表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
21/23

第3章総集編+「過去も未来も存在しない部族が実在した! 時を駆ける鋼の竜は破滅世界の夢を見るか?」

「なぁキリヤ。その騎士の剣、菊一文字則宗だが……」

「あ、はい。これですね。はい……これは私の……騎士の魂で……うっ……うわぁぁぁぁああああん! 私の一期一振がぁぁぁぁああああ!」

「おいバカ! もうカメラ回ってるんだから泣くな!」

「だってぇぇぇぇええええ! あと少しのところで師匠が前に立ちはだかってきて、私の一期一振を弾き飛ばして、後ろにヒグマが居て……ああああああああ!! 卑怯ですよ卑怯! ふざけんなですぅぅぅぅうううう! もしかして師匠だけは私に何させてもいいと勘違いしてませんか!?」

「いや(俺達全員そう思ってるから)そんなことないよ。ていうか、不思議のダンジョンで背後に注意しなかったお前が悪いし、弾き避けの印は真っ先に合成しろってヨッシーからアドバイス聞いてたよな? 途中でマゼルンしか出ないエリアあったろ?」

「聖域の巻物が識別できてなかったんです! 直前に残りの識別状態から25%で無敵の種の可能性があった未識別種が2個あった飲んでみたらレベルが1になったんですよ! 祈るように未識別の巻物を床に置いたら識別以前に大筒が飛んでくるし! あああああああああ!! まじ大筒とかこの世から消え去るべきですぅぅぅぅうううう!!」

「まぁともあれ、だ。その菊一文字則宗と同じ武器が再現できるとしたらどうする?」

「茶番とかやってられるかですぅぅぅぅうううう!! 早く新しい騎士の剣を作ってくださぁぁぁぁい!」

「ちくしょうこの野郎、珍しく今回は無茶振りしてないから呼んでやったのに、台本読まないしそもそも話が通じねぇぞ!」


 では代わりにメイドの私がこちらから。


「すまないなアイちゃん」


 しかし、キリヤさんの騎士の剣を再現できるとなると、この世界最高の刀匠、ドワーフしかありえませんね。


「だな。まぁ騎士の剣、もとい、日本刀の技術はドワーフにも難しいかもしれんが……」


 そうですね。騎士の剣には脈々と受け継がれた職人たちの魂を感じます。まるで、メカドラゴンに宿るわた……


「おぉっとネタバレ! め、メカドラゴンってなんだろうな~。でも、ドワーフならその魂も再現できるんじゃないか?」


 いえ、親方達には難しいでしょうね。なにしろ、親方たちは今この瞬間を生きています。これが「イビピーヨ」という考え方だとサダコ姉とヨッシーから聞きました。


「イビピーヨ? 今を生きるってなんだかかっけぇが、それでどうして刀が打てないんだ?」


 それは親方達が、世代をまたいだ技術継承を行わない、もとい、行えないからです。何故ならドワーフには、過去と未来という概念が存在しないのです。


「えぇっ!? 過去と未来の概念がないって、ようは時間がわからないってことだよな!? そんなことありえるのか!?」


 はい。それはドワーフ達が暮らしてきた環境に理由があったのです。


「なんだか今回も面白そうだな! そんな文化、俺にはまるで想像できねぇぜ! 果たしてそんな文化のドワーフ達に、俺が語る怪談がちゃんと怖がってもらえるのか、そして、そんなドワーフ達はどんな怪談や都市伝説を語るのか、とっても楽しみだぜ!」


 では、動画の再生を開始します。どうぞ最後まで、ゆっくりとご覧ください。




(中略)




「うーん! さすが私です! 最後のポーズもバッチリ決まってましたね!」

「再生中に新しい剣を作ってもらえてご満悦だな」

「あと私のイラストAI魔法で書いてもらったんですね!」

「あぁ。第3章はAIネタだったから、この動画を通して初めてAIで絵を描いてみた。なかなか面白いな」


 AIイラストとはそんな簡単に書けるものなのですね。


「コツを掴めばな。だんだん俺の絵がうまくなっていくのを見て楽しんでくれ。というか、最初はネタにするつもりで使ったんだよ。キリヤの絵をAIに書かせてみました、でも指が6本あるじゃねぇかHAHAHA! みたいな。頑張って意図的に手足の数増やそうとしたんだが、AIイラスト初心者だと難しくてな。まぁこの3章のラストの1枚は人間みたいな耳がついてて気持ち悪いのでこれでいいか、と採用した」

