甘えることが絆ではない。
歌舞伎町の地下にある怪しい店に呼び出された。タイミングが合う限り、誰にでも会う。時折、やばい人にも会う。危険な匂いがした時は、脱出経路を確保する。トイレを調べ、窓を調べ、最悪ここから逃げればいいかと腹を括る。女性が来ても油断はできない。美人局の可能性もある。会った人から会う前は怖かったですと言われるが、私も怖い。私は素性を明かしている。騙されるリスクは、私の方が高い。それでも、呼ばれたら会う。
風俗店で働く綺麗な女性が遅れて店に来た。いろいろ話した結果、どうやら騙されていないみたいだと結論付けた。実際は騙されたとしてもいい。自分の中で「騙されていたとしてもいい。その時は俺に見る目がなかっただけだ。美人局でも構わない」と思うことで、自分なりに決着をつけた。女性は「こんなことは他の誰にも話せない」と、身の上話をした。時折、涙を流したりもした。話し終えた後に、女性はスッキリとした顔をしながらありがとうございますと言った。ここまではよかった。だが、このあとがあまりよくなかった。
女性は「嫌じゃなければ、けいごって呼んでもいいですか」と言った。呼び捨ては嫌いではない。だが、呼び捨てにするには、呼び捨てにするなりの覚悟がいると思う。その覚悟がお前にはあるのかと思いながら「いいですよ」と言った。悩みを話し終えてスッキリしたからなのだと思う。女性は完全に油断していた。私を呼び捨てにしたいと思ったのは、絆を感じたからではなく、ただ、甘えたいからなのだなと思った。甘えることは嫌いではない。だが、甘えるのが早過ぎると思った。
その辺のおじさん相手だったら、媚態を見せることも有効なのだろうなと思う。甘えることで、距離感の近さを感じさせることもできるのだろう。だが、私は、蛇のような滑り気は得意ではない。私を惚れされたいのなら、馴れ合いではなく、気風の良さを見せて欲しい。安易にさみしいと言うのではなく、岩下志麻のように、遠い目をしながら「寒くなってきたね」などと、言って欲しい。いい女は、安易にさみしいとか言わない。言わない代わりに、言葉ではなく、態度から醸し出す。甘えるのが早過ぎる。やせ我慢せんかい。そんな普通のことをする奴は俺の前に来るなと思った。
そのようなことを伝えたら「酷い」みたいな顔をされて、女性は獣になった。小手先の人間になるより、神算鬼謀の獣になる方がずっと魅力的だよと思った。強くて、美しくて、純粋なものが、私は好きだ。甘えや弱さなどを含めた権威は、人間をコントロールすることはできても、関係性を築くことはできない。自分を酔わせるハッタリをかませる奴が、周囲も酔わせるハッタリをかませるようになる。ハッタリをかませない奴に、魅力はない。甘えは、運とセンスをダメにする。仲良しこよしは他でやれ。甘えることが絆ではない。情にほだされるな。権威ではなく、色気で魅せろ。
おおまかな予定
1月17日(金)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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