47 お嫁さん力8000以上!? スカウターの故障か!?
その後豪勢な夕飯を作ってみんなで食べた。サザンカさんヒノクニ出身だからパンとステーキ大丈夫かなとちょっと思ったけどステーキは好評だった。よかった。
んでお風呂沸かしてサザンカさんに旅の疲れを取ってもらって、サザンカさんの御部屋準備して、夜のお楽しみはこれからだ!! ってしたかったけど風呂あがったら随分と疲れが回ったか眠そうな様子のサザンカさん見て今日は休ませてあげようと思いそのままお部屋にご案内してお別れ。
結局その日は自家発電で我慢した。めっちゃ出た。
そして翌朝。
「おはミャウ」
『ピピルピルピルー……ピピルピャー……』
今日は随分とおもしれー音出してんなコイツ。鼻詰まってんのかな。
ミャウの鼻をちり紙で拭ってやってついでに起こしてやる。おはよ。
『フガガ……っみゃあ!?』
「起きたか。とりま朝食作るぞい」
ミャウを布団から取り上げて頭の上にのせて、階下に降りる。
今朝は13人前作るからな。さて何を作るかね……とリビングに降りたところで。
「……ん?」
庭の方から人の気配。っていうか音がする。
イレヴンが起きてんのかな? リンは絶対まだ寝てるだろうし……もしくはサザンカさんかな?
気になった俺は朝食を作る前に外に向かい、様子を見に行く。するとそこには。
「……ふっ、……ふっ、……ふっ」
サザンカさんが、胸にサラシを巻いて上着を腰に巻き、大太刀で素振りをしていた。
上段に構えてリズムよく振り下ろす……が、その太刀筋が一切ぶれていない。
全く同じ位置に構え、まったく同じ位置でピタリと止まり、それを繰り返している。
あの大太刀相当重いだろうに。すげぇ力だなやっぱり。
それなのに女性らしさを伴った美しい白い肌にデカパイなんだからびっくりするね。
デカパイも規則正しく揺れてるね。朝から眼福でござる。
邪魔しちゃ悪いから声をかけずに後ろから眺めておこう。背中からでも両横からはみ出て見えてるデカパイに無限の感謝。
「……ふっ、……ふっ、…………ふぅ。おはようロック殿。ミャウも」
「あれ。気付いてました? おはよーさんです!」
『みゃあ!』
「ああ。よこしまな気配がもやもやと背後から近寄ってきていたので……間合いに入れば一刀のもとに切り捨てようと構えていたでござる」
「コワーイ。なんもよこしまな事なんて考えてませんよー! 綺麗だなーって思って眺めてただけですって!」
「ふふ、冗談でござる。悪意がないのは分かっており申した。鍛錬中故、返事が遅れて済まぬな」
「ぜーんぜん。むしろお邪魔しちゃったようで」
素振りをひと段落させたところでサザンカさんから挨拶をされてこちらからも返す。
少し体は上気しているようだが、汗をかいてはいないようだ。すげぇ体力だ。体でっかいだけあるなぁ。
俺が同じことやったら10回もやらないうちに腕が音を上げる自信ありますね。パワータイプじゃないんで俺。
「これから朝食作りますけど、サザンカさんなんかメニューご希望あります? 味噌汁とか作りましょうか?」
「ん、そんな時間でござるか……いや、ロック殿。よければ拙者にも料理を手伝わせてほしい。ある程度腕に覚えはあり申す。ただ飯ただ宿の恩義を頂いて何も返せねば余りにも失礼というもの」
「え、マジっすか! 助かります! うわーありがてぇな! 今朝は美人さんと一緒に料理だぜウヘヒヒ!」
『みゃあ……』
「口が上手いでござるなロック殿は。……しかし
「たまに手伝ってもらうんだけどアイツ何故か料理は大雑把でェ……具体的に言うとポンコツであんまり頼りにならなくてェ……。なんで期待してますよサザンカさん……ッ!!」
「はは、成程。さて、はたして期待に応えられるものかな……」
ちょうどいいとサザンカさんに朝食アンケートをお取りしたらなんとお手伝いしてくださるとのこと。
マジで? 俺この美人大和撫子と肩を並べて料理できんの?? 役得すぎんか??
いや生憎俺の背がちっちゃいから肩は並ばないんだけど。これまでもイレヴンと一緒に料理したこともあるし孤児院じゃシスターとかティオと一緒によく料理してたから慣れちゃいるんだけど。
でも料理という一つの事を一緒にやることで深まる絆ってあると思う。手と手が触れあって初めて恋心に気付くみたいな。そんなの異世界転生チートさんの本で読んだことあるわ!