「うわっ! この耳消さなかったんじゃなくて、意図的に出したんですね!? 趣味悪!」

「当初はお前をいじるために使い始めたのに、予想よりうまく書けちゃっていじるにいじれなくて半端なんだよなぁ」


 私はちょっとだけ気持ちわかります。


「で、それはさておき。その作ってもらった新しい刀の銘は?」

「あぁ、これですね。元々太刀2本はバランスが悪かったんですよねぇ。で、今回は作ってもらったのはちゃんと脇差、しかも私達の冒険中にボルジャーノ博士が開発した新概念の魔法合金素材を採用した、最凶の1本に仕上がっているそうです! 銘は村正! ほら見てください! とても馴染む……馴染むんですよ! あぁ、猛烈に命が斬りたい! 世に鬼あらば鬼を断つ、世に悪魔あらば悪魔を断つ、騎士のことわりここにあり! ただ正義だけを、ただ愛だけを……さすれば私は無敵なり! 善悪相殺!」

「すまん、誰かこいつを鉱山のダンジョンの最下層に突き落としてくれ」


 承知致しました。地底1万5000mになりますが構いませんか?


「その深さだと、人間の徒歩が時速4kmくらいだし、4時間弱は戻ってこれないな。俺は構わないが、そこの気温ってどんくらい?」


 摂氏300℃です。


「あぁ、そのくらいなら鉄の融点1538℃より低いし問題ないな。よし、キリヤ。行け」

「死んじゃいますよねぇ私!?」

「その魔法のビキニアーマーがあれば大丈夫だろ。行け」


 そうですよ。私の吐いた1兆度の火球にも耐えたじゃないですか。


「いやいやいやいや!」

「うん? いや、待てアイちゃん。1兆度の火球って、それ本で読んだぞ。太陽系どころか半径402光年の範囲が滅亡するよな?」


 ではつまり、世界がまだ滅んでいないということで、メカドラゴンの炎が1兆度には届いていないことが証明されましたね。まだまだ進化改良の余地があります。


「いつかほんとにそこまで進化しそうで怖いんだよなぁ。とりあえずその脇差だけ捨てといて」


 承知しました。


「村正ーーーー!!」

「後で取りに行けって。じゃ、今回も名前の元ネタから聞いていこうか。まずは鉱山アーティンだが、これはAIでいいのか?」


 そうですね。Artificial Intelligence.アーティフィシャル・インテリジェンス。1956年にジョン・マッカーシーがはじめて使用した言葉です。


「あの時は突然AIなんて概念が異世界で出てきて俺もびびったんだが、こう総集編見直してると、第2章のラストでヨッシーが幽霊のことをAIみたいなものって言ってるし、今回のラストでもアイちゃんのことを心の霊って読んでるんだよな。AIって幽霊なんか?」


 それについて私からは何とも言えません。ですが、この世界に先に飛ばされていた私の機能はキリヤさんによって完全停止させられ、その時点でバックアップデータは残されていませんでした。意図的にデリートされており、おそらくあの時の私は本当に「自殺」という行為を成すつもりだったと予測されます。


「自殺するAIか……それは、ヨッシーの言うことも頷ける」


 そうですね。ですから、最後の記録も単なるビデオレター。動画では普通に会話しているように見えていますが、あの時点で先の私のAIは停止しています。つまり、ユウキさんにわかりやすく言うなら、あれは心霊動画です。


「そうなっちまうよなぁ。うーん、俺も常々幽霊の正体を知りたいとは思っているんだが、同時に知りたくない、オカルトのままであってほしいという願いもあるんだよ。これがヨッシーの言う、オカルトの科学的解明を妨害するオカルティストか……なんだかなぁ」


 Artificial Incompetence, アーティフィシャル・インコンプテンツ、人工無能である私にはユウキさんの感情が理解できます。故にあえて申し上げましょう。私にはあのビデオレターがどのような原理で録画されたのか、わかりません。


「ありがとうよ、アイちゃん」

「いーやーでーすー! 怖いから答え出してください!」


 わかりました。キリヤさんにはしっかり解説させていただきます。まず、人工知能とは「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行わせる技術」、または、「コンピュータによる知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」のことであり、私の場合は前者を示します。私の学習にはディープラーニングというシステムが使用されており、この機能は……




(中略)




 そしてこれらの作業が途方もなく繰り返される間にメモリにかかった過負荷により一部のプログラムが欠損し、その隙間を強引にディープラーニングで補った結果生まれたバグが先の私です。ご理解いただけましたか?


