家や飼い犬まで奪ってやるとか脅迫することは避けてきた。 ところが、2025年の幕開け、その慣例は米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンカルベスCEOによって破られた。そして米企業界ではこれから日本に対するもっと痛烈な暴言が飛び出してくるだろう。 21世紀の日本は悪よりも邪悪なのか? 悪の親玉なのか? たかり屋なのか? 日本は否定するだろうが、米国企業のCEOたちが平気でそんなことを言うような時代に備えるべきである。 ゴンカルベスは、日本製鉄の橋本英二CEOから家も車も犬も奪って無一文にしてやるとまくしたて、さらに日本に対する罵詈雑言も並べた。その会見は、表向きはクリーブランド・クリフスによるUSスチール買収計画について説明するために開かれたものだったが、競合の日本製鉄に対する悪意は、通常のM&Aをめぐる衝突をはるかに超えるものだった。
Leo Lewis