そんじゃ早速お願いします! とサザンカさんの手を取ってキッチンに向かうのであった。
※ ※ ※
「
「うまい!! うまい!!! うまい!!!!」
「ビビるよねこの味噌汁の美味さ……鮭も完璧な焼き加減で。いやこれ美味ぁ……」
「恐縮してしまうでござるな」
『みゃあ! みゃあああ!!』
めっちゃくちゃ料理上手だったわサザンカさん。
いや……とりま今朝は買い込んでた食材に米も味噌汁も鮭もあったんで和食にしよう! って話になってサザンカさんと一緒に作ったんだけどね。この人マジでお料理上手でした。料理スキルカンストしてそう。
包丁の扱いが様になりまくりというか。黒い長髪を結い上げてエプロン着てるのが似合いすぎたというか。
味付けも丁寧だし火の入れ具合も完璧だし。物凄いお嫁さん力を感じてしまってむしろ俺があんまり力になれないレベルだった。
リンのためにめっちゃ米も炊いて鮭も焼いてくれたんだけど、その全てに一切手を抜かずに完璧な仕上がりの料理ができてしまいました。懐石料理と言われても信じるよ俺は。
流石にこれには敵いません。俺の料理の腕前は家庭料理レベルだからな。
これにはイレヴンもリンもミャウもご満悦だ。ミャウは鮭に火を通したやつ貰ってたけど味付けてないのになんかめっちゃ喜んでた。猫にも分かるこの美味さ。
真剣にお嫁さんにしたい(渾身)。
「この味噌汁毎日飲みたい……ッ!」
「わたしものみたい!!」
「そんな大したものではござらぬよ。まぁ喜んでいただけたならば一宿の返礼としては何よりでござったが」
「本当に美味しいですよ。サザンカは料理の修行などもされていたのですか?」
「幼少の頃より母に厳しく躾けられてな。花嫁修業の一環と言ったところでござる」
「俺の所に花嫁に来ませんかサザンカさん……!!」
「ははは。ロック殿はちょーっと無理でござるかなぁ」
「味噌汁が急にしょっぱくなったぜ」
「ロックはおばか……」
しかし勢い任せに口説いてみたら見事にさらりとかわされた。大人の余裕を感じてしまいますね。
まぁ大会まであと6日あるからな。その間に距離縮めればいいやろ!
腕も立って料理も出来て美人でデカパイ。こんな人がヒノクニにはいっぱいいるんかな。いずれヒノクニに旅行するのもありかもしれん。現地嫁いっぱい作るんだ俺……!
「ごちそーさまでした!! おかわり!!」
「余りに美味しすぎてリンが食後のお代わりを求め始めてしまいましたね。ごちそうさまでした」
「ごちそーさんです! リンはちゃんと今日のお昼に鮭おにぎりいっぱい握ってやるからな。孤児院のみんなとも分けて食べろな」
「お粗末様でした。うむ、握り飯はどれくらいの大きさが良いでござるかなリン殿」
「やったー!! おっきいのでおねがいします!!」
その後朝食を食べ終えて、リンはおっきなおにぎりをもってウキウキで孤児院に飛び立っていった。
それをみんなで見送り、さてこれからの事であるが。
「サザンカさんは大会まではどんな予定で考えてました? 王都を案内しましょうか?」
「む。マスター……サザンカに親切にするのは結構な事ですが、私の事をお忘れではありませんよね?」
「流石に宿を提供いただいている身でこれ以上は望まぬよ。イレヴン殿にも悪い……折角訪れた王都、暫くは気ままに観光と考えていたでござる。配慮は無用」
「ん、そっすか。んじゃ合鍵だけは渡しておくんで俺んちは好きに使ってください。夕飯は常にサザンカさんの分も準備しておきますね、帰り遅くなりゃリンにあげるから特段気にしなくていいっす、夜に呑みに行ったりしてもらっても……いやダメだ!! お持ち帰りされる前に帰ってきてくださいね!! この美しいサザンカさんを他の男に触れさせるかよクソがよ!!」
「またマスターが錯乱してしまった」
「はは……いや、一人で晩酌もつまらぬ故、夕刻ごろには帰るようにするでござるよ。客人として家主に余分な心配をかけては恥というもの」
「また迷ったりしないでくださいね?」
「流石にそれはない……と思うでござる。多分」
「濁しましたね」
サザンカさんが望めば王都の案内までしてあげようと思ったがそこまでは不要ときっぱり言われたのでそれならそれで。王都は色んな観光名所あるから歩き回っても十分時間は潰せるだろうな。歩き食いも楽しいし。
となれば俺はイレヴンのレベル上げに務めるのみだね。サザンカさんが観光に飽きたら近くの冒険とかに誘ってもいいかもしれんね。腕も見れるし。
「さて……では、また夕刻ごろに」
「ういっす。……しかしサザンカさん、やっぱその甲冑は着ていくんすね」
「うむ。ロック殿のお宅なれば構えるのも無礼であるため帯を緩めたが、外を歩いている時は何が起きるか分からぬのでな。これも癖のような物でござる」