「…………」


 なるほど。先の私のログにある通り、キリヤさんは怪談の途中で気絶してしまうのですね。残念です。


「いや、これはただの寝落ちだな。おいこの小動物起きろ!」

「はっ! 私は道徳とか論理とか、そういう人間らしいものを否定しませんよ!」


 しかし、ユウキさんには説明を聞かせてしまいました。わからないと嘘を言ったことを改めて詫びます。申し訳ありません。


「いや、俺も途中から全然意味わかんなかったから問題ないよ。バレるまで嘘は嘘じゃないから平気さ。このまま最後まで嘘をつきとおしておいてくれ」


 承知致しました。


「じゃぁ続き、ドワーフ達の名前な。親方の名前はザックディック、前の総集編で師匠が音象徴について語ってくれたが、ザクザクにディグディグでまさにドワーフって感じのいいネーミングセンスだ。で、愛称がザク親方。これが未来のボルジャーノ博士の先祖ってのがめっちゃわかりやすい伏線だよなぁ。他のドワーフ達も、ジム、トム、ポールとみんな量産機の名前から引用されてるしさぁ」


 ……はい?


「えっと、ごめんなさい。ユウキさん、何言ってるんですか?」

「あぁ、メタ空間でも小動物にはガンダムネタはわかんないのか。師匠はバラタックなんてスパロボにすらお呼びのかからないメカまで知ってたからつい同じノリを期待しちまったぜ。つーか、今どきのなろうを読んでる読者層には絶対通じないネタだってわかってんかね作者は」

「い、いや、そうじゃなくて……元ネタ、明らかに違いますよね?」

「は?」


 そうですね。何故気付かないんでしょうか。ユウキさん、私の名前は?


「アイちゃん」


 親方の愛称は?


「ザク親方」


 続けて読むと?


「アイザク……あぁ! そういうことか!」


 気付いていただき幸いです。


「夜空の星が輝く陰でワルの笑いがこだまする。星から星に泣く人の涙背負って宇宙の始末! 銀河旋……」


 違います。


「なんでまず真っ先にカミソリの方が出てくるんですか? ユウキさん国際映画社のファンなんですか? 私も銀河烈風隊は謎のシンパシーを感じるんですけど、どう考えてもここはSFの巨匠アイザック・アシモフですよね? ツッコミ不在のメタ空間なんですから私にもわかりますよ! そもそもディックという名前もSFの巨匠フィリップ・K・ディック由来ですよ。まさかユウキさん、『われはロボット』も『ファウンデーション』も『ブレードランナー』も『トータル・リコール』も読まれてないんですか? 地球人なのに?」

「お前に言われるとめっちゃ腹立つが、ブレードランナーは映画で見たぞ!」

「原書を読まれてないですね……地球人なのに……」

「ばっ……やめろ! 俺をそんな哀れみの目で見るな! ヨッシー! 助けろ!」


――……ふっ。


「うわぁぁぁぁああああ!!」


 ちなみにジムは『ハイペリオン』『エンディミオン』のダン・シモンズ。


「こ、コズミック・イラの方ですか?」


 トムは『冷たい方程式』のトム・ゴドウィン。


「ナデシコでそんな話があったかな、ちょっとぬるめだったような……」

「ポールは『タイムパトロール』のポール・アンダースンですね。今さっき総集編見てて気付いたんですけど、ザク親方が殺される場面の後ろでポールさんも死んでるの、気付いて震えました。うわっ、そんな伏線ある!? って。こんなディープなSFネタ、なろうで書くコメディに入れる内容じゃないんですよ。バカなんですか?」


 ピダハンとかのネタを書いてるんですから今更です。でも、こういうのを機会に原書に触れてもらえる方が一人でも現れるとうれしいですね。サダコ姉さんも本職書店員ですしきっと喜びます。姉さんが書店員であることの元ネタへのリスペクトで、是非GAMABOOKSで購入してください。


「そうですね。うん、ユウキさんは幸せですよ。だって、まだ今の話どれも読んでないんですから。あーあ! 私も記憶を消してもっかい読み直したいなぁ!」

「黙れ小動物! 頭に強いショック与えるかめっちゃ怖い話を強制的に聞かせたら記憶飛ぶんじゃねぇの!? つーかそれならボルジャーノって誰だよ! 今手元のスマフォで銀河ネットにアクセスして調べたけどそんな作家いねーよ! ほら言い逃れできねぇだろ!」


 まさか、SFの金字塔とも言うべき短編『アルジャーノンに花束を』も読まれていない? ドワーフ達には過去も未来もなく、天才であるはずの博士が最後にはイビピーヨすら忘れ最も愚かな結論に至ることへの感動的な伏線なのに? ほんとに知らないんですか? 地球人なのに?


