「国会は民意反映を」「日本が一歩前進」 エマニュエル米大使、LGBT「内政干渉」語録

稲田朋美元防衛相(左)、森雅子元法相(中央)らとともに東京レインボープライドのパレードに参加するエマニュエル駐日米大使=令和5年4月、東京・渋谷(エマニュエル氏のXから)
稲田朋美元防衛相(左)、森雅子元法相(中央)らとともに東京レインボープライドのパレードに参加するエマニュエル駐日米大使=令和5年4月、東京・渋谷(エマニュエル氏のXから)

ラーム・エマニュエル駐日米大使が14日、3年間の在任を終えて離任する。LGBT問題を巡って、日本国内の運動に参加し、国会議員には理解増進法成立を促した。同性婚に関する判決を論評するといった態度は「内政干渉」と批判も受けた。「日本の国会が民意を反映し、差別に反対すると信じています」「国会がこれ(判決)に続くかどうか注目される」「日本がまた一歩前進しました」など、エマニュエル氏のX(旧ツイッター)の投稿の数々を振り返る(投稿は日本語原文のまま)。

「国会議員の皆さまと意見交換」

【令和4年】

▶東京レインボープライドへ妻エイミーと電車で向かいます。日本に赴任してから初めてのプライドパレード参加です。皆さんと一緒にパレードを行進し、平等を支持するために闘うことを楽しみにしています!(4月24日、LGBTなどのイベントに向かう途中で)

▶素晴らしい体験です! 妻エイミーと参加した東京レインボープライドで、LGBTQのコミュニティーを祝福しました。ジェンダーや性的指向に関係なく愛する人と共にいるという選択は、誰もが尊重すべきことです(同日)

▶平等は特権ではなく権利です。日本でも米国でも、ゲイでもレズビアンでもストレートでも、万人に同じ恩恵と権利が与えられなければなりません。本日、国会議員の皆さまとお会いし、婚姻の平等とLGBTQI+の権利の重要性について意見交換しました(6月2日、稲田朋美元防衛相らとの会談後)

▶どんな結婚でも変わりはありません。東京都は昨日、同性パートナーシップ制度を認めるという大きな一歩を踏み出しました。これにより、公営住宅の入居や病院での面会、そして親権を持つことが可能になります。次のステップは、万人に平等な権利を認めることです。第一号となるのはどこでしょうか(6月16日、東京都議会で関連条例の可決・成立を受けて)

▶平等への大きな一歩です。本日、東京都は同性カップルに初めてパートナーシップ証明書を発行し、歴史を刻みました。この特別な瞬間を目の当たりできたことを誇りに思います。愛する人と一緒にいる権利は人権である――そう信じるすべての人たちと私たちは共にあります(11月1日、施行を受けて)

▶東京都で同性パートナーシップ宣誓制度が正式に始まったこの日、115組のカップルが共に未来へと踏み出しました。本当にうれしく思います。全国のLGBTQI+コミュニティーの完全な平等に向けて前進し続けましょう。愛に変わりはないのです(同日)

▶愛に変わりはありません。そして結婚も同じです。名古屋市民の皆さんが、平等を支持する重要な一歩を踏み出したことにお祝い申し上げます。平等な権利とインクルージョンを求める闘いが続く中で、河村たかし市長と再び協力できたことを誇りに思います。(12月5日、名古屋市ファミリーシップ制度導入の発表を受けて)

【令和5年】

令和5年2月8日のエマニュエル駐日米大使の投稿
令和5年2月8日のエマニュエル駐日米大使の投稿

全米各地の家の窓には、”Hate Has no Home Here”(憎しみの住む家はここにはない)と書かれたサインが掲げられています。本日、国務省でLGBTQI+の人たちの権利擁護を担当するジェシカ・スターン特使と共に、公明党の山口代表とお会いし、米国の多様性、インクルージョン、反差別への支持を伝えました(2月8日、公明党の山口那津男代表との会談を受けて)

「同性婚か異性婚ではなく結婚だけ」

▶警察官、教師、議員などの公職者。LGBTQI+コミュニティーは多彩であり、みな家族です。そして頼れる存在です。日本は世界的にインクルージョンを擁護しています。連邦議会の議員平等幹部会で共同議長を務めるマーク・タカノ下院議員と共に、日本の国会が民意を反映し、差別に反対すると信じています(2月17日)

