(cache)のりまきからさくらへ～あわさくらの性別移行記（あわ☆さくら） - 【02】紗良(さくら)のいま

　令和２年、夏に東京オリンピックが行われる頃のことである。　紗良は、荏原町と馬込の間にある中延5丁目の家賃5.6-5.7万のマンションに住んでいる。　月曜日から金曜日の週５日ほど高樹町・西麻布にある"とあるメーカー"の事務補助員にてＯＬ（女性会社員）として働いている。　専ら、女性として職場では扱われ、女子化粧室を使ったり、純女さんから女子力が高いとちやほやされるなど精神的にも安定した職場に環境のもと仕事に携わっている。　また、性同一性障害のほか、先天性の発達障害(ADHD・広汎性発達障害)も持ち合わせていて、高田馬場にある有名なクリニックに月に１回ほど通院し、主治医と今後の性別移行に関する悩み・職場での動き方について様々なアドバイスをいただき、生活に応用している。　自由が丘にあるクリニックにて２週に１度注射による女性ホルモン投与をしており、性別適合手術後の自らのあるべき姿になるための準備を虎視眈々と進めている。　通勤は、発達障害の感覚過敏からくる立ちくらみあるため、都営地下鉄浅草線を利用して通勤している。　まず、紗良の趣味といえば、ビーチバレーと小説の執筆。　ビーチバレーは、KBSCというスクールに定期的に通い、ホルモン治療に伴う体力の低下を補うのとともに、今後性別移行した後に選手として出場することを密かな目標として、アトランタ五輪の元日本代表・石盛雪美(いしざか　ゆきみ)氏の指導を受けつつ、２人制のビーチバレーの基本動作・ルールを会得しつつある状況であった。　小説執筆は、あまおと(天つ乙女と毛獣)の執筆を行き帰りの電車の中で行い、ノベルアッププラスの小説として公開することである。　以前MAGNET MACROLINKのコンテストの結果が発表され、あまおとが一次選考にランクインし、コミケC96のサークル出展確定に伴うビーチバレー本の編集とともに忙しくなりそうだといっていたのが記憶に新しいところである。　性別移行を進め、彼氏と順風満帆な生活を送ったものの、DVの被害を受けて品川区中延5丁目に定住した紗良だが、うっすらと性別の違和感を抱きながら誰にも言うことのできなかった時期があった。　そう、両親の元に生まれてから２７才になるまでの四半世紀近くに渡る実家時代のことである。

【02】紗良(さくら)のいま

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