性的少数者団体の元共同代表に無罪判決 暴行罪「合理的な疑い残る」
都内のホテルで女性に抱きついたとして暴行罪に問われた、中野区中野1丁目の看護師、浅沼智喜被告(35)の判決公判が16日、青森地裁であり、小沢光裁判官は無罪(求刑罰金20万円)を言い渡した。
浅沼被告は「浅沼智也」という別名で、性的少数者の支援団体「トランスジェンダー・ジャパン」の共同代表を2023年10月末まで務めていた。
浅沼被告は23年2月、都内のホテルの客室で、40代の知人女性に背後から抱きつくなどの行為をしたとして、強制わいせつの疑いで青森県警に逮捕され、その後、暴行罪に切り替えて起訴された。
判決は、検察側が証拠とした浅沼被告と知人女性とのメッセージのやりとりについて、「暴行の事実を推認させる力はかなり限定的で、証拠価値も乏しい」として、「知人女性の証言は不自然な点が多く、にわかには信用しがたい内容である」と指摘。「被告が暴行を加えたと認めるには合理的な疑いが残る」と判断した。
判決後、浅沼被告は取材に「罪が晴れてホッとしている。私を信じてくれた仲間に感謝している」と話した。
浅沼被告は23歳の時に性別適合手術を受け、戸籍上の性別を女性から男性に変えている。判決後の取材では、警察の取り調べに対して、「LGBTQ(性的少数者)への知識に乏しく、人格を否定するような差別的な発言を受け、苦しい思いをした」と批判した。
弁護側は判決について「密室の事件という難しさがあったが、浅沼さんがくじけずに闘い続けた結果だと考えている」と述べた。
青森地検は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。
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