▶多くの人の声が政治プロセスに加わることによって、民主主義はより強固なものとなります。今日は日本維新の会代表の馬場議員と共に、強い日米同盟やLGBTQI+の人たちを含む万人の平等など、われわれ大使館と維新が共有する価値観について話し合いました(3月7日、日本維新の会の馬場伸幸代表との会談を受けて)

▶米国大使館チームは「東京レインボープライド2023」のパレード参加に向け朝早くから準備を開始!私も電車で現場に移動、そして行進。共に愛、尊敬、平等を祝いましょう(4月24日)

▶今こそ、日本が日本らしくある時。東京レインボープライドには、エネルギーが満ち溢れ、意義あるパレードとなりました(同日)

▶東京レインボープライドのパレードが終わっても、平等に向けた歩みは今この瞬間も続いています!「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」の松中権理事とお会いできうれしく思います。「同性婚」か「異性婚」ではなく、単に「結婚」だけがある世界へと進む道について話し合いました(4月25日)

▶平等へのカウントダウンが今始まります。東京レインボープライドで述べたことをもう一度申し上げます。すべての人の平等な権利のために、誰かが我慢をする必要はありません。今こそ国会に皆さんの声を届け、われわれの価値観が忠実に守られるよう行動するのです。LGBTQI+コミュニティーの皆さんが、日本でも米国でも心穏やかに過ごせる時代の到来を告げる時です(4月26日)

「日本国憲法と国民に誠実になろう」

▶G7各国外相、日本労働組合総連合会(連合)の芳野友子会長、そして大多数の日本国民の皆さんは、私と同じ考えです。それは、LGBTQI+の権利を守る「差別禁止法」が、いまこの日本に求められているということです。われわれの誰もがそう思っています(同日、芳野会長との会談を受けて)

▶世論調査のたびに日本国民は声を上げ、差別に「ノー」を突き付けています。今日お会いした国会議員の皆さまは、日本におけるLGBTQI+の権利を守り、変化を起こそうとしているのです(4月27日、山下貴司元法相らとの会談を受けて)

▶共同通信社の世論調査では、日本国民の71%が同性婚の合法化を支持している。国民は時代を先取りし、未来を見据え、誰もがその一員となることを望んでいる。公明党幹部による結婚の平等を求める発言や経済同友会の取り組みは、結婚の平等に対する幅広い支持があることの表れだ。日本は、誰かが作った未来によって道を決められるのではなく、未来を自ら形作るために前進する準備が整っている(5月2日)

LGBT問題で「日本国憲法そして日本国民に誠実になろうではありませんか」と呼び掛けるエマニュエル駐日米大使
LGBT問題で「日本国憲法そして日本国民に誠実になろうではありませんか」と呼び掛けるエマニュエル駐日米大使

▶私が複数の親友から同じアドバイスを受けたら、それに対して真摯に耳を傾けます。都内15の在日外国公館は、ある共通のメッセージへの支持を表明しました。それは、われわれは全ての人の普遍的人権を擁護し、LGBTQI+コミュニティーを支援し、差別には反対するというものです。(5月12日、自身を含む15カ国・機関の駐日大使らが出演する動画とともに投稿。動画でエマニュエル氏は「日本国憲法そして日本国民に誠実になろうではありませんか」と呼び掛けている)

▶岸田文雄首相をはじめとする自民党ならびに公明党幹部のリーダーシップと、差別の撤廃と平等の推進に向けた行動に賛辞を贈りたいと思います。2017年の頓挫してしまった法案とは異なり、今日提出されたLGBTQI+理解増進法案は、万人の平等に向けた長い道のりの重要な第一歩となることでしょう。平等を支持し、変化を求める日本の皆さまのおかげです(5月18日、LGBT理解増進法案の提出を受けて)

▶トリプルプレーが決まった。今日は福岡地方裁判所が、札幌、そして名古屋の地裁に続き、同性婚を認めないのは違憲であるとの判決を下した。日本の裁判所は、平等とインクルージョンのために断固たる態度を示したのだ。国会がこれに続くかどうか注目される(6月8日、福岡地裁の判決は同性カップルの法的保護がないことを違憲状態としており、「同性婚を認めないのは違憲」とは述べていない)