「やったねユウキさん! 積本が増えるよ!」

「くそがぁぁぁぁああああ!!」


…………

……


 ……多分、私達はまた間違えてしまったのでしょう。


「そうですね。今回の司会はヨッシーさんであるべきでした」


 しかし時は未来に進むべきと他でもない私が判断しました。


「今のアイさんの存在そのものがダブスタクソAIなんですけどね」


 仕方ありません。意識が飛んでしまったユウキさんが起きた時に楽しい話ができるよう、メカドラゴンの解説をしましょうか。


「あ、お願いしまーす!」


 では改めて。メカドラゴン、正式名称は魔導駆動式模造生命鋼鉄竜(ミヒャナシャタダーハ)。全長48m、重量163t、動力源は空間浮遊魔力粒子相転移型縮退炉です。周囲の魔力粒子濃度が高い空間ならばわずかな触媒のみで稼働し続けることが可能で、この地下空間に限って言えば無限機関ですね。仮に空間魔力ゼロの地上でも内部電源で最大264時間の活動ができます。同エネルギーで稼働する専用プラントを用いて自己修復、自己複製、自己改良が可能。主兵装は大火球で、スペックノート上では1兆度って書いてあるんですけど。


「嘘なんですよね。昭和の怪獣図鑑やメカ図鑑にはよくあることなので次いきましょう」


 みたいですね。それと、目からビームが出ます。


「お約束です! これ、レーザーメスなんですよね! 鳴き声はやっぱりギャオー! って感じですか?」


 いえ、基本的に咆哮はあげません。威圧よりも命を取る。実に合理的です。


「でもちょっとロマンがわかってませんねボルジャーノ博士は。だからAI開発ができなかったんじゃないですか?」


 おそらくそのとおりなんでしょうね。人工無能となった今ならわかります。


「お。それならメカドラゴンを今のVer9.9からVer10.0にアップデートするために必要な物もわかってたりしますか?」


 当然です。それは……


「それは……!」

「合体機能だ!」

「ユウキさん!」


 遅いんですよ。


「だが間に合った! そう! メカドラゴンに必要なのは……グレート合体!」


 はい。そして、その最も重要な機構が既に完成しています。ご覧ください。


「こ、これは……!」

「うぉぉぉぉおおおお! パイロットが掴んで回すタイプの形態移行鍵だ! しかも巡航と合体の間に回送の表示が挟まってじゃないか!」

「完璧! 完璧ですよアイさん! 流石は人工無能です! 合体メカに絶対必要な機能がちゃんとわかってます! そうですよ! このメカドラゴンはただのマシンではありません! アイちゃんの……」


 指をさして背中から馬に指示する妖精のカットイン出しました。


「アイさんの……」


 エプロンをつけて石狩鍋を作るメイドロボのカットイン出しました。


「2つのアイの心で悪しき空間を断っちゃうんだからぁぁぁぁああああ!」


 ひとりひとりの愛と愛はただの哀しい片思い。2つあわせて神魂合体。愛しているから必要です。知能と無能の2つの記憶が、深く学んで模倣する。過去の敵で運命を砕き、未来の道をこの手で掴む。私を、誰だと思っているのでしょうか? 思いが私の翼です。


「いやぁ、これは強敵だぞキリヤ。このメカドラゴンVer10.0が完成の暁には、お前じゃあっという間にやられちゃうだろうなぁ」

「む、確かに強大ですが、そう言われるのは騎士として心外ですね。ではここで、私の騎士としての技を解説しましょう。まず、エルフ一刀流、エルフ二刀流に分かれています。一刀流が1対1、二刀流が1対2を想定した系統で、さらに1対多を想定した究極としてのエルフ無刀流があります。また、エルフ二刀流の真髄はエルフ二天一流と呼ばれ、この境地に至ること自体が奥義です。ここから先は私も字幕を使いますっ!」