「そのうち赤兜の鎧武者と噂になりそうですね。何か困ったらギルドを経由してノックスに話を聞くとよいでしょう。彼はとても親切な冒険者ですから」
「せやね。ギルドの受付さんとかも大抵のことは聞けば教えてくれると思うんでその辺頼ってもろて」
「数々の忠告かたじけない。ロック殿たちも良き鍛錬を。では……」
かちゃかちゃと昨日見た紅の鎧を着こみ、面頬をつけてお綺麗な顔を隠して出立するサザンカさん。
アレが普段着みたいなもんだったんかね。また道に迷わないことを祈るのみである。
「さ……んじゃ今日も俺らはまたレベル上げに精を出しますか」
「ですね。今日は近場の狩場を漁る事にしましょう」
そうして俺らも出発し、今日が始まったのだった。
※ ※ ※
その後は大きな出来事もなく、闘技大会の開催が近づいていた。
「……サザンカさん、やっぱ方向音痴でしょ?」
「や、いや、これは違うでござるロック殿……確かに住民に伝え聞いた通りの住宅区へ向かっていたはずなのでござる……」
「真逆の方向でしたよ。よく王都までたどり着けましたねサザンカ」
『みゃあ』
「ヒノクニから海を越えた後は王都征きの直通の馬車があり申した……」
鍛錬を終えてギルドから自宅に帰る途中で俺の勘が反応して、迷子になってるサザンカさんを拾って帰ったり。
「ロックー!! いるかー!! おもしれーニュース……って誰ぇ!? また女の人がロックの家に増えてる!?」
「うわーすっごい美人さん!? でかっ!? ロックまた女の人増やしたの!? どんだけそういう縁があるの!?」
「まぁ確かに彼女は俺と将来を誓い合った仲なのだが……」
「違うでござるな? 記憶を捏造しないで貰いたいでござるなロック殿?」
『みゃあ』
「それで、今日はどうしたのですかお二人とも」
「そうだ、聞いてよイレヴンさん!! 闘技大会の勝敗が国の主導で公営の賭け事になっててさ!! その中間オッズが発表されたんだよ!! オッズ表持ってきた!」
「一番人気がヴァリスタさんで、なんと二番人気がカトルだったんだよー!! 私は10番人気!! くやしー!!」
「ほぇー。……ちな俺は?」
「ロックは……えーと、140番人気タイかな? 2票だけ入ってるみたい」
「はぁ。まったく世間は分かっていませんねこの私の実力を。見事に大穴を開けて見せましょう」
「多分エントリーネームにイレヴンの名前乗ってないんじゃねーかな俺の所有物扱いで」
「ふむ。拙者サザンカと申すが……拙者の名前はござるかな?」
「おお、ヒノクニ訛り。ヒノクニ出身なんですねサザンカさんは。えーと……お、あった! すげぇや、他国からの参加なのに14番人気だ!」
「サザンカさんってもしかして今ギルドで噂になってる赤カブトさん? 身長も同じくらいだし……え!? 中身こんな美人さんだったの!?」
「やっぱり噂になってたか」
「目立ちますもんね」
誰が勝つかの公営ギャンブルが企画されてて俺が人気低くて涙したり。
「ロック!! おこづかいください!!!」
「まだ開催二日前だぞリン」
「シスターがいってた! しゃかいべんきょうで、こじいんみんなで、とうぎたいかい、みにいくって!! あしたはとうぎじょうがいっぱんこうかい? されるから、そこにみんなでいくの! そのときにやたいでかいものする!! だからおこづかいください!!」
「いっぱい喋れましたね、リン」
「リン殿は言葉を勉強中なのでござるな。微笑ましい」
『みゃあみゃあ』
「ふむ……シスターがついてくれてるならええやろ。んじゃおこづかいを渡します……が! これは明日から闘技大会終わりまで、全部纏めての金額な!! 一日で使い切らないように! お金の使い方の勉強です。いっぱい渡してやるからちゃんと小分けにして使うようにしなさい」
「わーい!! ありがとー!! ちゃんとまいにちでわける!!」
「ふむ、お小遣いは5万G……となると、明日は公開日、明後日は開会式及び予選開始。予選が2日間、本戦が3日間です」
「明日から大会終了まで6日間あるでござるな。さてリン殿、5万Gを毎日に分けて使うとなると、一日当たりいくらまで使えるでござるかな?」
『みゃ?』
「ん! んー、んー……8せんと、ちょっと!! それくらい!」
「大体正解。計算もしっかり勉強した成果出てるな、偉いぞ」
「えっへん!!」
「あとは食欲に負けないようにするだけですね」
「食べるでござるからな、リン殿は」
リンがおこづかいをねだってきたので多めに渡してやったり。
まぁそんな平和な日常を過ごして、勿論イレヴンのレベル上げも順調に進んで。
そしてとうとう、闘技大会当日を迎える事となった。
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