LGBT法で「流れ変わった」

▶今日の衆院内閣委員会における「LGBT理解増進法案」の可決は、日本にとって新しい幕開けとなりました。岸田首相のリーダーシップに感謝いたします。LGBTの権利に関して、日本は主導的な役割を担っているのです。日本国民と政治の担い手が、平等とインクルージョンを支持し一致団結しているという、まさに特別な瞬間です。委員会のこの決議は、改革のゴールではなくスタートです。日本国民は自らの声をしっかりと届けることができました。心よりお祝い申し上げます(6月9日)

▶国家安全保障からあらゆる人の人権促進に至るまで、山口代表そして公明党は連立与党として、不可欠なガバナンスを発揮しています。変化を生み出すのはリーダーシップです。山口代表のリーダーシップのおかげで、史上初のLGBT理解増進法案が今週、国会を通過する見通しです(6月12日)

▶衆院では本日、LGBT理解増進法案の歴史的な採決が行われました。インクルージョンと平等な権利を求める国民の声は明確であり、それに耳を傾けた衆議院はアクションを起こしたのです。次は参院の番です。法案成立というゴールを目指しましょう(6月13日)

▶LGBTQI+の権利前進に向け、着実な歩みが今日も続いています。参院内閣委員会での採決は、国会のリーダーシップが平等とインクルージョンに全力で取り組んでいることを国内外に示すものです。明日、国会は新たな歴史をつくるのです(6月15日)

▶これで流れが変わりました。本日、日本の国会はLGBT理解増進法を成立させました。岸田首相のリーダーシップと、LGBTQI+の権利に対する日本国民のコミットメントをたたえます。これは、万人に平等な権利を確保するための重要な一歩となります。心よりお祝い申し上げます(6月16日)

▶さっぽろレインボープライド2023の開催にお祝い申し上げます! イベントの特徴である連帯とインクルージョンの精神を、誰もが実感できるよう願っています。インクルージョンをたたえることを通して、より良い、より思いやりのある世界を実現できるのです(9月15日)

【令和6年】

▶千里の道も一歩から。東京地方裁判所の今日の判断で、婚姻の自由、そして法の下の平等を実現するために、日本がまた一歩前進しました。ほんとうにうれしく思います。東京地裁は、札幌、名古屋、福岡などの地裁と同様に、日本がより包括的になることを支持しているのです(3月14日、同性婚を巡る東京地裁判決を受けて)

▶われわれが今日ここで行進しているように、日本も万人の平等を目指して前進している。今やインクルージョンを支持する法律が施行され、裁判所では6件の判決が下されている。争いに満ちたこの世界では、排除ではなく包摂の精神で皆が団結すべきなのだ(4月22日、東京レインボープライドに参加して)

「岩屋毅議員を応援します」

▶プライド月間は6月ですが、平等とインクルージョンを求める闘いは、毎月続いています。よりインクルーシブな社会を目指し超党派の取り組みを進める岩屋毅衆院議員を応援します(6月18日、岩屋氏との会談を受けて)

▶愛に差別などない。だから法律もそうあるべきなのだ。平等とインクルージョンを求める闘いが続く中、アクティブな権利擁護団体は変化を求める声を上げている。「LGBTとアライのための法律家ネットワーク」もその一つだ(9月10日、同ネットワークとの会談を受けて)

昨年10月30日のエマニュエル駐日米大使の投稿
昨年10月30日のエマニュエル駐日米大使の投稿

▶同性婚を認めない日本の規定は憲法違反であるとの高裁判決が出された。2審判決は2件目であり、いずれも違憲という判断だ。結婚の平等を求める闘いはまだ道半ばだが、われわれは分かっている。同性婚や異性婚ではなく、あるのは単なる「結婚」なのだ。気候変動や紛争、そして貧困など、世界にはわれわれが目を向けるべき諸課題がある。2人が互いへの愛の表明する方法に労力をつぎ込む必要などないはずだ(10月30日、東京高裁判決を受けて)

▶札幌、東京に続き福岡でも、同性婚の禁止は憲法違反とする3件目の高等裁判所の判決がでました。どの人も同じ権利を有し、認められ、尊重される資格がある。福岡高裁の判決は、このあたりまえのことをより一層強く訴えています(12月13日、福岡高裁判決を受けて)

=肩書はいずれも当時

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