「コロナワクチンで50万人が死亡」「日本で人体実験している」…反ワク派の主張を専門家と徹底検証した結果
■mRNAワクチンのスパイク蛋白は危険? コロナワクチンには、新しいmRNA(メッセンジャーRNA)の技術が使われている。通常の新薬は10年前後の臨床試験を経て承認されるが、コロナワクチンは約1年間で開発されて(※)緊急承認された。そのため、安全性の確認が不十分だという主張がある。 ※ mRNAワクチンは、がん治療を目的に約10年前から研究が行われていた 京都大学の福島雅典名誉教授は、コロナワクチンに反対する理由として、「スパイク蛋白の毒性」を挙げた。 「mRNAワクチンのスパイク蛋白が強い毒性を持っていて、血栓を形成して血管が詰まり、ワクチン自体も強い炎症を起こします。同時にワクチンは、全身に行き渡ってスパイク蛋白をいつまで作るか分かりません。ブレーキがない自動車をハンドルなしで走らせたようなものです。スパイク蛋白が毒であることに間違いありません」 ■反対派がスルーする研究論文の特異な条件 「全国有志医師の会」という団体も、権威ある医学誌『Circulation Research』に“スパイク蛋白の毒性”を示した研究論文が掲載されているとして、コロナワクチンに反対している。 この主張について、宮坂招へい教授は“重要な点に触れていない”と指摘した。 「この研究で用いたスパイク蛋白質の濃度は、ワクチン接種後に体内で検出されるスパイク蛋白質の500倍以上です。現実には起こりえない条件なので“スパイク蛋白質が体内で毒素になる”という主張には論理の飛躍があります。“血管内で炎症が起こった”という記述もこの論文に見当たりませんでした。 生体内のスパイク蛋白質は一定時間で消えることは、多くの実験で確認されています。“いつまでも体内に残ってスパイク蛋白が作られる”という主張は、裏付けのない仮説に過ぎません」
■レプリコンワクチンは「人体実験」? 現在、65歳以上や基礎疾患のある人を対象に、コロナワクチンの8回目となる定期接種が実施されている(※自治体によって終了時期は異なる)。ネガティブな情報が広まっている影響か、接種率は極めて低い。 今回の定期接種では、次世代型mRNAのレプリコンワクチン(商品名:コスタイベ)が、世界に先駆けて承認された。 mRNAが体内で一時的に複製される新しいタイプのワクチンで、既存のmRNAワクチンよりも強く免疫が誘導され、抗体の持続時間が長い。接種後の強い倦怠感や発熱などの副反応も、大きく改善されたという。 販売が日本の製薬企業(Meiji Seikaファルマ)なので、今後のパンデミックに備える意義も大きい。 だが、このレプリコンワクチンに対して、激しい反対運動が起きている。 世界に先駆けて承認されたことを“日本での人体実験”と揶揄、レプリコンワクチンを接種した人に対して、入店拒否や診療拒否の動きまで起きているのだ。 ■「シェディングが起きる」というデマが拡散 東京都内のあるクリニックでは、レプリコンワクチン接種者の立入さえも拒んでいるが、医療機関としての適格性を疑う理由を掲げている。 ---------- ・レプリコンワクチンはmRNAの複製が際限なく続く可能性がある ・複製されたスパイク蛋白質が周囲に“シェディング(感染の意)”する ・レプリコンワクチンの接種者は「歩くバイオハザード」 (※クリニックがインターネット上に公開している資料より抜粋・要約) ---------- “シェディング”という現象は、コロナワクチンでは確認されていない。荒唐無稽なデマだが、SNSなどで拡散された結果、“ゾンビワクチン”という俗称まで付けられた。 懸念した日本感染症学会などが、シェディングを否定する声明を出したが、一度ついた悪いイメージを払拭するのは難しい。 このクリニックでは、ワクチン後遺症の治療と称して、高額な自由診療を行っている。 また、「細胞力復活点滴」、「脳神経返り咲き点滴」などの医療機関とは思えない治療や、“がん治療支援”と称して「高濃度ビタミンC点滴」を実施していた。いずれもエビデンスがない、エセ医療である。 レプリコンワクチンに反対する一方で、エビデンスのない高額な自由診療を行う姿勢には疑問が残る。クリニックに取材を申し入れたが、拒否された。