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100本のスプーンと歩んできたこれまでと、これから描く未来

インタビュー中、髙橋さんの眼差しや熱量に圧倒されながらも、ときにホロリと出る迷う姿にはキッチングループのリーダーとしてスタッフを率いながらも、まだまだ向上していく、という気持ちが伝わってくる。髙橋さんの7年間とともに、ブランドのこと、仲間のこと、100本のスプーンのこれからについて聞いてみました。

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髙橋徹也 (Tetsuya Takahashi)

100本のスプーンの総料理長。2015年入社。服部栄養専門学校を卒業後、神楽坂のフレンチ「ル・マ ンジュ・トゥー」、神谷町の「シェ・ウラノ」など個性豊かなシェフの元で修行を重ねる。100本のスプーンでは「あざみ野ガーデンズ」「二子玉川」「東京都現代美術館」「立川」の料理長を務める。離乳食をはじめとした100本のスプーンの全料理を監修。自身も三児の父親として日々子育てと向き合っている。趣味はキャンプ。

美味しい料理を作るだけじゃない、料理長としての仕事


ー最近はどう過ごされていますか?

この間のクリスマス、25日の18時に帰ったんですよ。2番手のスタッフにすべて任せていて、彼がしっかりとやってくれているのでいきなり帰るよって言って。みんなも「帰ってください!」って言ってくれて。

それでひさびさに子どもたちが動いてるの見ましたね。クリスマス期間中は準備でなかなか子どもが起きてる間に帰れなかったので「パパ帰ってきた!」って子どもたちもびっくりしてて。クリスマスの夜は楽しく過ごしました。
※100本のスプーンではクリスマスは特別コースで営業

ーレストランで働いているとクリスマスに帰れるってなかなかないことですもんね。かなり信頼しているんですね。

そうですね、信頼というか、料理長の仕事は美味しい料理を作るだけじゃないっていうのがあるから。街場のレストランって、そこの料理・雰囲気・シェフに憧れて店に入るじゃないですか。だから育つかどうかっていうのはそのひと次第なんですよ。だけど100本のスプーンではブランドのコンセプトや客層を意識して料理を提供していて、働く人達の力量を加味して設計しているので、そのレベルまで持ち上げていくのも僕たちの仕事なんですよね。だから僕がいなくても同じ料理を出せるっていうのは目指さないといけないことなので、そこは狙っているところもあります。

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「お店が回れば誰がやったって別にいいということではない。どのメンバーでも同じパフォーマンスが出せるということは、チーム全体のレベルがあがるということ。」

切磋琢磨してきた日々

ーチームとしての士気があがったな、と感じた瞬間はありますか。

100本のスプーンに入って1、2年目、あざみ野店に所属していたころ、本社のクリエイティブの部署から宮川(現在は100本のスプーン事業部長)がやってきたんですよね。サービスの経験もなく、お皿も運べるか心配なくらいで最初は期待していなかったんですけど。でも彼が「あざみ野店は地域に愛されるお店にする」っていうのを掲げだして。近くに引っ越して地域のことを徹底的に調べてそれをアウトプットして行動する姿には共感も尊敬も持てて、お互いに意見を交わすようになっていきました。
大丈夫だろうか?と疑ってた施策がうまくはまったりして、悔しい…って思うこともありました。

ー例えばどんなことですか。

ファミリーレストランで平均単価が1400円ぐらいのところを、2000円のコースをやるとか。ファミリーレストランでコースなんて、と思ってたのがランチタイムの半数近いお客さんがコースを目当てに来てくれて、はまったんですよね。今考えれば、地域の住民の平均収入とか傾向をマーケティングできてからこそたどり着いたことなんですけど、そういうことができる優秀な上司や仲間の様子を目の当たりにして、僕は僕でそこにフィットする料理を考えたりと、できることを一生懸命やろうと思いました。ともに切磋琢磨してきた感じはありますね。

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施策のひとつとして開催した離乳食教室では講師も担当。意外にも人前に立つのは緊張するという髙橋料理長。

チームとしての底上げ

ーいままでとは違う視点を持てたのは100本のスプーンならではですよね。
ブランド全体の成長は感じていますか?

それは感じますよ。店舗数も社員数も7年の間で2、3倍になって。後輩の方が圧倒的に多くなって、気が引き締まります。

ーブランドの成長や規模の拡大というところで言うと、いままで店舗ごとの色を出していたメニューから、グランドメニューを統一しましたよね。スタッフからのネガティブな意見はありませんでしたか。

いま振り返ってみると、これまで7年のなかで、はじめは僕も他の店舗に負けないような美味しいものを作る!っていうのがモチベーションになっていた部分があったので、自分らしさを出すことで伸び伸びできるのは理解はしています。でも自分が食べたいものだけ出すっていうことしか考えていないのは、何も考えていないのと同じこと。決められたルールのなかで、安心・安全で最高のパフォーマンスを出すということが大事な過程に入っているから。

