(cache)のりまきからさくらへ～あわさくらの性別移行記（あわ☆さくら） - 【07】紀寿の大学生時代～性別迷子な紀寿と孤独の間で

　２００８年３月、反捕鯨団体シーシェパードによる日新丸妨害事件がおきたのと同じ時期です。　紀寿は、東峰学園大学への入学審査のテストに見事合格し、附属工業高等学校機械科から同大学工学部電気電子工学科への進学することになりました。　此間、名前をつけてくれた祖父の他界やいじめっ子に対する厳しい指導があるなど変化はありましたが、目標通りに高等学校を卒業し、大学へ進学することできました。　なお、このころから、常にコンパクトカメラを携帯するようになり、草花や鉄道車両を日々撮影するようになりました。　そして、翌月の４月から大学生としての生活が始まりました。　高等学校までは、戸越公園から駒場東大前までの短い距離の通学でした。　しかし、東峰学園大学のキャンパスは (春日部より北側の) 埼玉県宮代町にあり、高等学校に比べて通学時間が長くなりました。　それゆえ、１年間は西大井～品川～上野～北千住～杉戸 (東武動物公園) というゆうに２時間はかかるルートを経て、通学することになりました。 (※後に、精神衛生上の配慮から、西大井～東京～錦糸町～押上～東武動物公園のルートに変更。) 　大学生としての生活は、長期間での通学、授業ごとに不特定多数の学生が入れ替わる、電気電子工学科への編入がゆえに授業が難しい、自由時間は多いものの精神的な孤独を感じやすいなど辛い面がありました。　しかし、"そのようなことをいっていては落第してしまう"と自らに言い聞かせ、毎日遅刻なくレポートや課題も期日に出すなどできる限りのことをこなしていきました。　そんな大学生の紀寿、身体は高校生よりもよりひげが目立つ男らしいものとなっていました。　世にいう自慰行為とも異なる"局部を押し込む言動"がよりエスカレートするのとともに、毛があることに強い違和感を抱いてシェイバーで全身の毛を剃ったり、脱毛クリームを塗るなどのアクション。週刊誌などにあるグラビア雑誌やビーチバレーボール関連の記事・中継を見て、このような女の子に生まれたかったという思いをより強くしていきました。　さらに、大学生の後期には、妹にあげる水着という建前のもと、ローマスポーツというスポーツ用品店で売られていたアディダス・デサントなどの水着を買い込み、家族に内緒で着用すること、山野草や花を育てたり、花を活けたり、草花を撮影することも多くなりました。　なぜ、こうなるのか、もしかして性別迷子なのか、異常性癖なのかと疑いつつも、家族にそれを言い出せない孤独感をいだいていました。　また、この孤独感から逃げたり、脳裏にある自分の女の子としての感性を吐き出す?目的で、２００８年１２月から小説を通学時の電車内で書き始めました。　(※天つ乙女と毛獣の原始作(天女とハイド)は、２０１０年より開始) 　やはり、小説を書いているとき、男の子での視点で物事を考えるのが下手な一方、女の子の気持ちにたって物語を書くとスラスラと書けることから、頭脳が女の子であり、感情移入しやすいことがあったと考えられるわけです。　家族に性別の悩みを言えない孤独感、より男の子の姿になりゆく身体とそれに抗う自分、小説を書くうちに女の子の気持ちが理解できる。　自分自身の性別が何なのか、性別迷子ともいうべき状態のもと、大学生の４年間が過ぎていきました。

【07】紀寿の大学生時代～性別迷子な紀寿と孤独の間で

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