来週の決定会合後の日銀に迫るトランプリスクという暗雲
植田和男総裁率いる日銀は、来週の会合で利上げに踏み切る公算が大きい(写真:ブルームバーグ)
来週23〜24日に開く日銀・金融政策決定会合で、0.25%幅の利上げが行われる公算が高まっている。1月15日現在で、金利先物市場が織り込む利上げ確率は70%程度にまで上昇してきた。 ここのところ物価上昇率が2%超で推移していること、景気や物価動向に大きな下押し要因が見当たらないこと、今春も賃上げに積極的な企業が多くみられることなどが背景にある。加えてアメリカ経済が堅調でドル高が進んでおり、仮に今回利上げを見送ると160円を大きく超える円安となる可能性が高くなることも日銀を後押しする大きな要因だ。 従来の予想に比べると、為替市場でのドル高圧力によってタイミングがやや前倒しになっているものの、早期の利上げは既定路線であり、市場への織り込みも進んでいる。実際に利上げが行われても大きな混乱は生じないと考えられ、為替市場での円押上げ効果も限定的となろう。
本文:1,884文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
田渕 直也