以前、メニューのアレルギー表記にミスがあってお客様にご迷惑をかけてしまったことがありました。危機管理に対してイメージができていなかった部分が顕わになったと思うんです。やるべきことが明確になり、身を引き締めて対応しなきゃいけないって思いました。いまは各店舗の料理長たちもそれを理解した上でお互いを尊重しているので、一歩レベルがあがったなと思います。

受け継がれていく想い

ー課題に感じていることはありますか。

チームの中で上司と部下の間の意識の差をなるべく縮めることですかね。
僕がやってきたことって「こういう風に仕事をするんだぞー」って見せることなんですよね。例えば、部下が出勤時間の3分前に笑いながら歩いてきて着替えて、タイムカードを押したときには1、2分過ぎていたりとか。本人、全然気づいていないんですよね。遅刻したことに。

僕は未だに出勤の30分前から緊張していて、仕事をする前の準備をしている。それぐらい責任感のある仕事を君たちに任せているんだよって根気強く伝え続けるのも僕の使命だと思っています。いままで100本のスプーンでやってきたなかで、想いを持って相手に向き合うことで相手の心が動くということを感じてきました。古いやり方かもしれないけど、大事なことだと思っています。

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「僕と君が一緒に働いている時間ってあんまりないかもしれない。ということは君の心を動かせるチャンスっていうのは今しかないってこと。」

ーそれだけ真剣に仲間と向き合っているってことですよね。仕組みや体制づくり以外に、髙橋さんのように想いを伝えてくれる人っていま、貴重だと思います。

僕も若いころやってもらったことが身になっているので。毎年恒例で20代のときにお世話になったレストランのシェフと年末の挨拶の電話をするんですけど、ひとの育成の話になって。そのなかでいま僕としての使命だと思っているのは礼儀・挨拶・振る舞いなど基本的なことを伝えていくことで。それはシェフから教わったことが根幹になっているということを伝えました。「髙橋、鳥肌立ってるぞ、俺」って言われて少し認めてもらった気がして嬉しくて。「マジっすか」って言ったら「マジっすかとはなんだ」って怒られましたけど。(笑)

ーどこの土俵でも髙橋さんが全力でやってきた姿を見てくれているんですね。未だに暖かく見守ってくれているシェフとの関係性がとても素敵だなと思いました。先日澤村さんにもインタビューしましたが、これまでの自分の腕を磨くという意識から、分け与えられることはチームで共有して、みんなで成長することに楽しさを感じると言っていました。髙橋さんのマインドがしっかり伝わっているんだなと思います。

それは嬉しい。そういう人に対しては自分もどんどん分け与えていきたいっていう思いを抱けます。

100本のスプーンで描く未来

ー総料理長として、100本のスプーンのどんな未来が見たいですか?

僕にはこれから料理を作らずに成果を出すってことが求められると思うんですよね。安心・安全な料理を提供するっていうのはもちろんのこと、各料理長がどんなことを考えているのかを具現化していきたいですね。その手段として動画の企画なんかもやっていきたいと思っています。豊洲店の瀧口料理長と二人でティックトックやるとか。テクニックの紹介はもちろん、食べるの大好きコンビで、大量に作ったパスタを二人で平らげるとこまでやる、みたいな。(笑)

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「でもやっぱり料理人なんで、グループの仕事でキッチンを抜けて、また戻ると料理たのしーっ!現場たのしーっ!ってなるんですよね。みんなが居て。」

あとはキャンプ場をやりたい。子どもたち連れてキャンプに行ったりするんですけど、みんなでテントを立てて食事をすると家族の一体感がかなり出るんですよね。自然のなかでシンプルに、肉を切って焼く、獲りたての魚を食べてみるっていう工程も楽しんでもらう。そこに100本のスプーンとして家族に寄り添えたらいいなって思ってます。

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料理やキャンプが趣味のお父様のもとで育った髙橋料理長。これからは自分自身で家族の時間を積み重ねていく。

ーキャンプ場、ぴったりなコンテンツですね!実現が楽しみです。
最後に、どんな人なら100本のスプーンを楽しめると思いますか?

これまで、色んなメンバーが居てみんなそれぞれのやり方があっていいなと思っていて。僕としても、もっと色んな人を見たい、考えを聞きたい。だからどんな人がいいですっていうのはないです。僕もこの7年間でどんどん考え方も変わったし、納得した上で変化があった。逆に自分の考えしか認めない、このやり方しかムリ!っていう人はうまくいかないかもしれないですね。人の話をよく聞けて、その上で意見を交わせる人と色んな話をしながら働きたいです。

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撮影:宮川大
取材・執筆:本間菜津樹

インタビュアー:本間菜津樹(Honma Natsuki)
沖縄県出身。大学卒業後、アパレルEC運営会社にて出店ブランドのサポート業務等に従事。その後地元の出版・印刷を行う会社に転職し、ものづくりに関わるうちにその楽しさを実感。自身でも文章を書くように。出産・子育てをするなかで親子の場づくりがしたいという思いが芽生え、100本のスプーンへ。サービススタッフとして勤務。

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