サブスク解約、米国は「ワンクリック」で バイデン氏置き土産、日本でも消費者保護に期待

ワシントンの米国務省で演説するバイデン大統領(AP=共同)
ワシントンの米国務省で演説するバイデン大統領(AP=共同)

米連邦取引委員会(FTC)は14日、消費者がサブスクリプション(定額課金)サービスや会員制サービスを簡単に解約できる「click-to-cancel(クリックしてキャンセル)」ルールを施行した。手続きを複雑にして解約しづらくさせたり、同意なく自動更新で課金が行われたりするサービスを禁止する。スマートフォンアプリやウェブサイトで消費者を惑わし不利な選択に誘導する操作画面の設計を「ダークパターン」と呼び、国内でも規制が検討されているだけに、消費者保護の強化につながると期待されている。

今回施行されたルールでは、消費者がサブスクを解約する手続きを「登録時と同じくらい簡単にする」ことを求めている。一定期間の無料キャンペーンを経て自動で有料課金に移行するなど、消費者が特定のサービスを明示的に拒否しない限り受け入れたとみなす「ネガティブ・オプション」は、課金の仕組みについて、サービス規約とは別に同意を取ることが必要になる。企業は約半年の移行期間を経て義務化される予定となっている。

定額課金や会員制サービスでは、解約しようとするとアンケートなどが表示され、なかなか解約ボタンが表示されないことが多い。無料キャンペーンから自動で有料課金に移行し、複雑な手続きで消費者に解約を諦めさせるような悪質なケースも目立つ。こうしたダークパターンに対し、バイデン大統領は「時間とお金を浪費させている」と批判。消費者保護の強化を打ち出してきた。

IT大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)ビジネスリスクコンサルティング部の石村卓也副部長は「米国でビジネス展開をしている企業は規制に対応していく必要がある」と指摘。一方で、「企業は厳格な米国の基準に合わせていくことになり、日本も消費者保護が強まる」と期待を寄せた。

ダークパターンに対して、日本では特定商取引法や景品表示法などで取り締まりが行われているが「法規制は局所的。違法となる要件が狭い」(石村氏)という。違法となる事例とマーケティング手法のひとつとみなされる事例の線引きが難しく、トラブルは後を絶たない。

IIJなどは昨年10月、ダークパターンのないウェブサイトを認定する中立な第三者組織「ダークパターン対策協会」を発足させた。1月末に事業者向けにガイドラインを公表する予定で、7月から認定制度の運用を開始する。(高木克聡)

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