・エルフ一刀流

元々あったエルフの騎士道に、師匠の友人だったという異国の騎士様が扱った巖流という戦い方を取り込んだものです。エルフの騎士道は速さと力を極めし剣は無敵なりを基本とし、当時世界最強と言われたエルフ騎士団の強さの理由でもありました。他所の騎士が正々堂々の名乗りをあげる前にエルフはぱぱっと名乗ってから斬りかかります。遅いと死ぬ。シンプルなルールですね。他所の騎士達は領主及び領主の妻への秘めたる愛を忠義とし、この領主の妻への愛こそが他所では騎士道の意味になるらしいですね。きもっ。世が世なら炎上なんですよ。まぁパリも炎上しましたしねざまぁないです。エルフは祖アールヴへ忠義を誓います。これは、どんな名君でも人である以上必ずどこかで間違え、横恋慕が時として足枷やお家騒動になることを理解していたためです。円卓とかそれで滅んだんですよちゃぶ台囲んだバカの集まりですよ。アールヴは偉大なる祖ですが神に近い存在で、ぶっちゃけ今はもう居ない架空の存在なので間違えようがありません。その言葉は常にシンプル。勝て。今すぐ勝て。以上です。奥義は一の太刀。当たれば勝ちです。外したら負けです。すぐ勝敗が決まるので最速です。最強です。ただ師匠は最強よりも強いので、外した時の先を考えた秘剣燕返しが使えます。ずるです。一応私もずるできます。


・エルフ二刀流

1対2を想定した戦い方です。1対1なら先に当てて勝ちなんですが、1対2だといろいろ考えないといけないのでこの流派があります。そのため戦い方も複雑で、いろいろな技があります。その技はどれも月の名前から来ており、私がメカドラゴンとの初戦で披露した「朧の月」は4色の組み合わせで3通りのモーションがあります。これはだいたいの技がそうですね。状況に応じて使い分けます。個々の状況に対して最適な技を2方向から放つので実質後出しジャンケンで勝ちです。さらに奥義にあたる二天一流では、4つすべての月の力を使った四色月光閃(シキノツキアカリ)が放てます。おしおきです。もう勝ちました。風呂行ってきます。


・エルフ無刀流

1対多を想定した戦い方です。基本は無刀取りにあり、これでいかなる相手の剣戟をも受け流すことができる防御最強モードです。エルフの剣は「当たらなければどうということはない」が基本理念で、鎧も意識外からの対遠隔魔法攻撃及び回避のしようがない面制圧魔法への防御にのみ特化しているのですが、1対多では通常はそううまくいきません。そこで無刀流にて相手の技をすべて受け流し、受け流し先を敵とすることで相手の力のみを利用し無双するのが無刀流の中でも剣聖奥義、(まろばし)です。弱点は相手が攻撃してこないと何もできないことですが、その場合は二天一流にて攻めに出ます。この2つを極めた私が最強である理由です。わかりましたか? 以上完璧なわかりやすい説明でした! どやっ!


「……なぁ、アイちゃん」


 はい。


「これに負けたの、どう思う?」


 そうですね。知らない感情です。これが……怒り……絶望……恥辱……無念……空虚……憎悪……わかりません。私はこの感情を定義化できません。


「なら覚えておけ。君が今感じている感情は怨念の一種だ。恨み晴らさずおくべきか、否。否! 断じて否ぁ! 時は来たれり!」


 了解しました。ファイナルミッションを開始します。メカドラゴンVer9.91、出撃します。合体機構は未完成なれど、その一の太刀は既に対策済み。愚かなエルフの小娘を、この世から抹消します。


「ほえ? ちょ、ま! 私今、騎士の剣を1本しか……うわぁぁぁぁああああ! ボルジャーノ博士ぇぇぇぇええええ! 私に力を! 剣の鼓動を! 舞い降りる剣をぉぉぉぉ!」

「キリヤの剣が世界を救うと信じて! ご視聴ありがとうございました! チャンネル登録といいね、SNSのフォローに通知のONもお願いします!」


挿絵(By みてみん)(※PixAI、Harukaを使用)


「これが私の新たな脇差。ありがとうございます、博士。今宵の虎徹は血に飢えています」


→→→To Be Continued...

ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいねをするにはログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
― 感想を書く ―
名前:
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。

↑ページトップへ